運命とは強く儚くて

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テオとカレル

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「そうか、いいって言ってくれたんだ」

「うん。…明後日…迎えに行こうかなって」

「そうしようか。…皇帝にお願いして休み取ろうか」

「いや、普段より少し早めに上がらせてもらうだけでいいよ。…そうしないといつも通りが分からないでしょ?」

風呂上がり、火照った体に下衣だけを纏ってだらけながら酒を煽るのは至福の時間だ。
最近の話題はお互いにジュダのことばかり。

「確かに。…じゃあ早めに上がらせてもらうようにするよ。ジュダが帰る3日目は1日一緒にいていいだろ?」

「そうしよう。…3人で森にでも行く?」

人の多い街に行ったりするよりジュダはそちらの方がいいだろう。
ふふ、と楽しげに笑うカレルの頬をつつく。

「楽しみ?」

「もちろん。…私は君と比べてジュダと触れ合う時間が少なかったからね、楽しみだよ」

「ジュダはあんたのことも話すよ。カレルは?って聞くし」

そんなことを教えてやると嬉しそうに彼が笑う。
…それでもジュダにとって宮廷内の環境が苦痛だったらそれは仕方がない。

ジュダに苦しい思いはさせたくは無い。


「仕事の合間はどうさせるんだい?」

「基本俺はエディ様のそばに居るし…連れてきていいって。合間合間に何か教えるよ」

いいなぁ、とぼやくカレルに軽く口付ける。

「ジュダはどこで寝るの?…俺達の間?」

「なんだか家族らしいね、そうしよう。…他に入用なのは?」

「今日持ち物は見たけど…結構日用品は最低限かな、共用のものが多いから。」

「孤児院の服で宮廷内を歩かせると変に視線が集まるだろう、ジュダは嫌がらないかい?」

「あー…でも新品は落ち着かなさそうだからな…そこそこ良い物の古着を買ってみる?」

「いいね。…あと、ノートと新しい鉛筆をプレゼントしたいんだ」

「ボロボロだもんね…じゃあ明日まとめて買ってくるよ。」

「頼んだよ…さて、そろそろ体が冷える、服着よう」

「えぇ、いいじゃん。…大丈夫大丈夫」

素肌に掛け布団は気持ちがいい、なん言っていると強制的に寝間着を着せられあっという間にベットへと入れられてしまった。

「カレルってさ、たまに母さんっぽくなるよね」

「そうか?…」

困惑しながら本を片手にベットへ入ってきた彼の腕の中に潜り込んで本の盗み見を。

やっぱり…カレルが母上って呼ばれるべきじゃない??

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