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テオとカレル
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しおりを挟む「神父様、少しよろしいですか」
教会につくとジュダ含む子供たちは勉強中だったので、神父のいる部屋を先に尋ねる。
カレルには話してある、あとはジュダと神父の意見だけ。
「これはテオ様、お掛けくだされ。…さて、ジュダのことですかな」
「その通りです。…もしジュダが良いと言うのなら2日程一緒に過ごしたいと。…俺とカレルは城で暮らしています、ですのでその環境にジュダが苦痛を感じてしまわないか心配で」
「なるほど。…私から見ても、ジュダはあなた方と出会って変わりました。皆と食事ができるようになり、表情も柔らかくなりましてな。…初めはジュダにとっては試練かもしれませんが、あなた方と一緒なら彼にとって幸せでもありましょう」
「私は賛成です。さ、ジュダと話してくだされ」と神父に見送られ部屋を出る。
流石はこの施設の要といったところか、言葉の重みというか凄みが違う。
教室の窓をちらりと覗くと1番後ろの端にジュダが座っていた。
この帝国のことを習っているらしい、熱心に先生である修道士の話を聞いては何かをノートに一生懸命書いている。
しかし、やはり手を挙げて意見を言ったりするのは苦手らしい。皆が手を挙げていても、1人そわそわと縮こまっている。
ジュダらしい。
授業が終わったのか、子供達が次々に元気よく教室から出てくるがジュダが出てこない。
教室に入るとジュダが席で紙切れをじっとみていた。
カレルの書いた本代わりの詩だ。
「ジュダ」
「…!…テオ」
大切に紙切れをポケットにしまうとこちらへ駆け寄ってきたジュダを抱き上げる。
「ちゃんと勉強してて偉いね」
「…うん…!」
少し重くなったか、きちんとご飯を食べている証拠だ。
ジュダを膝に乗せて席に座ると、ジュダが控えめにノートを見せてくる。
先程の授業で書いたのだろうか、子供らしい絵がいくつも書かれている。
「…きたのくに…、これは…ひかし」
ポツポツではあったが、一生懸命説明してくれるジュダは愛おしかった。
持ってきたお菓子を一緒に食べながら話を切り出す。
「…ジュダは、俺とカレルと一緒に暮らしたいって思う?」
「…ずっといっしょ?」
「そうだね。…仕事もあるけど朝とか夜、寝る時は一緒だね」
「…いっしょにいたい…」
一緒に暮らしたいか、はちょっと難しかったかなと思っていた矢先、ジュダの言葉に少し驚く。
「俺達も、ジュダと一緒にいたいよ。…でも住むところが少し落ち着かないかもしれないから、試しに2日間くらい一緒に暮らさない?」
「うん…テオ…とカレルといっしょ」
そわ、としながら頷くジュダを軽く抱きしめる。
よかった、一旦は安心だ。
「…いつから?」
「そうだなぁ…明日、明後日くらいかな」
準備があるからね、と頭を撫でて外へと向かった
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