運命とは強く儚くて

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テオとカレル

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「…引き取ろうか、なんて言ったけどジュダはうちに来ることを喜ぶかな」

「確かにね。…1度きちんと話した方が良いかもしれないし、試しに1日か2日ジュダをうちに呼んで過ごしてみるのもいいかもしれない」

朝の日課である鍛錬を済ませ、カレルと共に朝食を食べながらそんなことを話す。

もしもジュダが望まなかったら。

「大丈夫、良いようになる」

食べ終わったカレルがぽん、と肩を叩いて身支度を整えに席を立った。

基本俺らは早起きなのと反対に皇帝達はゆっくり起きるので時間には余裕がある。
着替えて皇帝達の朝支度を手伝い、エディ様の執務を補佐する。

「デニスと陛下から聞いたよ、ジュダって子と仲がいいんだね」

「ご存知でしたか」

「うん。…あんまり人に関わらない子って聞いてたから気になってはいたんだよ。養子に、とか考えてるの?」

「はい…しかしジュダ自身がどう思うか」

ぱたん、と資料を閉じたエディ様が微笑む。

「大丈夫、テオとカレルさんと一緒にいる時のあの子はとっても幸せそうだよ。…それに、他の子や修道士から聞いたけどちゃんとご飯が食堂で食べれるようになったって。…あと、1人で体術の稽古してたり」

「テオのよくやってるやつ」と言われてジュダが1人で黙々と教えた体術を繰り返す姿が目に浮かぶ。

体術と言っても、1人でできる基礎的な型だ。
ジュダは筋がいい。気配の消し方も段違いに上手いし、身軽だ。

時々見せる、子供らしい笑顔が可愛い。
お菓子をあげると口いっぱいに頬張る。

カレルに文字を教えてもらうと一生懸命鉛筆を握って、夢中で文字を書く。
カレルが教えるために本代わりの簡単な詩を書いた紙切れをずっと持っていた。

何気なく言った約束、ご飯をちゃんと食べるとあうことを律儀に守っていた。


「今朝もカレルと話したのですが、2日程試しに一緒に過ごしてみようかと」

「いいね。…今日も勉強が終わったらデニスは教会に行くから、一緒に行って神父様に話しておいでよ」

「エディ様はその間何かされますか?」

「僕はちょっと寝たくて…ちょっと寝不足なんだ」

はは、と困ったようだが恥ずかしそうなところを見る限り、皇帝が元気なのだろう。

それは寝不足にもなる。
陽者は発情期構わず元気だからなぁ、なんて。

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