運命とは強く儚くて

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Ⅱ -9

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「暑いな…」

体を起こした皇帝がぱさ、と羽織っていた上着を脱ぎ捨てる。
もう自分は皇帝の物、じんわり痛い項の噛み跡を撫でると幸せで包まれるような気がする。

皇帝が欲しくてたまらない、皇帝が身につけている最後の1枚である下衣の大きな張りが欲しくて欲しくて、思わず「陛下…ぁ、はやく…っ」と舌が回らないながらに足で引き寄せてしまう。

「そう焦るな…俺だって余裕は無い」

しゅる、と紐がとかれて下衣の中身が顕になる。
熱く脈打つ皇帝のそれ。待ちきれずに体を起こして彼に口付ける。
彼の唾液すら、まるで媚薬のように熱くて自分を酔わせてしまう。

「っは…積極的なお前はやはりいい。…入れて良いか?」

「くださ…い」

ソファへと身を預け、絶えず愛液が溢れ出すそこを拡げて彼を今か今かと待ちわびる。

「ほんとうにお前は…っ」

「っ!!?~ッ、あ"」

ずん、と腹の奥に一気に彼自身が届く。
あまりの刺激に早くも体をふるわせて達してしまった。それでもまだ事足りることはなく、次の刺激を求めて中が勝手に締まる。

それに応えるように彼が動く度にごりごりと雁が中のしこりを容赦なく押していく。
発情期に皇帝とするのは初めてだ、普通にする時とは比べ物にならないくらい気持ちがいい。
気持ちすぎてもう頭がおかしくなりそうだ

「気持ち良いか?」

「きもち…っ気持ちいです、っんぁ」

「ここか?…っ」

「っひゃ…ぁ"あ、あ"っ」

くしゃ、と髪をかきあげた皇帝がニヤリと笑って最奥の入り口としこりを交互に突いてくる。
気持ちよすぎて声が声じゃなくなっている。

入れて数十分も経っていないのにどれだけ達してしまったのだろう。
気持ちよすぎて苦しい。

ぐじゅ、っじゅぷ、と派手な水音が耳に入るのも自分の興奮を唆る。

「すごいな…一旦…ッ出す」

皇帝の動きが速まり、容赦なく、もはや先が奥へと入って来ているような突きだ。

「ッく…、っ…ぅ」

「もっと…っもっと…くださ…ぁッん」

ドクドクと腹の中で脈打つ彼自身と、中に注ぎ込まれる熱い液体。

一瞬は満足するが、すぐに物足りなくなってしまう。
もっともっと、と強請っているとキスで唇を塞がれてしまった。夢中でキスをしている間もぐりぐりと奥に押し付けるように、種を強く植え付けるように腰を押し付けられる快感に全身が震える。

「急かすな、まだ時は十分にある」

「抱き上げて…」

「愛いな…本当に」

彼を中に留めたまま、彼と抱き合い、上に跨る形で体を起こす。密着していて、彼の体温と鼓動も全て自分の体のようだ。

彼の優しげだが、欲情した表情に堪えられずきゅん、と胸が締め付けられる。

「ッ…急に締めるな」

もっと、足りない。
ぎゅっと彼に腕を回して抱きつき、自ら腰を上下させる。

自分の重みで1回1回奥まで入って、自分の良いところにあたる。
けれどその分、先程出してもらった彼の白濁が繋ぎ目から音を立てて溢れて出してしまっている。
僕の大事なものなのに、とわけも分からず涙がボロボロと溢れてしまう。

グズグズしていると皇帝が涙をキスで拭いとる。

「漏れちゃ…っ、ぃや…ダメ」

「泣くな、何度でも出してやる」

「どれくらい?…」

「お前が満足するまでだ…この小さな腹がいっぱいになって、孕むまで…」

彼の低い囁きに頷くと優しく撫でられる。
心地良くて、もっとして欲しくて頭を擦り付けると皇帝が小さく笑う。

「本当にお前は、煽ってくれるな」

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