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テオとカレル
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しおりを挟む「失礼致し…っと…失敬…」
そろそろ食事とエディ様の体調を伺いにドアを少し開けると耳に飛び込んできたのは何と言うか、情事の音とエディ様の喘ぎ声。
別に変なことは思わないが、少し申し訳なさがある。
それに香り、発情期に入られたのだろう。とりあえず暫くはそっとしておこうと飲水とタオルだけ入ってすぐの小さなテーブルにそっと置いて部屋に戻った。
今日のカレルは午前だけ王宮に戻って仕事をして、持ち帰ってきたらしい。
書き物をしている彼の傍に椅子を持ってきて邪魔をしないように座る。
「…はやいね」
「うん。…始まってたみたいでさ、気付かれてないといいな」
「それは災難だったね。…私達も始めるか?」
「馬鹿、昼間っから。一応護衛だし」
「護衛のためだけではないだろ?…別の意味もあってのこの部屋だと思うよ」
羽根ペンを置いてググッと伸びをしながら軽快に笑う彼の足を軽く蹴る。
確かにそれは一理ある。
立ち上がって彼の膝に乗り、ぐっと彼を引き寄せる。
「俺はこれで十分。…それとも、カレルは溜まってる?」
「そう言われるとそうだしそうでも無いし…難しいところだね」
ふむ、と真面目に考え始めるカレルの額にデコピン。
「冗談。…あのね、俺はカレルに抱かれるのも好きだし、こうやって何もしなくても一緒にいられるだけで嬉しいよ」
「それは私もだよ」
優しく微笑んだ彼がちゅ、と音を立ててキスをしてくる。さては、結構喜んでいるな?
分かりにくいけれど俺は分かる。ニヤニヤを堪えるように少し口を結んでいるから。
可愛いな、ほんとに。
「あんたも可愛いとこあるよね」
「そうかな…。私みたいな男に可愛いとはね」
「…女の子も言ってたけどさ、女の子の好いた相手に言う可愛いって『愛しい』って意味なんだから」
「そうなのか。…じゃあテオは可愛い、国で1番可愛いな」
「言い過ぎ。…でもそこは世界一じゃないんだね」
「世界一でもあるな」
クスクスと2人で笑い合いながら2人で過ごして、皇帝たちの分の美味しい昼食を食べた。
俺達も(特にカレル)それなりの身分持ちだからいいご飯は食べているけれど皇帝はやはり格別だった。
「美味い…。こんなのにありつけるんなら皇帝達毎日昼からしてくれていいのに」
「少なくとも1週間はこうだよ。…これ食べる?私は苦手だから」
「食べる。…ほら、食べさせてよ」
今週の俺は最強だからわがままだって言える。
ちらりと彼の様子を伺うと楽しそうに食べさせてくれた。
意外にカレルは好き嫌いがある。やはり坊ちゃんなのだろうか。
それとも俺がなんでも食べすぎなのか。
森の中で生き抜く術とか、父さんが教えてくれたし、実際その時はなんでも食べたから。
まだ優しかった頃の父さんか、懐かしい。なんてふとした思い出に浸りながら調子に乗って嫌いなものを口に運んでくるカレルの頭に手刀を軽く入れた。
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