運命とは強く儚くて

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Ⅱ -2 新婚旅行 -2

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妃達との会話はとても楽しかった。
初めは緊張していたが、明るく朗らかな彼女達と話していくうちに段々と打ち解けて笑い合えるようになった。

中でも少ない男性とは沢山話せた。
3人とも隠者で、そのうち2人は王の、1人は王の弟の妃だ。
発情期が来ないことを話すと他の女性隠者にも事例を聞いてくれたり皆親身になってくれた。

「エディ様、そろそろお戻りになる時間です」

「ほんとだ…。では僕はそろそろ、とても楽しかったです。ありがとうございました」

「いいえ、こちらこそ楽しかったわ。何時でも誰かしらここにいるから何時でも来てちょうだい。大歓迎よ」

みんなに見送られて部屋を出、テオと廊下を歩いているとテオがおもむろに口を開く。

「…エディ様は発情期が来なくても、隠者は幸せになれると思いますか?」

突然どうしたのだろう、と様子を伺うとどことなく真剣な表情だった。
どうだろう、と少し考えて口を開く。

「…こんな立場って言ったら偉そうだけど、僕は発情期が来ないと陛下の子供が産めないし番になれない。…けどもし発情期が無くて、隠者じゃなかったとしても、今の大切な人と一緒にいられて愛してるなら関係ないと思えてくるな…」

「そうですか」

真面目に語ってみたものの、返ってきた短い返事に彼の様子を伺うといつもは読みところの無いテオの表情が柔らかく微笑んだいた。

「…カレルさんとの話、もっと聞かせてよ」

「では部屋に戻ってお話しましょう」

いつもと違う様子を見れてはしゃぐ自分を仕方ない、と言うように笑ったテオと共に部屋へと戻った。

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