運命とは強く儚くて

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Ⅱ -2 新婚旅行 -2

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「どこか行きたいところなどございますか?」

「…海に行きたくて。行けますか?」

「もちろんです」

小麦色の肌の案内人がにこやかに笑い、案内してくれたのは王宮に隣接…というよりももはや一体化しているような入江だった。
建物から真っ直ぐ海上まで道が出来ていてそのまま進むことも出来、降りて砂浜を歩くことも出来る。

「砂の上を裸足出歩かれると御御足をやけどしてしまいます。こちらをお履き下さい。…何かあればなんなりと」

身軽なサンダルのようなものを置かれ、有難く履かせてもらうと砂浜に出る。

「エディ様、こちらを」

テオに日除けのヴェールをかけられる。
日焼けしたら痛いからなぁ、なんて仕方なくヴェールを羽織って足を海につけてみる。

行ったり来たりする波の動きを感じながらひんやりとした心地に感激してしまう。いつかデニスも連れてきたい。

「テオ、デニスに貝殻を持って帰りたい。…手伝ってくれる?」

「はい、わかりました」

白くサラサラとした砂浜で貝殻を集めながらふとカレルさんのことを思い出す。

「…カレルさんは来れなかったけど、寂しい?」

「そうですね…。寂しくない、と言えば嘘になりますがお互い仕事で慣れていると思います」

「そっか…。テオは今いくつ?」

「今年で24になります。あの人…カレルとは離れているので」

「そうなの?じゃあ同い年だね」


思いもよらない事実に少し驚くと共に嬉しく思う。
テオは落ち着いていておとなっぽいからとしうえかとおもっていたが…なんだか親近感が湧く。

「こちらをお使いください、ここの砂浜の砂は美しいと土産にもなりますよ」

先程の案内人が小瓶をくれて、そこに綺麗な砂と貝殻を詰める。
他にも貝殻やサンゴの欠片を拾った。
孤児院の子達にあげよう。

ほとんどの子は海を見た事がない。
喜んでくれるといいな、なんて思いながら膝まで海に入ったり、日陰で氷を食べたりした。
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