14 / 154
Ⅰ -5
-2 🔞
しおりを挟む「…それは了承と捉えていいのだな」
ゆっくり唇がはなれ、離れようとするも皇帝の手の平が後頭部を抑えて逃げられない。
恥ずかしいのに目が離せない。
「真っ赤だな」
頭がこんなことがあるか、とでも言うように真っ白になっている。
こんなにも近い。いや、今までも距離は近かったではないか、キスも初めてではない。
それなのになぜこんなに心臓が飛び出そうなのか、声が出ないのか。
掠れた声しか出ずにとまだっていると再度唇を塞がれる。
いつものキスとは違う、長くて深いキスだった。こんなキスも初めてでは無いのに初めてのような感覚だった。
気持ち良くて、力が抜けてしまう。皇帝は背が高いから余計に辛い。堪えきれずに唇を離すと眉を下げた皇帝か首を傾げる。
「これは嫌か」
「いえ…その…とても良かったです。でも背が届かなかったので…」
「そうか、なるほどな。…ではこうすればいい」
楽しげに笑った皇帝に抱き上げられる。慌てて彼の首に腕を回し、部屋のベッドへと下ろされる。
隣にはすやすやと眠るデニス。まさかここで…。
「カレル、デニスを一晩頼む」
「…かしこまりました。」
皇帝が呼び出したのかカレルさんがデニスを連れていく。
「…お預かりします。おめでとうございます」
こっそり囁いて言ったカレルさんに顔が赤くなる。やっぱり分かるものだよなぁ、としみじみ思っていると隣に来た皇帝にベッドへと押し倒される。
「これなら離すこともないだろう」
そう言って先程のようにキスをする皇帝。
ほんとにするんだな、とまるで生娘のように考えてしまう。
徐々に皇帝の手が自分の帯を解き、肌を露わにしていく。そこでハッとして彼の肩をそっと押して起き上がる。
「…僕がやります…ので」
自分より身分が上の人を相手にするのは慣れている。というより、自分より下の人と交合うことはない。何せ自分が下だったものだから。
自分が尽くさなければ。
そんな使命にかられていた。
「ほう…ではお手並み拝見といこうではないか」
「…失礼致します」
クッションや枕にもたれかかった皇帝の寝巻きの帯を解き、そっと胸から口付けていく。
あとは残さないように、あくまで服従や忠誠を込めてだ。
ゆっくりと下着をずらして、皇帝のモノをゆっくりと取り出す。
やっぱり陽者だ。
発情していなくても、自分まで欲情してしまう。
思わず頬擦りをして丁寧に舐め上げる。
ほんのり苦い液体が先から零れ、舐めとるとゾクッとした感覚が体を走る。
竿に走った何本もの線の凹凸は強く脈打っていて、モノ自体をビクリビクリと動かしている。
全部は入り切らない、と見越しゆっくり喉奥まで咥え込み、入り切らなかった根元部分を口から溢れた唾液を滑剤代わりに手でゆっくり扱く。
大きくて苦しいが、口いっぱいに広がる液の味と雄の匂いに頭が蕩けるような感覚になり夢中になりかけながら頭を上下させる。
頭に乗せられている皇帝の大きな手のひらに時折グッと力が入り、息遣いも荒くなっている。
「っ…エディ…」
口の中いっぱいのモノが熱い。
そろそろだろうか、そう思っていた所にグッと頭を抑えられ、喉奥に先端が押し当てられる。
「…出るっ」
皇帝の小さな呻きと共に粘り気のある液体が口いっぱいに出される。
やっぱり量が多い。
一流というか、やはり生まれの違う陽者は違う。
「…すまぬな…大丈夫か」
ぢゅ、と入り口の管に残っているだろうものを吸いゆっくりと口からまだ硬くて大きなモノを離し顔を上げ、中の液体を飲み込む。
「飲んだのか…いい気持ちではないだろう」
心配そうに頬を撫でてくれる皇帝の手に頬を擦り寄せる。
「…美味しかったです」
「っ…お前は…本当に末恐ろしいな」
笑う皇帝の言葉に我に返り慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません…失礼を申しましたか」
「そうでは無い。…お前は可愛すぎて困る」
そう言って口つけてくれた皇帝にほっとする。
脇を抱き上げられ、膝立ちになると彼の肩に手を置くよう言われる。
いつの間に置かれていたのか、小瓶の中身を皇帝が手に取りゆっくり後孔へと刷り込む。
ひんやりしていて不思議な感覚だ。
しばらくしていないから少しキツイかな、なんて落ち着くためにごちゃごちゃ考えながら皇帝の指が当たるのを感じてしまう。
0
お気に入りに追加
377
あなたにおすすめの小説

成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭

僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる