運命とは強く儚くて

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「…それは了承と捉えていいのだな」

ゆっくり唇がはなれ、離れようとするも皇帝の手の平が後頭部を抑えて逃げられない。
恥ずかしいのに目が離せない。

「真っ赤だな」

頭がこんなことがあるか、とでも言うように真っ白になっている。
こんなにも近い。いや、今までも距離は近かったではないか、キスも初めてではない。
それなのになぜこんなに心臓が飛び出そうなのか、声が出ないのか。

掠れた声しか出ずにとまだっていると再度唇を塞がれる。
いつものキスとは違う、長くて深いキスだった。こんなキスも初めてでは無いのに初めてのような感覚だった。

気持ち良くて、力が抜けてしまう。皇帝は背が高いから余計に辛い。堪えきれずに唇を離すと眉を下げた皇帝か首を傾げる。

「これは嫌か」

「いえ…その…とても良かったです。でも背が届かなかったので…」

「そうか、なるほどな。…ではこうすればいい」

楽しげに笑った皇帝に抱き上げられる。慌てて彼の首に腕を回し、部屋のベッドへと下ろされる。
隣にはすやすやと眠るデニス。まさかここで…。

「カレル、デニスを一晩頼む」

「…かしこまりました。」

皇帝が呼び出したのかカレルさんがデニスを連れていく。

「…お預かりします。おめでとうございます」

こっそり囁いて言ったカレルさんに顔が赤くなる。やっぱり分かるものだよなぁ、としみじみ思っていると隣に来た皇帝にベッドへと押し倒される。

「これなら離すこともないだろう」

そう言って先程のようにキスをする皇帝。
ほんとにするんだな、とまるで生娘のように考えてしまう。

徐々に皇帝の手が自分の帯を解き、肌を露わにしていく。そこでハッとして彼の肩をそっと押して起き上がる。

「…僕がやります…ので」
 
自分より身分が上の人を相手にするのは慣れている。というより、自分より下の人と交合うことはない。何せ自分が下だったものだから。

自分が尽くさなければ。
そんな使命にかられていた。

「ほう…ではお手並み拝見といこうではないか」

「…失礼致します」

クッションや枕にもたれかかった皇帝の寝巻きの帯を解き、そっと胸から口付けていく。
あとは残さないように、あくまで服従や忠誠を込めてだ。

ゆっくりと下着をずらして、皇帝のモノをゆっくりと取り出す。
やっぱり陽者だ。

発情していなくても、自分まで欲情してしまう。
思わず頬擦りをして丁寧に舐め上げる。
ほんのり苦い液体が先から零れ、舐めとるとゾクッとした感覚が体を走る。

竿に走った何本もの線の凹凸は強く脈打っていて、モノ自体をビクリビクリと動かしている。

全部は入り切らない、と見越しゆっくり喉奥まで咥え込み、入り切らなかった根元部分を口から溢れた唾液を滑剤代わりに手でゆっくり扱く。

大きくて苦しいが、口いっぱいに広がる液の味と雄の匂いに頭が蕩けるような感覚になり夢中になりかけながら頭を上下させる。

頭に乗せられている皇帝の大きな手のひらに時折グッと力が入り、息遣いも荒くなっている。

「っ…エディ…」

口の中いっぱいのモノが熱い。
そろそろだろうか、そう思っていた所にグッと頭を抑えられ、喉奥に先端が押し当てられる。

「…出るっ」

皇帝の小さな呻きと共に粘り気のある液体が口いっぱいに出される。
やっぱり量が多い。
一流というか、やはり生まれの違う陽者は違う。

「…すまぬな…大丈夫か」

ぢゅ、と入り口の管に残っているだろうものを吸いゆっくりと口からまだ硬くて大きなモノを離し顔を上げ、中の液体を飲み込む。

「飲んだのか…いい気持ちではないだろう」

心配そうに頬を撫でてくれる皇帝の手に頬を擦り寄せる。

「…美味しかったです」

「っ…お前は…本当に末恐ろしいな」

笑う皇帝の言葉に我に返り慌てて頭を下げる。

「申し訳ありません…失礼を申しましたか」

「そうでは無い。…お前は可愛すぎて困る」

そう言って口つけてくれた皇帝にほっとする。
脇を抱き上げられ、膝立ちになると彼の肩に手を置くよう言われる。

いつの間に置かれていたのか、小瓶の中身を皇帝が手に取りゆっくり後孔へと刷り込む。

ひんやりしていて不思議な感覚だ。
しばらくしていないから少しキツイかな、なんて落ち着くためにごちゃごちゃ考えながら皇帝の指が当たるのを感じてしまう。
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