38 / 40
怒り
しおりを挟む
「──あら、坂本さんもう退院出来たの?」
「ええ、そうみたいですね。昨日、『やっと自宅よーばんざーい! でも足が治るまで自宅警備だから退屈なのよね。良かったら遊びに来てねー』と大変お元気なメールが来てました」
「……ほんと見かけによらず強靭な精神してるわよねえ、あの人」
「パッと見は、か弱くて儚げな美人さんですからね。中身は自衛隊とかグリーンベレー的メンタルですよ。見習いたいです」
「小春ちゃんも充分メンタル強いわよ? 己を知りなさいよ」
「私なんかまだまだですよ、真理子さんに比べたら」
正延さんがぱんどらに来て、一緒に麻婆豆腐丼を食べた数日後。
精密検査を受けて、脳波や内臓などには異常なしと結果が出た真理子さんが、早々に退院して自宅静養を満喫している、とマスターに報告したのはメールを貰った翌日の、少し遅めの昼休憩のことだった。今度の休みにケーキでも買って遊びに行こうかと思ってます、と告げる。
「次の休みは明後日か。うーん、いいんじゃないかと思うけど、一人で出掛けるのはちょっと心配よねえ」
「あれから今のところは何も起きてないですし、一応行き帰りはタクシー使って、明るいうちに帰りますから大丈夫です。それに犯人も警察にバレるの恐れて逃げ回っていて、こちらに構ってる余裕ないと思います」
「まあそうは思うけれど……とにかく気をつけるのよ?」
「私もまた痛い思いするの嫌ですからね」
本日は天気も良く、かなりお客さんが訪れて忙しかったが、六時半を回った頃にはお客さんも皆いなくなった。十分前になったので、閉店準備をしながらジバティーさん達に今夜の見たい動画のリクエストなどを聞いていると、サイレントモードにし忘れていたスマホがいきなり鳴ったので驚いた。画面を見ると真理子さんである。
マスターに許可を得て電話を取ると、「小春ちゃん、ごめんね仕事中に。今大丈夫?」と真理子さんが早口で聞いて来た。
「マスターにお許し頂いてますから大丈夫ですよ。もうお客さんはけましたし、今片付け準備中です」
「そう、良かったわ」
真理子さんはそう言うと、陽気な感じで続けた。
「ほら、近々ご飯でも一緒に食べようって言ってたじゃない? 実は今夜、小春ちゃんの大好きなアサリしめじ納豆のスープパスタ作ろうと思ってるの。で、一人じゃ寂しいから是非招待したいなーって思って。ほら、前に小春ちゃんのお兄さんの正延さんと一緒にご馳走した時、すごく美味しいって言ってくれたでしょ? 私ったら足がコレだからちっとも外出出来ないし、話し相手も欲しいのよー」
「はあ、いきなりですね」
「寂しい時っていきなりやって来るものよ。お願い小春ちゃん、是非来て貰えないかしら? あっ、タクシー代とか出すわよ勿論」
「そうですか。──それでしたら遠慮なくご馳走になります。でも片付けてからなので、七時半ぐらいになりますけど大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。今から作り出すから。じゃあ待ってるわねー。あ、お兄さんにもよろしく伝えてねー」
「はい、伝えておきます」
私は電話を切ると、マスターに振り返った。
「……マスター、大至急で正延さんに連絡を取って頂けませんか? 真理子さんが危険かも知れません」
「え、どういうこと?」
「真理子さんが私を夕食に誘ったんですが、私の大好きなアサリしめじ納豆のスープパスタを作るって言ってたんです」
「え? 小春ちゃん納豆ダメだったでしょう? 坂本さんに言ってなかったの?」
「たまたま食事の好みの話になった時に言いましたよ。唯一苦手とするものだって。そうしたら、『あー西日本の人は食べない人が割といるのよねえ』って真理子さん納得してた位なので、簡単に忘れてはないと思います。あと、正延さんのこと私のお兄さんって言ってました」
「──脅されて言わされてる可能性があるってことね」
「はい」
マスターはスマホを取り出すと、正延さんへ電話をかけ始めた。
真理子さんは頭が良いので、とっさにそばで聞いているであろう人物が不信感を抱かないように話を作り上げたのだ。だが私がおかしいと考える程度には話を捏造して。
何かあったのかと聞けばそれも聞かれるのでは、と思いそのまま話を合わせたが、まさか逃げ回ってる人が真理子さんのマンションに侵入するとは思いもよらなかった。オートロック、仕事してないじゃないか。
「良かったわ、たまたま移動中だったみたいですぐ連絡ついたわ。説明したら、一緒にいる部下とそのまま坂本さんのマンションに向かってくれるそうだから、入口のところで待ち合わせしようって」
マスターが腰のエプロンを外してドアの札をCLOSEにすると、ロールカーテンを下ろした。
「小春ちゃん、私も一緒に行くから。……ああでもどうしよう、私のせいで坂本さんに何かあったら。死んでお詫びするしかないわ。本当に私って呪いのホープダイヤみたいよね。周囲の人を不幸にするわ」
マスターの声が少し震えている。
「あんなの冗談に決まってるでしょう、よして下さい縁起でもない。それに悪いのはその女性であって、決してマスターじゃありませんから、いくら魔性の美貌だからって自惚れないで下さい」
そして私は、奥のテーブル席で黙ったまま話を聞いていたジバティーさん達に頭を下げた。
「すみません。そういう訳で本日の動画上映は中止でお願いします。また休みの日にでもやりますので」
『アホか。そんなん小春が気にせんでもええ。それより、あの美人の姉ちゃんもだけど、小春もマスターもケガしないように気いつけるんやで』
『そうよ。今ぱんどらのジバティーも定員なんだから、絶対死んだらダメなんだからね?』
『ごめんなさい、私、空手やってたのに今ちっとも役に立てないです』
「ご心配ありがとうございます。刑事さんも来てくれるのできっと何とかなると思います」
「ほら小春ちゃん、出るわよ!」
マスターがマスクをつけると、私を呼んだ。
多分顔の変化が乏しいので全く動揺してないように見えるだろうが、正直無様なまでに足が震えている。何されるか分からないと思うと怖くてしょうがない。でも今、犯人がそばにいるであろう真理子さんは、もっと怖い思いをしているに違いない。
マスターと店を出て、タクシーを捕まえるため大通りに小走りで向かいながら、私の中にあったのは恐怖と、それをはるかに上回る怒りの感情だった。
「ええ、そうみたいですね。昨日、『やっと自宅よーばんざーい! でも足が治るまで自宅警備だから退屈なのよね。良かったら遊びに来てねー』と大変お元気なメールが来てました」
「……ほんと見かけによらず強靭な精神してるわよねえ、あの人」
「パッと見は、か弱くて儚げな美人さんですからね。中身は自衛隊とかグリーンベレー的メンタルですよ。見習いたいです」
「小春ちゃんも充分メンタル強いわよ? 己を知りなさいよ」
「私なんかまだまだですよ、真理子さんに比べたら」
正延さんがぱんどらに来て、一緒に麻婆豆腐丼を食べた数日後。
精密検査を受けて、脳波や内臓などには異常なしと結果が出た真理子さんが、早々に退院して自宅静養を満喫している、とマスターに報告したのはメールを貰った翌日の、少し遅めの昼休憩のことだった。今度の休みにケーキでも買って遊びに行こうかと思ってます、と告げる。
「次の休みは明後日か。うーん、いいんじゃないかと思うけど、一人で出掛けるのはちょっと心配よねえ」
「あれから今のところは何も起きてないですし、一応行き帰りはタクシー使って、明るいうちに帰りますから大丈夫です。それに犯人も警察にバレるの恐れて逃げ回っていて、こちらに構ってる余裕ないと思います」
「まあそうは思うけれど……とにかく気をつけるのよ?」
「私もまた痛い思いするの嫌ですからね」
本日は天気も良く、かなりお客さんが訪れて忙しかったが、六時半を回った頃にはお客さんも皆いなくなった。十分前になったので、閉店準備をしながらジバティーさん達に今夜の見たい動画のリクエストなどを聞いていると、サイレントモードにし忘れていたスマホがいきなり鳴ったので驚いた。画面を見ると真理子さんである。
マスターに許可を得て電話を取ると、「小春ちゃん、ごめんね仕事中に。今大丈夫?」と真理子さんが早口で聞いて来た。
「マスターにお許し頂いてますから大丈夫ですよ。もうお客さんはけましたし、今片付け準備中です」
「そう、良かったわ」
真理子さんはそう言うと、陽気な感じで続けた。
「ほら、近々ご飯でも一緒に食べようって言ってたじゃない? 実は今夜、小春ちゃんの大好きなアサリしめじ納豆のスープパスタ作ろうと思ってるの。で、一人じゃ寂しいから是非招待したいなーって思って。ほら、前に小春ちゃんのお兄さんの正延さんと一緒にご馳走した時、すごく美味しいって言ってくれたでしょ? 私ったら足がコレだからちっとも外出出来ないし、話し相手も欲しいのよー」
「はあ、いきなりですね」
「寂しい時っていきなりやって来るものよ。お願い小春ちゃん、是非来て貰えないかしら? あっ、タクシー代とか出すわよ勿論」
「そうですか。──それでしたら遠慮なくご馳走になります。でも片付けてからなので、七時半ぐらいになりますけど大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。今から作り出すから。じゃあ待ってるわねー。あ、お兄さんにもよろしく伝えてねー」
「はい、伝えておきます」
私は電話を切ると、マスターに振り返った。
「……マスター、大至急で正延さんに連絡を取って頂けませんか? 真理子さんが危険かも知れません」
「え、どういうこと?」
「真理子さんが私を夕食に誘ったんですが、私の大好きなアサリしめじ納豆のスープパスタを作るって言ってたんです」
「え? 小春ちゃん納豆ダメだったでしょう? 坂本さんに言ってなかったの?」
「たまたま食事の好みの話になった時に言いましたよ。唯一苦手とするものだって。そうしたら、『あー西日本の人は食べない人が割といるのよねえ』って真理子さん納得してた位なので、簡単に忘れてはないと思います。あと、正延さんのこと私のお兄さんって言ってました」
「──脅されて言わされてる可能性があるってことね」
「はい」
マスターはスマホを取り出すと、正延さんへ電話をかけ始めた。
真理子さんは頭が良いので、とっさにそばで聞いているであろう人物が不信感を抱かないように話を作り上げたのだ。だが私がおかしいと考える程度には話を捏造して。
何かあったのかと聞けばそれも聞かれるのでは、と思いそのまま話を合わせたが、まさか逃げ回ってる人が真理子さんのマンションに侵入するとは思いもよらなかった。オートロック、仕事してないじゃないか。
「良かったわ、たまたま移動中だったみたいですぐ連絡ついたわ。説明したら、一緒にいる部下とそのまま坂本さんのマンションに向かってくれるそうだから、入口のところで待ち合わせしようって」
マスターが腰のエプロンを外してドアの札をCLOSEにすると、ロールカーテンを下ろした。
「小春ちゃん、私も一緒に行くから。……ああでもどうしよう、私のせいで坂本さんに何かあったら。死んでお詫びするしかないわ。本当に私って呪いのホープダイヤみたいよね。周囲の人を不幸にするわ」
マスターの声が少し震えている。
「あんなの冗談に決まってるでしょう、よして下さい縁起でもない。それに悪いのはその女性であって、決してマスターじゃありませんから、いくら魔性の美貌だからって自惚れないで下さい」
そして私は、奥のテーブル席で黙ったまま話を聞いていたジバティーさん達に頭を下げた。
「すみません。そういう訳で本日の動画上映は中止でお願いします。また休みの日にでもやりますので」
『アホか。そんなん小春が気にせんでもええ。それより、あの美人の姉ちゃんもだけど、小春もマスターもケガしないように気いつけるんやで』
『そうよ。今ぱんどらのジバティーも定員なんだから、絶対死んだらダメなんだからね?』
『ごめんなさい、私、空手やってたのに今ちっとも役に立てないです』
「ご心配ありがとうございます。刑事さんも来てくれるのできっと何とかなると思います」
「ほら小春ちゃん、出るわよ!」
マスターがマスクをつけると、私を呼んだ。
多分顔の変化が乏しいので全く動揺してないように見えるだろうが、正直無様なまでに足が震えている。何されるか分からないと思うと怖くてしょうがない。でも今、犯人がそばにいるであろう真理子さんは、もっと怖い思いをしているに違いない。
マスターと店を出て、タクシーを捕まえるため大通りに小走りで向かいながら、私の中にあったのは恐怖と、それをはるかに上回る怒りの感情だった。
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる