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ガルバン帝国もうすぐ出発。
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「………あれ、ドラゴンでかくない………」
「………そうだな………」
夕方、何だか急いで帰ってきたプルとクラインは、クロノスを見てなんか騙されたような顔をした。
[だからなー、コストダウンのために小さくなってんだっつーの!?なぁお嬢?]
クロノスはハルカに振り向いた。
ハルカは晩ごはんの支度をしていたが、
「すんごい大きいわよー見せてもらったけど」
と目を輝かせた。
「見たい」
「ちょっとだけでいいから見たいんだが」
とプルとクラインがクロノスにねだりだした。
[またかよ………まぁいいか。お嬢、俺メシ多めにくれるか?戻ったりまた小さくなったりっつうのも体力使うんだよ]
「沢山用意してるから大丈夫だよー」
おっしゃ、ついてきな、とパタパタと入り口の扉の前に立ち、クラインに扉を開けさせて出ていった。
二人もいそいそと出ていく。
「男って何でああデカイ生き物とか好きかしらねぇ。いつまでも子供みたいだわ」
ミリアンもあー疲れたぁ、と伸びをしながらソファに倒れ込んだ。
「あ、ハルカ、今日王様達がいらしてたわよ」
「あらら、オーナーいないのまずかったかしら?」
ハルカはちょっと慌てた。
「いや、別にいいんじゃない?相変わらず美味しそうに食べてったわよ。どうせ2日に空けず食べに来るじゃない。第1王子夫婦と息子さんも第2王子も。
パティスリーでもまた沢山買っていってくれたし」
「あー、そうねえ」
なんだか分かった当初はみんなと粗相しないかビビりまくってたのだが、普通にやって来て楽しく食べて、お菓子やお弁当を買い物して帰る、というのが続くうちにバイトさんも私達も普通のお客さんと同じように接するようになってしまった。
他の国では知らないが、この国の王族は庶民派と言うか、細かいことにこだわらない人達のようである。
まあ、第3王子をバイトさせてるのを許してる時点でうっすらと感じてはいたのだが。有り難い話である。
暫く経って、少しげっそりしたクロノスと頬を上気させたプルとクラインが戻ってきたので、晩ごはんにする。
今夜はクロノスの同居記念にオーガキングのデミグラスシチューに丸パン、キュウリの叩いたのをガーリックと塩で合えたサラダである。
オーガキング様、ステーキも美味しいけど、ワインで煮込んでシチューにすると肉も柔らかくて旨味がスープにも満遍なく行き渡って、笑っちゃうほど美味しいんだよねぇ。罪な魔物だわ。
クロノスはオーガキングを食べたのが2回目と言うことで、生でも美味かったけどやっぱり煮たり焼いたりした方が断然美味いなー、とご機嫌でラウールと一緒にあーだこーだと話を弾ませながら何度もお代わりをした。
「あ、そうだ、クライン。籠の件引き受けてくれるって?」
ハルカはシチューにパンをつけながら、思い出したようにクラインを見た。
「ピーターさんに頼んできた。三日もありゃ頑丈なの作ってくれるそうだ」
ピーターさんは、この家を建てて店舗の改装をしてくれた職人さんだ。
その後も店舗の内部のちょっとした作り棚を取り付けてもらったり、ケルヴィンの工場の方の機器の取り付けやメンテナンスなど、何かにつけてお世話になっている。
「籠の方はOK、と。あとは………」
ガルバン帝国に行くまでにやることを箇条書きにしているメモ帳に一本線を引いて、残りを見つつうーん、と考え込む。
「とりあえず、講習とかあるし10日位は最低でも留守にするから、食材とかは足りなくならないようにしとかないと。
テンちゃん、レストランの肉とかの在庫どうだった?」
「………今あるのはいつものペースなら1週間分位。2、3週間分はゆとりみとかないと………」
「だよね。まだ私のアイテムボックスにも入ってはいるけど、向こうで講習に使うものもあるし、ゆとりはあんまないな。
………クラインとプルちゃんとテンちゃんとラウールで、ちょっと1日2日、オークとかドードー鳥とか店に出す肉とキノコとか捕ってきて貰えると助かるわ」
「………ん、分かった。パティスリーの方は?………」
「材料は大体市場でなんとかなるし、最悪トラちゃんから足りないのは買えばいいから。あとは作る気合いを入れれば大丈夫よ、うん、大丈夫………」
「ハルカ、遠くを見るのは止めなさい。大丈夫よ、トラちゃんもアタシも手伝うから。オープン前の時みたいなもんだと思えば………思えば………」
「ミリアン、お前も遠くにいくな。何とかなるよ。もし品切になったら店を一時的に閉めてもいいんだかーー」
「店閉めるイケナイ!バイトさんも生活あるネ。お客さんも待ってるネ」
ハルカは、オーナーとしての責任があるとハッと真顔になり、頬をパンパンっと叩いた。
「現実逃避するとこだったわ。いけないいけない。………で、今回のメンバーは、トラちゃん悪いけど一緒に来て貰える?
何か急にネット通販使わないといけない場合もあるかも知れないし。海は越えるけど空からだし、絶対濡れないように守るから」
『喜んで。いい加減置いてかれすぎて寂しかったので、今回はダメと言われても着いてくつもりでした。
ニンジャ衣装も着たかったです』
メモを渡してきたトラちゃんをハルカはぎゅっと抱き締める。
「ごめんね、寂しい思いさせて。過保護過ぎたかもね」
さて、でも全員は連れていけない。店で何かあった時にバイトさんだけでは困るだろう。
「俺様は絶対、行くからな!クロノスに運んでもらう!」
プルが、ここは譲れないと言う顔をした。
「ちょっと待て。俺もちゃんと王に許しは得ているからな!何がなんでもドラゴンで海を渡る!それに女子供だけじゃ危ないし」
クラインもどや顔で宣言した。
「………まあ確かにね。ただ二人の場合、目的がどうも違うんじゃないかと」
「「ガルバン帝国の食文化の向上を願う旅とドラゴンとの空の旅」」
「若干棒読みだけど概ね合ってるからよしとしましょう」
「………今回は僕が残るよ………あとケルヴィンも研究あるし、残るでしょう?ドラゴンはまた次の機会に乗せてもらう………」
仕事が楽しくなってきたテンが挙手をした。
「………仕方ないわね。アタシも残るわ。テンちゃんにレストランとパティスリー両方見てもらうのは大変だし」
「ミリアン………」
「でも、絶対絶対、ちゃんと怪我なく戻って来なさいよ?ハルカはうっかりぼんやりが割りと多いから心配だわ」
「クロちゃんが海で墜落でもしない限り大丈夫よ、やあね」
[ちょ、お嬢、縁起でもないこと言うなよ!落とさないし墜ちたりしないっつーの]
シチュー皿から顔を上げて、クロノスが抗議した。
「あははは、ごめんね。
じゃ、トラちゃんとプルとクライン、それに私と言うことで、ガルバン帝国に行くことにします!」
「お土産よろしくね~」
ミリアンの声で、思い出したことがあった。
「ねえラウール、ガルバン帝国にダンジョンあるの知ってるよね?」
《知っとる。ひまつぶしに2回ほど入ったことがあるぞ。まだそのガルバン、て国が出来る前じゃがな》
「そか。じゃあ、ダーククロルとかクロロニアンとか知ってる?」
《ああ、かなり下層にいるヤツじゃろ?
………まさか捕りに行くのか?》
「めちゃくちゃ美味しいらしいのよ、シュルツさんが言ってたんだけど。だからどうせならついでに」
《………確かにものっそい美味いがなぁ。ただ、ついでという深さじゃないぞ?ダンジョンの地下50階層から下にしか出んからな》
「………何とかならないかな………せっかく遠出するのにご当地食材とか持って帰らないのはどうかと思うのよ!」
「………ダンジョンの地下50階層から下にしか出ない魔物をご当地食材って言うな」
クラインはハルカを呆れた目でたしなめた。
「でも………味見した料理人が美味すぎて腰を抜かしただとかか、立ってられなくて転倒して怪我をしたのに笑ってたって話を聞いちゃうとね………オーガキング様超えもあるのかと」
ハルカがしょんぼりした。
「………講習だかが早めに終われば、行けるんじゃないか?」
プルがオーガキング様超えの辺りで顔をあげた。
「そうだな………ラウール、気合いで1日で何階層まで行けた?」
クラインがキリッとした顔で尋ねると、
《ワシは適当に逃げたり倒したりで行ったからの、30階層か40階層までは行ったがなぁ………》
「よし、帰るのは5階層ごとに魔法陣あるらしいし、ついでだから行ってみるか。もう2度と行かないかも知れないし。やばそうなら早めに戻ればいいしな。
そうか、オーガキング様超えか………」
「………ハルカ達って、美味いものホイホイとか体に内蔵してるんじゃないかしらねぇ」
ミリアンがため息をついた。
「スルーするって選択肢はあの子にはないわねえ。
でも美味しいものを持って帰ってくれるのはありがたいじゃない?
ハルカ達強いから心配ないわよ」
シャイナさんが子供達の食事を終わらせてぽてぽて戻ってきた。
「私もよその国って行ってみたいけど、自分ではそんなに飛べないし、子供達が独り立ちするまでは旅は無理ね」
[あのっ、俺がいる間にいつでも乗せますからねシャイナさん!!]
いつから聞いてたのかクロノスがそばにやってきて食い気味に答えた。
「まあ、ありがとう。優しいのねクロノスさん」
照れるクロノスを眺めながら、ミリアンは(………ほうほう、ここにも恋の芽生えがねぇ………)などとニヤニヤしながら、また夜も更けていくのであった。
「………そうだな………」
夕方、何だか急いで帰ってきたプルとクラインは、クロノスを見てなんか騙されたような顔をした。
[だからなー、コストダウンのために小さくなってんだっつーの!?なぁお嬢?]
クロノスはハルカに振り向いた。
ハルカは晩ごはんの支度をしていたが、
「すんごい大きいわよー見せてもらったけど」
と目を輝かせた。
「見たい」
「ちょっとだけでいいから見たいんだが」
とプルとクラインがクロノスにねだりだした。
[またかよ………まぁいいか。お嬢、俺メシ多めにくれるか?戻ったりまた小さくなったりっつうのも体力使うんだよ]
「沢山用意してるから大丈夫だよー」
おっしゃ、ついてきな、とパタパタと入り口の扉の前に立ち、クラインに扉を開けさせて出ていった。
二人もいそいそと出ていく。
「男って何でああデカイ生き物とか好きかしらねぇ。いつまでも子供みたいだわ」
ミリアンもあー疲れたぁ、と伸びをしながらソファに倒れ込んだ。
「あ、ハルカ、今日王様達がいらしてたわよ」
「あらら、オーナーいないのまずかったかしら?」
ハルカはちょっと慌てた。
「いや、別にいいんじゃない?相変わらず美味しそうに食べてったわよ。どうせ2日に空けず食べに来るじゃない。第1王子夫婦と息子さんも第2王子も。
パティスリーでもまた沢山買っていってくれたし」
「あー、そうねえ」
なんだか分かった当初はみんなと粗相しないかビビりまくってたのだが、普通にやって来て楽しく食べて、お菓子やお弁当を買い物して帰る、というのが続くうちにバイトさんも私達も普通のお客さんと同じように接するようになってしまった。
他の国では知らないが、この国の王族は庶民派と言うか、細かいことにこだわらない人達のようである。
まあ、第3王子をバイトさせてるのを許してる時点でうっすらと感じてはいたのだが。有り難い話である。
暫く経って、少しげっそりしたクロノスと頬を上気させたプルとクラインが戻ってきたので、晩ごはんにする。
今夜はクロノスの同居記念にオーガキングのデミグラスシチューに丸パン、キュウリの叩いたのをガーリックと塩で合えたサラダである。
オーガキング様、ステーキも美味しいけど、ワインで煮込んでシチューにすると肉も柔らかくて旨味がスープにも満遍なく行き渡って、笑っちゃうほど美味しいんだよねぇ。罪な魔物だわ。
クロノスはオーガキングを食べたのが2回目と言うことで、生でも美味かったけどやっぱり煮たり焼いたりした方が断然美味いなー、とご機嫌でラウールと一緒にあーだこーだと話を弾ませながら何度もお代わりをした。
「あ、そうだ、クライン。籠の件引き受けてくれるって?」
ハルカはシチューにパンをつけながら、思い出したようにクラインを見た。
「ピーターさんに頼んできた。三日もありゃ頑丈なの作ってくれるそうだ」
ピーターさんは、この家を建てて店舗の改装をしてくれた職人さんだ。
その後も店舗の内部のちょっとした作り棚を取り付けてもらったり、ケルヴィンの工場の方の機器の取り付けやメンテナンスなど、何かにつけてお世話になっている。
「籠の方はOK、と。あとは………」
ガルバン帝国に行くまでにやることを箇条書きにしているメモ帳に一本線を引いて、残りを見つつうーん、と考え込む。
「とりあえず、講習とかあるし10日位は最低でも留守にするから、食材とかは足りなくならないようにしとかないと。
テンちゃん、レストランの肉とかの在庫どうだった?」
「………今あるのはいつものペースなら1週間分位。2、3週間分はゆとりみとかないと………」
「だよね。まだ私のアイテムボックスにも入ってはいるけど、向こうで講習に使うものもあるし、ゆとりはあんまないな。
………クラインとプルちゃんとテンちゃんとラウールで、ちょっと1日2日、オークとかドードー鳥とか店に出す肉とキノコとか捕ってきて貰えると助かるわ」
「………ん、分かった。パティスリーの方は?………」
「材料は大体市場でなんとかなるし、最悪トラちゃんから足りないのは買えばいいから。あとは作る気合いを入れれば大丈夫よ、うん、大丈夫………」
「ハルカ、遠くを見るのは止めなさい。大丈夫よ、トラちゃんもアタシも手伝うから。オープン前の時みたいなもんだと思えば………思えば………」
「ミリアン、お前も遠くにいくな。何とかなるよ。もし品切になったら店を一時的に閉めてもいいんだかーー」
「店閉めるイケナイ!バイトさんも生活あるネ。お客さんも待ってるネ」
ハルカは、オーナーとしての責任があるとハッと真顔になり、頬をパンパンっと叩いた。
「現実逃避するとこだったわ。いけないいけない。………で、今回のメンバーは、トラちゃん悪いけど一緒に来て貰える?
何か急にネット通販使わないといけない場合もあるかも知れないし。海は越えるけど空からだし、絶対濡れないように守るから」
『喜んで。いい加減置いてかれすぎて寂しかったので、今回はダメと言われても着いてくつもりでした。
ニンジャ衣装も着たかったです』
メモを渡してきたトラちゃんをハルカはぎゅっと抱き締める。
「ごめんね、寂しい思いさせて。過保護過ぎたかもね」
さて、でも全員は連れていけない。店で何かあった時にバイトさんだけでは困るだろう。
「俺様は絶対、行くからな!クロノスに運んでもらう!」
プルが、ここは譲れないと言う顔をした。
「ちょっと待て。俺もちゃんと王に許しは得ているからな!何がなんでもドラゴンで海を渡る!それに女子供だけじゃ危ないし」
クラインもどや顔で宣言した。
「………まあ確かにね。ただ二人の場合、目的がどうも違うんじゃないかと」
「「ガルバン帝国の食文化の向上を願う旅とドラゴンとの空の旅」」
「若干棒読みだけど概ね合ってるからよしとしましょう」
「………今回は僕が残るよ………あとケルヴィンも研究あるし、残るでしょう?ドラゴンはまた次の機会に乗せてもらう………」
仕事が楽しくなってきたテンが挙手をした。
「………仕方ないわね。アタシも残るわ。テンちゃんにレストランとパティスリー両方見てもらうのは大変だし」
「ミリアン………」
「でも、絶対絶対、ちゃんと怪我なく戻って来なさいよ?ハルカはうっかりぼんやりが割りと多いから心配だわ」
「クロちゃんが海で墜落でもしない限り大丈夫よ、やあね」
[ちょ、お嬢、縁起でもないこと言うなよ!落とさないし墜ちたりしないっつーの]
シチュー皿から顔を上げて、クロノスが抗議した。
「あははは、ごめんね。
じゃ、トラちゃんとプルとクライン、それに私と言うことで、ガルバン帝国に行くことにします!」
「お土産よろしくね~」
ミリアンの声で、思い出したことがあった。
「ねえラウール、ガルバン帝国にダンジョンあるの知ってるよね?」
《知っとる。ひまつぶしに2回ほど入ったことがあるぞ。まだそのガルバン、て国が出来る前じゃがな》
「そか。じゃあ、ダーククロルとかクロロニアンとか知ってる?」
《ああ、かなり下層にいるヤツじゃろ?
………まさか捕りに行くのか?》
「めちゃくちゃ美味しいらしいのよ、シュルツさんが言ってたんだけど。だからどうせならついでに」
《………確かにものっそい美味いがなぁ。ただ、ついでという深さじゃないぞ?ダンジョンの地下50階層から下にしか出んからな》
「………何とかならないかな………せっかく遠出するのにご当地食材とか持って帰らないのはどうかと思うのよ!」
「………ダンジョンの地下50階層から下にしか出ない魔物をご当地食材って言うな」
クラインはハルカを呆れた目でたしなめた。
「でも………味見した料理人が美味すぎて腰を抜かしただとかか、立ってられなくて転倒して怪我をしたのに笑ってたって話を聞いちゃうとね………オーガキング様超えもあるのかと」
ハルカがしょんぼりした。
「………講習だかが早めに終われば、行けるんじゃないか?」
プルがオーガキング様超えの辺りで顔をあげた。
「そうだな………ラウール、気合いで1日で何階層まで行けた?」
クラインがキリッとした顔で尋ねると、
《ワシは適当に逃げたり倒したりで行ったからの、30階層か40階層までは行ったがなぁ………》
「よし、帰るのは5階層ごとに魔法陣あるらしいし、ついでだから行ってみるか。もう2度と行かないかも知れないし。やばそうなら早めに戻ればいいしな。
そうか、オーガキング様超えか………」
「………ハルカ達って、美味いものホイホイとか体に内蔵してるんじゃないかしらねぇ」
ミリアンがため息をついた。
「スルーするって選択肢はあの子にはないわねえ。
でも美味しいものを持って帰ってくれるのはありがたいじゃない?
ハルカ達強いから心配ないわよ」
シャイナさんが子供達の食事を終わらせてぽてぽて戻ってきた。
「私もよその国って行ってみたいけど、自分ではそんなに飛べないし、子供達が独り立ちするまでは旅は無理ね」
[あのっ、俺がいる間にいつでも乗せますからねシャイナさん!!]
いつから聞いてたのかクロノスがそばにやってきて食い気味に答えた。
「まあ、ありがとう。優しいのねクロノスさん」
照れるクロノスを眺めながら、ミリアンは(………ほうほう、ここにも恋の芽生えがねぇ………)などとニヤニヤしながら、また夜も更けていくのであった。
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