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穏やかな日々、なのかな、なのかな。
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オープンから既に1ヶ月。
相変わらず混雑はしているものの、やはり『明日もやってる』というのはゾンビ達もといお客さんの荒ぶる心を静めたのだろう。
なんだか週に2日も店を休むのは申し訳ないので、店自体は週に1日、こちらの国の【祈りの日】という日本の日曜みたいな日があるので、その日を休みにして、後は交代でバイトさん達には休んで貰うことにしたのだが。
みんながなかなか休みを取ってくれないのが悩みどころだ。
「店長、ここの休み、私要らないので仕事したいです!」
シフト表をもってニコルがやって来たと思えば、他の子達も私も僕もとやってくる。
「えーと、でも疲れが溜まるだろうし、あの」
「なに言ってんですか、いつも美味しい賄いも出るし、家族からも友人からも羨ましがられて大変な位、とっても楽しい職場です!」
「………あ、ああそう、なの?」
賄いもうちのメニューの時もあれば、チャチャっとオリジナルで炒飯作ったり酢豚作ったりしたら、【超レア!】とやたら喜んでくれたので、週に一度位は時間が取れるときに作ったりする。
そして、ちょいちょいお菓子や食材を補充すればうまく回るようになってきたので、ホールより料理にやたらヤル気がある女の子2人、男の子3人を厨房専門にして、徐々に唐揚げや照り焼き、しょうが焼きのタレの作り方や、トンカツなどの衣の付け方などを教えるようにした。
別に秘伝のなんちゃらとかないので、むしろ家でも作っていいとハルカはお願いした。それで、砂糖多めとかショーユ少な目とか具材を変えるとか、自分ちの好みに合ったものを作りなさいと。
ここで出してるのは我が家の好みの味だから、みんなもそれぞれの食べ方をしてほしい。
ヤル気があるだけなかなか物覚えがよく、定食の味噌汁なども具を考えて作るようになった。包丁の使い方も危なげがなくなってきた。
タレも何回か微調整はしたが、お任せ出来るレベルまできた。
素晴らしい。頑張れ!君たちが未来のサウザーリンの料理を支えるのじゃ。
うむうむ。
仕事の出来るシェフ見習いが誕生したお陰で、ハルカも時間にゆとりが出来たので、メインをスイーツの方にシフトチェンジしつつある。
そして、祈りの日には昼の2時間ほど、『お料理学校』というイベントも先週から開催することにした。
特に休みだから何かする、とかないハルカには、むしろ町の人と仲良くなれる楽しみがある。
参加者は抽選で選ばれるが、大体10人程度だ。そんな大勢いても対応出来ませんよ私は。トラに倍率聞いたら10倍以上だと言っていた。
「はーい、今日はプリン作りますよー」
「「「「はーい!」」」」
「卵と砂糖とミルク。必要なのはこれだけですよー。小さなお子さん大喜び。大人のちょっとしたオヤツにぴったりです!
はい、卵は裏ごしすると滑らかになりますからねー、ここで手を抜いてはダメですよー」
カラメルソースは先に作ってそれぞれの器に入れてある。
皆さんお持ち帰り用に自宅のガラスのコップやら器を持参である。
裏ごしした卵と温めたミルク、砂糖を混ぜ合わせ、器に流し込む。
フライパンに水を入れ、器をそっと入れてもらい、10分から15分ほど蒸せば完成だ。
「簡単なのねぇ、なんでこんなに簡単なのに今まで食べ物屋になかったのかしらねぇ」
それは私が聞きたいよ。
料理は愛情。料理は創意工夫。料理は常により美味くなる事を目指す。
この国の料理人にはどうも創意工夫が足りないので、ハルカなんぞの素人料理に人が集まるのだ。
だから無理やり創意工夫や試行錯誤をしてもらうために、少しずつレシピを撒くのである。
妻から家族へ、家族からご近所さんへ。
同じ味なんてつまらない。
みんながより美味くなるように手を加えればいいのである。
ハルカもよその美味しいモノを食べたいのだ。
出来上がりは1つは自分たちで試食をしてもらう。
「………まあ、自分で作ったとは思えないほど美味しいわ!」
結構な年配のばー様が感激している。
いや、その世代でその台詞はどうかと思うけども。
若い女性達も彼氏にあげるとご機嫌だ。
皆さんお気に召して頂いたようで何より。
レストランを開放していたのでそれぞれ後片付けをして別れる。
いやー、いいですね。
この町になんか少しずつ根付いてきた感じですよ。
馬の弥七たちと待っていたプルとテンと合流し、市場で買い物をして帰る。
マイホームに戻り、のんびりとトラの淹れてくれたお茶を飲みながら、立派にスローライフしてないか私?とのどかに喜んでいたのだけれど。
ここでまだハルカは気づいていなかった。
一つ、大事なことを忘れていたことに。
相変わらず混雑はしているものの、やはり『明日もやってる』というのはゾンビ達もといお客さんの荒ぶる心を静めたのだろう。
なんだか週に2日も店を休むのは申し訳ないので、店自体は週に1日、こちらの国の【祈りの日】という日本の日曜みたいな日があるので、その日を休みにして、後は交代でバイトさん達には休んで貰うことにしたのだが。
みんながなかなか休みを取ってくれないのが悩みどころだ。
「店長、ここの休み、私要らないので仕事したいです!」
シフト表をもってニコルがやって来たと思えば、他の子達も私も僕もとやってくる。
「えーと、でも疲れが溜まるだろうし、あの」
「なに言ってんですか、いつも美味しい賄いも出るし、家族からも友人からも羨ましがられて大変な位、とっても楽しい職場です!」
「………あ、ああそう、なの?」
賄いもうちのメニューの時もあれば、チャチャっとオリジナルで炒飯作ったり酢豚作ったりしたら、【超レア!】とやたら喜んでくれたので、週に一度位は時間が取れるときに作ったりする。
そして、ちょいちょいお菓子や食材を補充すればうまく回るようになってきたので、ホールより料理にやたらヤル気がある女の子2人、男の子3人を厨房専門にして、徐々に唐揚げや照り焼き、しょうが焼きのタレの作り方や、トンカツなどの衣の付け方などを教えるようにした。
別に秘伝のなんちゃらとかないので、むしろ家でも作っていいとハルカはお願いした。それで、砂糖多めとかショーユ少な目とか具材を変えるとか、自分ちの好みに合ったものを作りなさいと。
ここで出してるのは我が家の好みの味だから、みんなもそれぞれの食べ方をしてほしい。
ヤル気があるだけなかなか物覚えがよく、定食の味噌汁なども具を考えて作るようになった。包丁の使い方も危なげがなくなってきた。
タレも何回か微調整はしたが、お任せ出来るレベルまできた。
素晴らしい。頑張れ!君たちが未来のサウザーリンの料理を支えるのじゃ。
うむうむ。
仕事の出来るシェフ見習いが誕生したお陰で、ハルカも時間にゆとりが出来たので、メインをスイーツの方にシフトチェンジしつつある。
そして、祈りの日には昼の2時間ほど、『お料理学校』というイベントも先週から開催することにした。
特に休みだから何かする、とかないハルカには、むしろ町の人と仲良くなれる楽しみがある。
参加者は抽選で選ばれるが、大体10人程度だ。そんな大勢いても対応出来ませんよ私は。トラに倍率聞いたら10倍以上だと言っていた。
「はーい、今日はプリン作りますよー」
「「「「はーい!」」」」
「卵と砂糖とミルク。必要なのはこれだけですよー。小さなお子さん大喜び。大人のちょっとしたオヤツにぴったりです!
はい、卵は裏ごしすると滑らかになりますからねー、ここで手を抜いてはダメですよー」
カラメルソースは先に作ってそれぞれの器に入れてある。
皆さんお持ち帰り用に自宅のガラスのコップやら器を持参である。
裏ごしした卵と温めたミルク、砂糖を混ぜ合わせ、器に流し込む。
フライパンに水を入れ、器をそっと入れてもらい、10分から15分ほど蒸せば完成だ。
「簡単なのねぇ、なんでこんなに簡単なのに今まで食べ物屋になかったのかしらねぇ」
それは私が聞きたいよ。
料理は愛情。料理は創意工夫。料理は常により美味くなる事を目指す。
この国の料理人にはどうも創意工夫が足りないので、ハルカなんぞの素人料理に人が集まるのだ。
だから無理やり創意工夫や試行錯誤をしてもらうために、少しずつレシピを撒くのである。
妻から家族へ、家族からご近所さんへ。
同じ味なんてつまらない。
みんながより美味くなるように手を加えればいいのである。
ハルカもよその美味しいモノを食べたいのだ。
出来上がりは1つは自分たちで試食をしてもらう。
「………まあ、自分で作ったとは思えないほど美味しいわ!」
結構な年配のばー様が感激している。
いや、その世代でその台詞はどうかと思うけども。
若い女性達も彼氏にあげるとご機嫌だ。
皆さんお気に召して頂いたようで何より。
レストランを開放していたのでそれぞれ後片付けをして別れる。
いやー、いいですね。
この町になんか少しずつ根付いてきた感じですよ。
馬の弥七たちと待っていたプルとテンと合流し、市場で買い物をして帰る。
マイホームに戻り、のんびりとトラの淹れてくれたお茶を飲みながら、立派にスローライフしてないか私?とのどかに喜んでいたのだけれど。
ここでまだハルカは気づいていなかった。
一つ、大事なことを忘れていたことに。
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