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恩田、ホラールでしばらく生活する。
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PONカレーは、作った俺もびっくりするほどアマンダとザック夫妻に大好評だった。
「これ、うまいだけじゃなく、香りも最高だな!」
「本当に食欲をそそられるわねえ。やだよ、ガーリックトーストなくなっちゃったじゃないか」
慌てて新しくパンをカットしてトースターに入れているアマンダを横目に、俺も久しぶりのPONカレーを堪能する。
「私はお米と合わせて食べるのも好きなんですけどね」
「コメ?」
「ああ、米は日本語ですね。ええと、ライスでいいのかな?」
「ああライスか。ライスならたまにパエリアにしたり、ドリアにするな。ステーキなんかとも合うが、このカレーも言われてみるとすごく合いそうだな」
ザックがうんうんと頷いて、またアマンダが焼き上がったガーリックトーストを運んで来ると、カレーにつけて頬張り始める。
美味しい食事というのは、空気を和やかにするには一番である。気に入ってもらえて良かった。
俺はアマンダとザックからこの町と、周辺の大きな町に関する情報を聞き出した。
近場で一番大きな町はサッペンスというところで、ここからは馬車で丸一日はかかるとのこと。
漁港や大きな市場もあり、毎日多くの人で賑わっているそうだ。ふむふむと聞いたことをメモしていると、不思議そうな顔でアマンダが俺を見る。
「……あれ、だけどオンダは船で来たんだよね? 海外からの船が停泊できる港なんて、この辺じゃサッペンスしかないじゃないか」
「え? ああそうですよね! 実は私、強盗に襲われた時に頭も殴られていたせいか、ところどころ記憶が抜け落ちておりまして……」
一瞬冷や汗が流れたが、本当のことなど言えるわけもないので、適当にごまかした。
「そうだったのかい。いやあ無事でよかったよ本当に」
「まったくだ。でも後から体調が悪くなることもあるから気をつけろよオンダ?」
アマンダとザックが本気で心配してくれているので良心が傷むが、誰も不幸にはならない嘘なので許して欲しいと思う。
そういえば、お金が入ったら洋服を買わねばと思っていたのに忘れていた。
食後、風呂に入れと言われたが、汗にまみれたワイシャツをまた着るのはしんどい。
トランクの中には、万が一の際の替えのパンツと靴下しか入っていない。
スーツは最悪、少しの間は何とかなるだろうが、ワイシャツだって洗いたい。
俺は、ザックのお古で構わないので、何か着られるシャツとズボンを譲ってくれないだろうかと相談した。彼なら体格もいいし、俺でも問題なく着られるだろう。
「なんだオンダ、もしかして着替えも盗まれたのか」
ザックが気の毒そうな顔で俺を見て、ええまあと答えると、任せろと胸を叩いて足早にリビングを出て行く。
さほど時間もかからず、ザックはシャツを二枚、ズボンを二枚抱えて戻って来た。
陽気としては春先ぐらいの気温なので、無地のグレーと白い長袖シャツに、少々ゆるめの薄手のカーキ色のズボンだ。お古とはいえ、洗濯されており生地にも大したダメージはないようだ。
「ありがとうございます。それじゃこれを」
俺は少し多めに考えて、一万ガルを二枚渡そうとしたが要らんと断られた。
「困っている人から金を取るなんてできるか。それに使い古しだから気にするな」
気にするなと言われても、親切を一方的に受けるのは心苦しい。
そこでふと思いついた。
「……あのですね、本当に失礼かとは思うんですが少々伺わせて下さい。ザックさんて、髪に何か気を遣ってされていることとか、ありますか?」
「髪の毛?」
ザックはぽんぽんと頭を叩き、ああ、と笑った。
「いや、昔はどんどん薄くなるのが気になって、蒸れるのがよくないって聞いてさ、帽子を被らずに畑仕事とかしてたんだが、日差しの強さに倒れちまってな。健康の方が大事だと思って、今はもう何もしてないなあ。……だが、それがどうかしたのか?」
俺はトランクを開けると一本の小ぶりな茶色い瓶を取り出した。
「実は、うちが扱っている商品の一つなのですが……」
この『ファイナルアップ』という育毛剤は、例の命名センスが以下略の社長の従兄が経営している自然派美容品の商品である。
最初は『ラストホープ(最後の希望)』なんて名前にしようと企んでいたそうで、例の社長から、
「こんな名前の商品で効果が出なかったら、お客さんの夢や希望がなくなってしまうべさ」
と叱られ、最後にステップアップしようぜという意味でファイナルアップにしたらしい。
まああの一族は大なり小なり大雑把というか、長年使われるかも知れない、大切な商品名をつける重大性をガン無視することがよくある。
だが、この商品は身内を実験台にしており、自分も見ているので効果は明らかである。
PONカレーの女社長も、ツルリン太郎の社長も六十歳前後だと思うが、ふっさふさである。
三年前の写真だと見せられた社長は、頭のてっぺんが見事にシースルーだったので、間違いなく効果はあると思う。これだけはハゲてないため唯一試していない商品だが、社長たちで確認済みだ。
一本八千円するが、日本ではリピーター男性が多く、一番の売れ筋商品の一つだ。
そしてそこから出しているシャンプーとトリートメントも、ゴワゴワで困っている毛すら、無理なくまとまりやすい、艶やかで美しい髪にしてくれる。
実は俺も愛用しているのだが、昔はくせ毛がひどく、ブラシがしょっちゅう引っ掛かるぐらいのチリチリ頭なのが悩みの種だった。
使い始めて一週間で緩やかなうねり程度になり、一年経った今ではくせ毛だった頃には考えられないような健康的な直毛、櫛通り滑らかな髪の毛になった。これは一生使うと決めている。
これも一本六千円するが、特に女性に飛ぶように売れている。
「効果を感じるまでだいたい一週間から二週間かかるんですが、頭皮の血行促進とか保湿とか、毛髪が抜けやすくなる原因から排除していくよう研究された薬なので、毛が抜けにくくなる方も多いんです。しかも高価な商品なので、効果が出なければ全額返金保証となっております」
そっとザックに差し出し、いただいた洋服の代わりにお試しくださいと告げた。
「いいのか、そんな大層なものを」
そうはいいつつも気になって仕方がないのだろう。チラチラと目をやっている。
「こちらこそお世話になりっぱなしですから。あ、でも効果が出たら次は買って下さいね。少しはサービスしますけど」
ついでにアマンダにもシャンプーとトリートメントのセットを渡す。
「アマンダさんも客商売をされているなら、髪の健康にも気を遣った方がよいと思います。というより、あまりに髪に手を掛けないのは良くないです。女性だって薄くなるんですよ」
「おやまあ、私にまでかい? 泊めるだけでこんな、何から何まで申し訳ないねえ」
嬉しそうに受け取るアマンダは、早速今夜使ってみるよ、と約束してくれた。
このままだと将来のお得意さんになってしまいそうな二人だが、こちらも無償で何かをしてもらうわけにはいかない。俺のモラルに反する。
快適な一夜を過ごさせていただくお礼だ。
今後、彼らにはこの町にしばらく住むに当たって、力になってもらえるだろうし、何しろ今はタダでトランクの中身が補充されるのだから、かえって申し訳ないぐらいだ。
風呂から上がった俺はトランクを見つめる。
実は早急に何とかしないといけない問題が一つあるのだが、それは明日でいいだろう。
風呂に入って疲れが取れたのはいいが、睡魔が襲って来て起きていられない。
明日また考えよう。
俺はそう思いながらベッドに潜り込んだ。
「これ、うまいだけじゃなく、香りも最高だな!」
「本当に食欲をそそられるわねえ。やだよ、ガーリックトーストなくなっちゃったじゃないか」
慌てて新しくパンをカットしてトースターに入れているアマンダを横目に、俺も久しぶりのPONカレーを堪能する。
「私はお米と合わせて食べるのも好きなんですけどね」
「コメ?」
「ああ、米は日本語ですね。ええと、ライスでいいのかな?」
「ああライスか。ライスならたまにパエリアにしたり、ドリアにするな。ステーキなんかとも合うが、このカレーも言われてみるとすごく合いそうだな」
ザックがうんうんと頷いて、またアマンダが焼き上がったガーリックトーストを運んで来ると、カレーにつけて頬張り始める。
美味しい食事というのは、空気を和やかにするには一番である。気に入ってもらえて良かった。
俺はアマンダとザックからこの町と、周辺の大きな町に関する情報を聞き出した。
近場で一番大きな町はサッペンスというところで、ここからは馬車で丸一日はかかるとのこと。
漁港や大きな市場もあり、毎日多くの人で賑わっているそうだ。ふむふむと聞いたことをメモしていると、不思議そうな顔でアマンダが俺を見る。
「……あれ、だけどオンダは船で来たんだよね? 海外からの船が停泊できる港なんて、この辺じゃサッペンスしかないじゃないか」
「え? ああそうですよね! 実は私、強盗に襲われた時に頭も殴られていたせいか、ところどころ記憶が抜け落ちておりまして……」
一瞬冷や汗が流れたが、本当のことなど言えるわけもないので、適当にごまかした。
「そうだったのかい。いやあ無事でよかったよ本当に」
「まったくだ。でも後から体調が悪くなることもあるから気をつけろよオンダ?」
アマンダとザックが本気で心配してくれているので良心が傷むが、誰も不幸にはならない嘘なので許して欲しいと思う。
そういえば、お金が入ったら洋服を買わねばと思っていたのに忘れていた。
食後、風呂に入れと言われたが、汗にまみれたワイシャツをまた着るのはしんどい。
トランクの中には、万が一の際の替えのパンツと靴下しか入っていない。
スーツは最悪、少しの間は何とかなるだろうが、ワイシャツだって洗いたい。
俺は、ザックのお古で構わないので、何か着られるシャツとズボンを譲ってくれないだろうかと相談した。彼なら体格もいいし、俺でも問題なく着られるだろう。
「なんだオンダ、もしかして着替えも盗まれたのか」
ザックが気の毒そうな顔で俺を見て、ええまあと答えると、任せろと胸を叩いて足早にリビングを出て行く。
さほど時間もかからず、ザックはシャツを二枚、ズボンを二枚抱えて戻って来た。
陽気としては春先ぐらいの気温なので、無地のグレーと白い長袖シャツに、少々ゆるめの薄手のカーキ色のズボンだ。お古とはいえ、洗濯されており生地にも大したダメージはないようだ。
「ありがとうございます。それじゃこれを」
俺は少し多めに考えて、一万ガルを二枚渡そうとしたが要らんと断られた。
「困っている人から金を取るなんてできるか。それに使い古しだから気にするな」
気にするなと言われても、親切を一方的に受けるのは心苦しい。
そこでふと思いついた。
「……あのですね、本当に失礼かとは思うんですが少々伺わせて下さい。ザックさんて、髪に何か気を遣ってされていることとか、ありますか?」
「髪の毛?」
ザックはぽんぽんと頭を叩き、ああ、と笑った。
「いや、昔はどんどん薄くなるのが気になって、蒸れるのがよくないって聞いてさ、帽子を被らずに畑仕事とかしてたんだが、日差しの強さに倒れちまってな。健康の方が大事だと思って、今はもう何もしてないなあ。……だが、それがどうかしたのか?」
俺はトランクを開けると一本の小ぶりな茶色い瓶を取り出した。
「実は、うちが扱っている商品の一つなのですが……」
この『ファイナルアップ』という育毛剤は、例の命名センスが以下略の社長の従兄が経営している自然派美容品の商品である。
最初は『ラストホープ(最後の希望)』なんて名前にしようと企んでいたそうで、例の社長から、
「こんな名前の商品で効果が出なかったら、お客さんの夢や希望がなくなってしまうべさ」
と叱られ、最後にステップアップしようぜという意味でファイナルアップにしたらしい。
まああの一族は大なり小なり大雑把というか、長年使われるかも知れない、大切な商品名をつける重大性をガン無視することがよくある。
だが、この商品は身内を実験台にしており、自分も見ているので効果は明らかである。
PONカレーの女社長も、ツルリン太郎の社長も六十歳前後だと思うが、ふっさふさである。
三年前の写真だと見せられた社長は、頭のてっぺんが見事にシースルーだったので、間違いなく効果はあると思う。これだけはハゲてないため唯一試していない商品だが、社長たちで確認済みだ。
一本八千円するが、日本ではリピーター男性が多く、一番の売れ筋商品の一つだ。
そしてそこから出しているシャンプーとトリートメントも、ゴワゴワで困っている毛すら、無理なくまとまりやすい、艶やかで美しい髪にしてくれる。
実は俺も愛用しているのだが、昔はくせ毛がひどく、ブラシがしょっちゅう引っ掛かるぐらいのチリチリ頭なのが悩みの種だった。
使い始めて一週間で緩やかなうねり程度になり、一年経った今ではくせ毛だった頃には考えられないような健康的な直毛、櫛通り滑らかな髪の毛になった。これは一生使うと決めている。
これも一本六千円するが、特に女性に飛ぶように売れている。
「効果を感じるまでだいたい一週間から二週間かかるんですが、頭皮の血行促進とか保湿とか、毛髪が抜けやすくなる原因から排除していくよう研究された薬なので、毛が抜けにくくなる方も多いんです。しかも高価な商品なので、効果が出なければ全額返金保証となっております」
そっとザックに差し出し、いただいた洋服の代わりにお試しくださいと告げた。
「いいのか、そんな大層なものを」
そうはいいつつも気になって仕方がないのだろう。チラチラと目をやっている。
「こちらこそお世話になりっぱなしですから。あ、でも効果が出たら次は買って下さいね。少しはサービスしますけど」
ついでにアマンダにもシャンプーとトリートメントのセットを渡す。
「アマンダさんも客商売をされているなら、髪の健康にも気を遣った方がよいと思います。というより、あまりに髪に手を掛けないのは良くないです。女性だって薄くなるんですよ」
「おやまあ、私にまでかい? 泊めるだけでこんな、何から何まで申し訳ないねえ」
嬉しそうに受け取るアマンダは、早速今夜使ってみるよ、と約束してくれた。
このままだと将来のお得意さんになってしまいそうな二人だが、こちらも無償で何かをしてもらうわけにはいかない。俺のモラルに反する。
快適な一夜を過ごさせていただくお礼だ。
今後、彼らにはこの町にしばらく住むに当たって、力になってもらえるだろうし、何しろ今はタダでトランクの中身が補充されるのだから、かえって申し訳ないぐらいだ。
風呂から上がった俺はトランクを見つめる。
実は早急に何とかしないといけない問題が一つあるのだが、それは明日でいいだろう。
風呂に入って疲れが取れたのはいいが、睡魔が襲って来て起きていられない。
明日また考えよう。
俺はそう思いながらベッドに潜り込んだ。
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