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サバイバル訓練。
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ダークへのサプライズ。
と言っても大したことではないのだが、彼はあと3日後に、隣町のプルプル町の近くの山間に出掛ける。
そこで野営をしながら行われる、騎士団の2年に一度の恒例行事である『サバイバル訓練』に参加する事になっているのだ。
期間は1週間。
本来ならば、ダークもヒューイも騎士団の実務のトップと副官の立場なので出る必要はなかったのだが、第一部隊の隊長が定年で退職し、次を決める前に第四部隊の隊長までが先月休暇中に馬から落馬して骨盤を骨折したとかで引率者が足りなくなってしまったのだ。
「リーシャや子供たちと2日以上離れてたら俺は死ぬ。絶対イヤだ」
とヒューイを困らせるほど頑なに拒んでいたらしいが、王宮で働くマークス兄様がしびれを切らせたのか、わざわざ詰め所までやって来て、
「ライリー殿下が『大変かとは思うが、2年に1度しかない事だから頑張って務めを果たしてきて欲しい。戻ってきたら是非とも訓練の成果報告が欲しい』って仰っておられた」
と伝言を伝えて帰っていったらしい。
要は、『ウダウダ言ってねぇで諦めて行けよ仕事だろうが。この子煩悩の嫁バカめが』という事だろう。
ただ、確かにここ数年でジークライン王子の住む隣国ではなく、ガーランド国を挟んで反対側にあるガレク王国がどうもキナ臭い、と私はナスターシャ妃殿下のお茶会で先日聞いていた。
この国とは外交上の付き合いしか無いらしいのだが、内紛がちょこちょこ発生してるようで、国がざわついているとのこと。
まあ行かないから個人的にはどうでもいいのだが、騎士団は国の護り手だし、万が一こちらにとばっちりが来ないとも限らない。腕が鈍らないよう鍛えるのに越したことはないらしい。
ここのところ、第一、第二部隊も訓練を熱心にやるような人間が増えたようなので、サバイバル訓練は力の底上げには願ってもないモノなのだろう。
私としては、ダークに何かあったらと思うと気が気じゃないのだが、本人曰く、
「国を護るのは家族を護る事に繋がるし、自分の得意な事が役立つのは光栄なことだと思う」
らしい。だが、まだ争いも起きてないのに離れたままで過ごすのは違う気がする、と私や子供たちから離れたところに行くのを嫌がるのだ。
それはそれ、これはこれの理論である。
まあそんなわけで、諦めてヒューイさんと一緒に行く事になったのだが、未だに
「気が重い………」
と呟きながらも、補給するつもりなのか私や子供たちとなるべく一緒に居たがる。
そして、私とルーシーは考えたのだ。
4日目か5日目の一番疲れがピークになる辺りで陣中見舞いに行って驚かせようと。
………まあ本音を言えば、私も寂しいからなのだけど。
「だってねルーシー、私ダークと結婚してからそんなに離れていたことないのよ?ほぼ生まれてから結婚までの時期と近い位ダークといるのよ。16年だもの」
「はぁ、左様でございますか」
「………何かしらねその雑な相槌は」
「いえお幸せそうで何よりでございますよね。わたくしもリーシャ様にお仕えするようになってから四半世紀を越え、27年になるもので、まだ16年か、と」
「だから何でさりげなくマウント取ろうとするのかしら。
………でもそうねぇ、考えたら、3歳の時から一緒にいるものね。本当にいつも側にいてくれてありがとうルーシー。貴女がいてくれたから、私はこんなに………こんなに……腐女子度が上がったような気がするわ」
「おや、感謝の言葉を下さるのかと思ったらディスられましたか。油断していたわたくしのハートは傷だらけでございます」
「いえ、感謝してないワケじゃないのよ勿論!
でも今思えば小説もマンガもルーシーが見なければ、少し隠れた趣味をもつだけのごくありふれた普通の子爵夫人だったのかな、と」
「リーシャ様」
「何よ?」
「文才、画才というのは神様からのギフトでございます。それをわたくしの胸ひとつに収めておくなど出来よう筈もございませんでしょう?」
「………でも、それほど大袈裟なものでもないと思うんだけれど」
前世でプロにもなれず同人誌で描いてた程度の人間の作品なんかを神のギフト扱いするとかバチが当たるぞ。
「いいえ!わたくしにはすぐに分かりましたわ、『ああ、リーシャ様は何をされても万能なのだ』と」
「ちょ、まっ」
「只でさえ美しさも比類なきレベルに達しているのに、溢れんばかりの愛を表現する才能、そして表現力!!初めて作品を読んだ時に、一生を捧げても悔いはないと感じたのです。リーシャ様は生涯わたくしのミューズでありヴィーナスでございます!」
知的活動を司る神に、愛と美の女神まで持ち込んで攻撃を仕掛けて来られた。先日ギリシャ神話の話をしたせいなのか。
私はうずくまり耳を押さえながら、
「私が悪かったわ!ごめんなさい!お願いだからもう止めてぇぇ」
と泣きそうな声でルーシーに訴えた。
「………まだ全く語り尽くせておりませんが、ご自身がそれだけすごい方なのだと分かって下されば良いのです。お分かりいただけましたかリーシャ様?」
そんなこと一欠片も思っちゃいないがとりあえずコクコク頷いておいた。
首を横に振った時点で、小さな頃から私がいかにお姫様のような愛らしさと美貌で自分の心臓をわし掴みにしたか、という壮大な誇大妄想ストーリーが語られ出してしまう。そして始まると軽く1時間は終わらないのである。
前世の話を打ち明けてから、ちょくちょくあちらの世界の話をしてるものだから、勝手に自分のボキャブラリーの引き出しを増やしまくっているルーシーは、なまじ頭が良いだけにたちが悪い。
純日本人の魂(ソウル)を持つ私には、過ぎた褒め殺しは身の置き所がなくなるのも絶対に分かってやっている。
もうやだこの子。諭す時も褒める時も、私の羞恥心をいつも的確にぐりぐり抉(えぐ)るんだもの。
「ご理解いただけたなら良いのです。腐女子であろうとなかろうとリーシャ様は常に頂点ですから、気になさる必要はございません」
ルーシーが少しずれた眼鏡を直しながら少し口角を上げた。相変わらず無表情に見えるが興奮し過ぎたのであろう。
「まあそれはともかくとして、陣中見舞いの話なんだけれどね、隊の皆さんにも差し入れた方が角が立たないと思うのよ。でね………」
私は軌道修正し、ルーシーと仕事のスケジュールの調整を練る。
そんなこんなしているうちに部活動で作ったクッキーを持ってクロエが戻り、練習を終えたアナやブレナンも帰ってきて、アナたちが私に新しい新技の【ゾンビダンス】を披露するのをクロエとクッキーをつまんで見ていると、ダークが仕事から戻ってきて、まずい食事の支度がまだだったと立ち上がった。
子供が大きくなれば変わるかと思ったが、成長しても何だか兼業主婦と言うのは慌ただしいモノである。
と言っても大したことではないのだが、彼はあと3日後に、隣町のプルプル町の近くの山間に出掛ける。
そこで野営をしながら行われる、騎士団の2年に一度の恒例行事である『サバイバル訓練』に参加する事になっているのだ。
期間は1週間。
本来ならば、ダークもヒューイも騎士団の実務のトップと副官の立場なので出る必要はなかったのだが、第一部隊の隊長が定年で退職し、次を決める前に第四部隊の隊長までが先月休暇中に馬から落馬して骨盤を骨折したとかで引率者が足りなくなってしまったのだ。
「リーシャや子供たちと2日以上離れてたら俺は死ぬ。絶対イヤだ」
とヒューイを困らせるほど頑なに拒んでいたらしいが、王宮で働くマークス兄様がしびれを切らせたのか、わざわざ詰め所までやって来て、
「ライリー殿下が『大変かとは思うが、2年に1度しかない事だから頑張って務めを果たしてきて欲しい。戻ってきたら是非とも訓練の成果報告が欲しい』って仰っておられた」
と伝言を伝えて帰っていったらしい。
要は、『ウダウダ言ってねぇで諦めて行けよ仕事だろうが。この子煩悩の嫁バカめが』という事だろう。
ただ、確かにここ数年でジークライン王子の住む隣国ではなく、ガーランド国を挟んで反対側にあるガレク王国がどうもキナ臭い、と私はナスターシャ妃殿下のお茶会で先日聞いていた。
この国とは外交上の付き合いしか無いらしいのだが、内紛がちょこちょこ発生してるようで、国がざわついているとのこと。
まあ行かないから個人的にはどうでもいいのだが、騎士団は国の護り手だし、万が一こちらにとばっちりが来ないとも限らない。腕が鈍らないよう鍛えるのに越したことはないらしい。
ここのところ、第一、第二部隊も訓練を熱心にやるような人間が増えたようなので、サバイバル訓練は力の底上げには願ってもないモノなのだろう。
私としては、ダークに何かあったらと思うと気が気じゃないのだが、本人曰く、
「国を護るのは家族を護る事に繋がるし、自分の得意な事が役立つのは光栄なことだと思う」
らしい。だが、まだ争いも起きてないのに離れたままで過ごすのは違う気がする、と私や子供たちから離れたところに行くのを嫌がるのだ。
それはそれ、これはこれの理論である。
まあそんなわけで、諦めてヒューイさんと一緒に行く事になったのだが、未だに
「気が重い………」
と呟きながらも、補給するつもりなのか私や子供たちとなるべく一緒に居たがる。
そして、私とルーシーは考えたのだ。
4日目か5日目の一番疲れがピークになる辺りで陣中見舞いに行って驚かせようと。
………まあ本音を言えば、私も寂しいからなのだけど。
「だってねルーシー、私ダークと結婚してからそんなに離れていたことないのよ?ほぼ生まれてから結婚までの時期と近い位ダークといるのよ。16年だもの」
「はぁ、左様でございますか」
「………何かしらねその雑な相槌は」
「いえお幸せそうで何よりでございますよね。わたくしもリーシャ様にお仕えするようになってから四半世紀を越え、27年になるもので、まだ16年か、と」
「だから何でさりげなくマウント取ろうとするのかしら。
………でもそうねぇ、考えたら、3歳の時から一緒にいるものね。本当にいつも側にいてくれてありがとうルーシー。貴女がいてくれたから、私はこんなに………こんなに……腐女子度が上がったような気がするわ」
「おや、感謝の言葉を下さるのかと思ったらディスられましたか。油断していたわたくしのハートは傷だらけでございます」
「いえ、感謝してないワケじゃないのよ勿論!
でも今思えば小説もマンガもルーシーが見なければ、少し隠れた趣味をもつだけのごくありふれた普通の子爵夫人だったのかな、と」
「リーシャ様」
「何よ?」
「文才、画才というのは神様からのギフトでございます。それをわたくしの胸ひとつに収めておくなど出来よう筈もございませんでしょう?」
「………でも、それほど大袈裟なものでもないと思うんだけれど」
前世でプロにもなれず同人誌で描いてた程度の人間の作品なんかを神のギフト扱いするとかバチが当たるぞ。
「いいえ!わたくしにはすぐに分かりましたわ、『ああ、リーシャ様は何をされても万能なのだ』と」
「ちょ、まっ」
「只でさえ美しさも比類なきレベルに達しているのに、溢れんばかりの愛を表現する才能、そして表現力!!初めて作品を読んだ時に、一生を捧げても悔いはないと感じたのです。リーシャ様は生涯わたくしのミューズでありヴィーナスでございます!」
知的活動を司る神に、愛と美の女神まで持ち込んで攻撃を仕掛けて来られた。先日ギリシャ神話の話をしたせいなのか。
私はうずくまり耳を押さえながら、
「私が悪かったわ!ごめんなさい!お願いだからもう止めてぇぇ」
と泣きそうな声でルーシーに訴えた。
「………まだ全く語り尽くせておりませんが、ご自身がそれだけすごい方なのだと分かって下されば良いのです。お分かりいただけましたかリーシャ様?」
そんなこと一欠片も思っちゃいないがとりあえずコクコク頷いておいた。
首を横に振った時点で、小さな頃から私がいかにお姫様のような愛らしさと美貌で自分の心臓をわし掴みにしたか、という壮大な誇大妄想ストーリーが語られ出してしまう。そして始まると軽く1時間は終わらないのである。
前世の話を打ち明けてから、ちょくちょくあちらの世界の話をしてるものだから、勝手に自分のボキャブラリーの引き出しを増やしまくっているルーシーは、なまじ頭が良いだけにたちが悪い。
純日本人の魂(ソウル)を持つ私には、過ぎた褒め殺しは身の置き所がなくなるのも絶対に分かってやっている。
もうやだこの子。諭す時も褒める時も、私の羞恥心をいつも的確にぐりぐり抉(えぐ)るんだもの。
「ご理解いただけたなら良いのです。腐女子であろうとなかろうとリーシャ様は常に頂点ですから、気になさる必要はございません」
ルーシーが少しずれた眼鏡を直しながら少し口角を上げた。相変わらず無表情に見えるが興奮し過ぎたのであろう。
「まあそれはともかくとして、陣中見舞いの話なんだけれどね、隊の皆さんにも差し入れた方が角が立たないと思うのよ。でね………」
私は軌道修正し、ルーシーと仕事のスケジュールの調整を練る。
そんなこんなしているうちに部活動で作ったクッキーを持ってクロエが戻り、練習を終えたアナやブレナンも帰ってきて、アナたちが私に新しい新技の【ゾンビダンス】を披露するのをクロエとクッキーをつまんで見ていると、ダークが仕事から戻ってきて、まずい食事の支度がまだだったと立ち上がった。
子供が大きくなれば変わるかと思ったが、成長しても何だか兼業主婦と言うのは慌ただしいモノである。
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