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心がざわめく。★

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【ダーク視点】

「………今なんて?」

「いえ、だからね、お芝居に出ることになったのよ子供たちと私が」

 寝室で顔に化粧水をパタパタと叩いていたリーシャがとんでもない事を言い出した。

 どうやら王宮へ呼び出された際にお芝居のイベントをやりたいというナスターシャ妃殿下の話に、「へえ、はあ」と言っているうちに子供たちだけでなく自分まで出演する羽目になったとリーシャは笑っているが、俺にとっては笑い事ではない。

「………リーシャが出る芝居というのは、その、恋愛モノなのか?」

「私が戦争モノに出てどうするのよ。子供たちの中には流石に混じれないし、まあ王道の恋愛モノだと思うわよ。来週台本をくれるらしいけれど」

 リーシャは鏡台から立ち上がり、俺のいるベッドに入って来た。

 俺はイヤな想像で心臓がバクバクしてきた。

「恋愛モノってのは相手役の男がいるって事じゃないか」

「まあいるんじゃないかしらね百合モノじゃなきゃ」

「っ!!じゃ、じゃあキスとか、抱き締めあうようなシーンもあるんじゃないか?」

「まあキスとかは振りだと思うけども、抱擁はあるかしらねぇ………やだわぁ………知らない男性と演技とは言え抱き合うなんて」

「………断れ………る訳ないよな………」

 何しろ王族からのお声掛けである。

 ああでもリーシャがイケメンな役者と抱き合う姿なんて観たくない。

 全部俺のリーシャなのに。
 抱き締めるのもキスしていいのも俺だけなのに。

 絶対に相手役の男がリーシャに惚れてしまう。
 間近にこんな絶世の美女、女神が降臨するのだ。

 演技指導とか言って、抱き締める以上のあれやこれやを企んできたら、か弱いリーシャが襲われてしまうかも知れない。

 リーシャに対して邪(よこしま)な思いを抱かない男など殆んどいる訳がないのだ。
 隙あらばモノにしようと狙っている野郎なんて腐るほどいる。それもほぼ俺よりは若くてイケメンなのだ。
 

「………何を考えているのかなー私の旦那様は?」

 リーシャが俺の顔を覗き込んできた。

「子供たちの芝居は純粋に楽しそうだと思うんだが………リーシャが他の男に触られるのかと思うとな」

「芝居でもやっぱり腹が立つの?」

「当然だろ。ーー後は不安だな。役者ってのは男前が多いし、リーシャがフラッと………」

「………フラッと、何かな?」

 あ、リーシャが怒ってる。俺は慌てた。

「いや違うっ、そのっ、リーシャがよろめくという話ではなくだな!
 相手の男がこんな美女相手に紳士で居られるのか、そっちの不安がだなって、そのっ」

「ダークは私を信じてないの?」

「信じてる!リーシャは勿論信じてるさ!でもな、周りは狼ばかりなんだ。リーシャのような向かうところ敵なしの美貌を持つ女性は少ない。俺はリーシャが心配なんだ」

「向かうところ敵なしの美貌、ねぇ」

 リーシャが苦笑する。

「ダークを捕まえるのには役に立ったかも知れないけど、それ以外はちっとも良いことないじゃない。王族に絡まれたり拐われたり。
 ダークや子供たちと居られるこの幸せな楽しい結婚生活を邪魔する奴等は、みんな敵認定よ!」


 幸せな楽しい結婚生活。


 リーシャがそんな言い方をしてくれるだけで、俺は単純にふわーっと心が舞い上がる。

「リーシャは俺と居て幸せ、なんだな」

「………今さら?」

「いや、何度確認しても良いことだから」

 そう言いながらリーシャの寝間着のボタンを外すのも、8年も経験値を積むと我ながら素早い。

 リーシャは眠るときはブラをしないので、いきなり形のいい小ぶりな胸があらわになって、俺のムスコがすぐ熱く荒ぶってしまう。本人は小さいのを気にしてるみたいだが、俺の手に丁度収まるサイズで、実は俺専用みたいで密かに嬉しい。

「ちょっ、人が油断してる間に寝間着のボタンを外すとか何てスケベな旦那様なのかしら」

 胸を優しく揉みしだく俺をリーシャが睨むが、俺には可愛さしか感じられない。

 いとおしさが込み上げて来てリーシャの唇を塞ぐ。
 リーシャと舌を絡めるだけで腰に来るほど興奮するのは何故だろう。

「………ダメか?」

「んんっ、ダメじゃない、けどっ」

 リーシャはこんな不細工な俺を本当に愛してくれている。

 前世では貴方はイケメンの顔立ちなんだとか言うが、実際にこの国では超不細工である事に変わりないのに。
 周りから変な目で見られる事も多いのに全く気にする様子がない。

 結婚してから益々の色気が黒々とした瞳から漂うようになり、美貌までが輝きを増して、眩しくて仕方ないうちの奥さんだが、それでも俺や子供たちといるのが幸せだと、楽しいと言ってくれる。

 俺はこんなに幸せなのだから、お芝居の1つや2つ、大人の対応で頑張れと言わなくてはならないのだが。

 リーシャの下着を脱がしつつ、下の茂みに指を這わす。

 ぬるりとした愛液が指にまとわりつき、感じてくれている事を実感させ、俺のムスコがより痛いぐらい固くなり質量を増す。

 立ち上がった乳首を吸いながら、リーシャの蜜壺にゆっくり指を抜き差ししつつ、いつもこんな小さな穴によく俺のモノが入るものだと感心する。女性は偉大だ。

 充分にほぐしたそこに、俺のムスコをあてがい、ゆっくり挿れていく。
 何百回じゃきかないほど抱き合っていても、リーシャの中はとてつもなく気持ちいい。妻の体に飽きたなどと言う話を聞いた事があるが、俺には全く理解できない。

「んっ、あぁっ!」

 最奥まで進めると、リーシャがきゅうきゅう締め付けてくるので、すぐイってしまわないよう動きを止めて息を整える。この年で妻を満足させる前に精を放つなど許される事ではない。

 ………のだが。

 動きが止まった俺にすがるような目をして、可愛いリーシャから

「………ダーク、お願い」

 などと言われたら、俺のゴミのような理性など秒で吹き飛ぶに決まってる。

 激しく突き入れ出した俺にリーシャのエロ可愛い声が聴覚まで刺激する。
 ウチの奥さんは一体俺をどうしたいのだ。殺す気か。

「あっ、あっ、あっ、んん、いっちゃ、う」

 身体をガクガクと震わせてイってしまったリーシャに俺も最奥へ白濁を放つ。

 一生リーシャの中に入ったままでいたいなどと本気で考える位の快感に身を震わせるが、これだけは言っておかないと、とリーシャの耳元に口を寄せた。

「リーシャ、芝居は頑張れと応援するが、必要以上に役者を近づけるなよ。
 また変に横恋慕されて拐われたり襲われたりしたら、今度こそ相手に何をするか自分でも分からん」

「………心配性ね。今回は地元だし、私が既婚者だってことは大概の人が知ってるのよ?」

「リーシャはお人好しだからな。その上騙されやすい」

「そんなことない、………と言い切れないのが辛いわ。気をつけるね。
 大丈夫よ。旦那が心配するほど嫁モテもせず、って言うじゃない」

 リーシャがちゅっ、とキスをする。

 それはな、一般的な話だ。
 リーシャの周囲には砂糖へ群がるアリのような連中がゴロゴロしてるのだ。

 まあルーシーについててもらうし、子供たちもいるしな。
 それほど前のように心配は要らないだろうと理性では思うのだが、リーシャに関しては常に心配性な俺である。

 そして、欲望も衰えを知らない。

「………あのね」

「うん」

「なんでまだ挿れたままで、動き出してるの?」

「先っぽだけ」

「そんな【守れない約束オブザイヤー】みたいな台詞を聞きたい訳じゃないのよダーリン?今終わったばっかりなのよ?」

「うん」

「ダーク40なんだからもうそろそろ衰えるものじゃないの?」

「………今とても傷ついた」

「年は誰でも取るのよ。というか私の体力の問題がね、………って先っぽ、だけ、じゃ」

「すまん、ヌルヌルしてたからつい奥まで」

 喘ぎ出したリーシャが余りにも色っぽいもんだから、そのまま2回戦が始まったのは致し方ない事だった。


 いつも可愛い、俺だけのリーシャ。




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