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リーシャたちを追う影。
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【遡ること数時間前】
ダークとリーシャが楽しい釣り旅行へ出掛けるため馬車で駅に向かって出発した頃。
2つの黒い影が木に水やりをしているマカランに忍び寄っていた。
「マカランマカラン」
「おや、カイル坊っちゃんとブレナン坊っちゃん。こんな朝っぱらからどうしたんです?」
「かーさまがわすれものしたんだ」
「えきまでとどけにいくの。ほめてもらうの」
「おや、それはまだ小さいのにえらいですねえ。でもお子様だけじゃ危ないですよ。
ルーシーかアレックはどうしたんです?」
「アナたちがいるからたいへんなの。えきまでいってわたしてかえるだけだから」
「えきまでばしゃでおくってくれる?」
マカランは庭師だが、肥料などの荷物の運搬をするので馬車も扱える。
「いや、そりゃ別に構いませんけど。ルーシーに聞いてこないと」
「もうおゆるしはもらったよ」
「いそがないとれっしゃがでちゃうの」
マカランが立ち上がった。
「そうか、列車の時間があるのか………後ででもいいか。
そいじゃ坊っちゃんたち、いそいで駅に向かいますからね。
………カイル坊っちゃん、背中のリュックの中身が忘れ物ですかい?」
「………そう!そうなんだ!」
「いそぐのマカラン」
「そうでした!それじゃ急いで馬車に乗って下さい。飛ばしますからね」
「わかった!」
小走りに向かうマカランの後をてってけ走る2人は、何故かガッツポーズをしているのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
昨日のこと。
「ちょちょちょ、カイルにーさま」
「どうしたんだブレナン?」
学校から戻ったカイルは、階段のところで待っていたブレナンに手招きされた。
「ひみつのおはなしが」
ブレナンの部屋に連れ込まれたカイルは、ブレナンから父様と母様の後を追いかけて一緒に釣りをしよう、と言われて笑ってしまった。
「なにいってるんだよブレナン。ルーシーにみつかったらたいへんだよ。れっしゃもタダではのれないんだからな?」
「おかねはあるもん」
ブレナンが列車の形をした貯金箱を割ると、お札と小銭がジャラジャラ出てきた。
「じいじやばあばにもらったおこづかいと、いえのてつだいでためたの」
「すごいなーブレナン!ぼくもおカネはちょきんしてるけど、ルーシーにあずけてるからなー」
「いざというときに、てもとにおカネはないとダメなのにーさま」
「そうなのか」
「そうなの。で、ぼくはつりをしてみたいの」
「ボクもやりたいけどさ、とーさまとかーさまにおこられないかな」
「だからひみつなの。かーさまはサプライズがすきだから、ふたりできたよっていってびっくりさせたらすごいねー、ってほめてくれるでしょ。
かーさまにおこられなければとーさまおこらない」
「そうかー。ほめてくれるかな」
「がんばればいつもほめてくれるの」
「そうだな!でもどうがんばるんだよ。
いっしょのばしゃにはのれないだろ?」
「ぼくにかんがえがあるの」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マカランが駅へと急ぐ馬車の中で、カイルとブレナンはこそこそと密談をしていた。
「うまくえきまではいけそうだけど、キップとかはどうするんだ?」
カイルは弟ながらも頭のいいブレナンにすっかり頼りっきりになっていた。
「とーさまが【トゥインクル1ごう】というれっしゃにのるっていってたからチケットかうの。ちゃんととまるとこもメモしたから」
ぽん、とポケットを叩くブレナンに、
「だが、マカランにはしんぱいかけてしまうぞ」
とカイルが難しい顔になった。
「だいじょぶ。てがみかいたから」
ブレナンも背負っていたリュックから封筒を取り出して、椅子の背もたれに見えるように挟んだ。
「とーさまとかーさまにあいにいくからしんぱいしないでってかいてるから」
「そうか。いきさきもかいたならあんしんだな」
カイルとブレナンは頷くと、早く駅に着かないかと窓から外を眺めるのだった。
「坊っちゃんたち、忘れ物届けたらすぐに帰ってきて下さいね!
私は馬車をいつでも動かせるようにしとかないとダメですから」
駅の周辺は混雑していて、馬車も何台も止まっている。
馬車を空っぽのままには出来ないのだろう。
カイルたちにはラッキーであった。
「分かった!あとでね」
カイルとブレナンが手を振り、駅の中に走っていく。
「チケットうりばは………あ、あそこだ」
カイルが窓口を指差した。
「ぼくはせがひくいからカイルにーさまがかってきて」
巾着に入れたお金をブレナンから受け取って、カイルが窓口のお姉さんに声をかけた。
「ゲイルロードまでいくトゥインクル1ごうのキップ、こども2まいください」
「あらボク可愛いわねぇ。お使いかしら?パパとママは?」
「さきにのってます。ボクたちもあとからおいでってなったので」
「そうなんだ。あら、でも急がないともう出ちゃうわよ。お金は預かってきた?」
「はいあります!」
巾着を渡すと、中を数えていたお姉さんが困った顔をした。
「あら、お金が足りないわ。特急だから、特急料金がいるのよ。これじゃ普通列車しか乗れないわ」
あんなに沢山おカネがあったのにまだ足りないなんて。それも片道分みたいだ。
「ちょっとまっててください」
巾着を返してもらい、急いでブレナンのところへ戻った。
ブレナンに事情を説明すると、ブレナンも衝撃を受けたようだった。
「あんなにちょきんしてたのに………」
「どうしよう。ふつうれっしゃでいくか」
「そうだね、じかんかかってもつくもんね」
2人でもう一度窓口に向かおうとしたところで、
「ーーこら待てお前ら。何でこんなとこにいる」
と声がして、後ろ襟をガシッと掴まれた。
「はうっ」
「ふぁっ」
わたわたと振り返ると、父様の仲良しのヒューイおじさんがしかめっ面で立っていた。
「ひゅ、ひゅ、ヒューイおじさん」
「おじさんこそなんでここに」
「いやな、ダークたちの見送りでもと思って来たんだけどよ、道が混んでてな。
着いたらもうあと2分で出発だとさ。
間に合わねーから帰るか、と思ったらお前らが見えたんで驚いたぞ」
ブレナンがそっとヒューイの手を掴み、
「これにはふかいふかいワケがあるのです。
さささ、つまらないもの………でもないですがこれを」
「お、リーシャちゃんのアーモンドクッキーじゃないか。これ好きなんだよ………ってコラ、誰が賄賂よこせといった」
「おねがいします。みのがしてください。
とーさまとかーさまをおいかけてぼくたちもつりをしたいのです」
ブレナンが目をうるうるとさせる。
カイルも負けじと、
「がんばるとかーさまはいつもほめてくれるから、ボクらはゲイルロードまでふたりでいくのです」
とヒューイに訴えた。
「いや、気持ちは分かるがお前らの父ちゃんと母ちゃんはデートだからなあ。
らぶらぶなところを邪魔する事になっちゃうぞ?」
「らぶらぶ………」
「じゃま………ボクらじゃま…いらないこ……」
うずくまるカイルとブレナンを見てヒューイも慌てる。
「おいおいっ、子供をいじめてるみたいだから泣くなよ!ったくよぉー、リーシャちゃんの血なのかこいつら無駄に行動力がありやがる………おいアラン!」
後ろの方でよく分からない顔で控えていたヒューイの部下を呼びつけると、耳打ちした。
「えっ、ですが副官、指揮官もいないのにナンバー2まで不在になるのはまずいでしょう」
「おめー、小さい子が健気に親を追いかけようとしてんのに放置できるのかよ?」
「それはっ、ですがっ!」
ブレナンはふと顔を上げて、風向きが少しこちらに向いた気配を感じた。
騎士団のお兄さんのところまで目をこすりながら行くと、
「おにいさん、さささ、かーさまがつくってくれたとてもおいしいクッキーです。
えんりょなさらずにどぞ」
袋ごとお兄さんに渡す。
「かーさまは、きしだんのひとはとてもやさしくてかっこいいといってました」
「え?シャインベック夫人がっ?」
顔を赤らめながら食いぎみに返すお兄さんに、ブレナンは頷き、
「アランおにいさんがとてもやさしくしてくれたとかーさまにつたえます。
………かーさまにあえたら………」
と寂しそうに深々と頭を下げた。
「………ぐぅっっ!やはりこんな可愛い子たちを放っておくなんて出来ませんよね!分かりました副官、各部隊長には僕から伝えておきます!
ブレナン君、お母さんにくれぐれも宜しく伝えてくれよ」
「アランおにいさん、いいひと。ありがとございます」
カイルと2人で頭を下げる姿を見ながら、
(こいつらほんっとリーシャちゃん寄りの性格してんなー。まあそこが面白可愛いんだけどよ)
と半分呆れながらも、2人を連れて窓口へ向かうのだった。
ダークとリーシャが楽しい釣り旅行へ出掛けるため馬車で駅に向かって出発した頃。
2つの黒い影が木に水やりをしているマカランに忍び寄っていた。
「マカランマカラン」
「おや、カイル坊っちゃんとブレナン坊っちゃん。こんな朝っぱらからどうしたんです?」
「かーさまがわすれものしたんだ」
「えきまでとどけにいくの。ほめてもらうの」
「おや、それはまだ小さいのにえらいですねえ。でもお子様だけじゃ危ないですよ。
ルーシーかアレックはどうしたんです?」
「アナたちがいるからたいへんなの。えきまでいってわたしてかえるだけだから」
「えきまでばしゃでおくってくれる?」
マカランは庭師だが、肥料などの荷物の運搬をするので馬車も扱える。
「いや、そりゃ別に構いませんけど。ルーシーに聞いてこないと」
「もうおゆるしはもらったよ」
「いそがないとれっしゃがでちゃうの」
マカランが立ち上がった。
「そうか、列車の時間があるのか………後ででもいいか。
そいじゃ坊っちゃんたち、いそいで駅に向かいますからね。
………カイル坊っちゃん、背中のリュックの中身が忘れ物ですかい?」
「………そう!そうなんだ!」
「いそぐのマカラン」
「そうでした!それじゃ急いで馬車に乗って下さい。飛ばしますからね」
「わかった!」
小走りに向かうマカランの後をてってけ走る2人は、何故かガッツポーズをしているのだった。
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昨日のこと。
「ちょちょちょ、カイルにーさま」
「どうしたんだブレナン?」
学校から戻ったカイルは、階段のところで待っていたブレナンに手招きされた。
「ひみつのおはなしが」
ブレナンの部屋に連れ込まれたカイルは、ブレナンから父様と母様の後を追いかけて一緒に釣りをしよう、と言われて笑ってしまった。
「なにいってるんだよブレナン。ルーシーにみつかったらたいへんだよ。れっしゃもタダではのれないんだからな?」
「おかねはあるもん」
ブレナンが列車の形をした貯金箱を割ると、お札と小銭がジャラジャラ出てきた。
「じいじやばあばにもらったおこづかいと、いえのてつだいでためたの」
「すごいなーブレナン!ぼくもおカネはちょきんしてるけど、ルーシーにあずけてるからなー」
「いざというときに、てもとにおカネはないとダメなのにーさま」
「そうなのか」
「そうなの。で、ぼくはつりをしてみたいの」
「ボクもやりたいけどさ、とーさまとかーさまにおこられないかな」
「だからひみつなの。かーさまはサプライズがすきだから、ふたりできたよっていってびっくりさせたらすごいねー、ってほめてくれるでしょ。
かーさまにおこられなければとーさまおこらない」
「そうかー。ほめてくれるかな」
「がんばればいつもほめてくれるの」
「そうだな!でもどうがんばるんだよ。
いっしょのばしゃにはのれないだろ?」
「ぼくにかんがえがあるの」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マカランが駅へと急ぐ馬車の中で、カイルとブレナンはこそこそと密談をしていた。
「うまくえきまではいけそうだけど、キップとかはどうするんだ?」
カイルは弟ながらも頭のいいブレナンにすっかり頼りっきりになっていた。
「とーさまが【トゥインクル1ごう】というれっしゃにのるっていってたからチケットかうの。ちゃんととまるとこもメモしたから」
ぽん、とポケットを叩くブレナンに、
「だが、マカランにはしんぱいかけてしまうぞ」
とカイルが難しい顔になった。
「だいじょぶ。てがみかいたから」
ブレナンも背負っていたリュックから封筒を取り出して、椅子の背もたれに見えるように挟んだ。
「とーさまとかーさまにあいにいくからしんぱいしないでってかいてるから」
「そうか。いきさきもかいたならあんしんだな」
カイルとブレナンは頷くと、早く駅に着かないかと窓から外を眺めるのだった。
「坊っちゃんたち、忘れ物届けたらすぐに帰ってきて下さいね!
私は馬車をいつでも動かせるようにしとかないとダメですから」
駅の周辺は混雑していて、馬車も何台も止まっている。
馬車を空っぽのままには出来ないのだろう。
カイルたちにはラッキーであった。
「分かった!あとでね」
カイルとブレナンが手を振り、駅の中に走っていく。
「チケットうりばは………あ、あそこだ」
カイルが窓口を指差した。
「ぼくはせがひくいからカイルにーさまがかってきて」
巾着に入れたお金をブレナンから受け取って、カイルが窓口のお姉さんに声をかけた。
「ゲイルロードまでいくトゥインクル1ごうのキップ、こども2まいください」
「あらボク可愛いわねぇ。お使いかしら?パパとママは?」
「さきにのってます。ボクたちもあとからおいでってなったので」
「そうなんだ。あら、でも急がないともう出ちゃうわよ。お金は預かってきた?」
「はいあります!」
巾着を渡すと、中を数えていたお姉さんが困った顔をした。
「あら、お金が足りないわ。特急だから、特急料金がいるのよ。これじゃ普通列車しか乗れないわ」
あんなに沢山おカネがあったのにまだ足りないなんて。それも片道分みたいだ。
「ちょっとまっててください」
巾着を返してもらい、急いでブレナンのところへ戻った。
ブレナンに事情を説明すると、ブレナンも衝撃を受けたようだった。
「あんなにちょきんしてたのに………」
「どうしよう。ふつうれっしゃでいくか」
「そうだね、じかんかかってもつくもんね」
2人でもう一度窓口に向かおうとしたところで、
「ーーこら待てお前ら。何でこんなとこにいる」
と声がして、後ろ襟をガシッと掴まれた。
「はうっ」
「ふぁっ」
わたわたと振り返ると、父様の仲良しのヒューイおじさんがしかめっ面で立っていた。
「ひゅ、ひゅ、ヒューイおじさん」
「おじさんこそなんでここに」
「いやな、ダークたちの見送りでもと思って来たんだけどよ、道が混んでてな。
着いたらもうあと2分で出発だとさ。
間に合わねーから帰るか、と思ったらお前らが見えたんで驚いたぞ」
ブレナンがそっとヒューイの手を掴み、
「これにはふかいふかいワケがあるのです。
さささ、つまらないもの………でもないですがこれを」
「お、リーシャちゃんのアーモンドクッキーじゃないか。これ好きなんだよ………ってコラ、誰が賄賂よこせといった」
「おねがいします。みのがしてください。
とーさまとかーさまをおいかけてぼくたちもつりをしたいのです」
ブレナンが目をうるうるとさせる。
カイルも負けじと、
「がんばるとかーさまはいつもほめてくれるから、ボクらはゲイルロードまでふたりでいくのです」
とヒューイに訴えた。
「いや、気持ちは分かるがお前らの父ちゃんと母ちゃんはデートだからなあ。
らぶらぶなところを邪魔する事になっちゃうぞ?」
「らぶらぶ………」
「じゃま………ボクらじゃま…いらないこ……」
うずくまるカイルとブレナンを見てヒューイも慌てる。
「おいおいっ、子供をいじめてるみたいだから泣くなよ!ったくよぉー、リーシャちゃんの血なのかこいつら無駄に行動力がありやがる………おいアラン!」
後ろの方でよく分からない顔で控えていたヒューイの部下を呼びつけると、耳打ちした。
「えっ、ですが副官、指揮官もいないのにナンバー2まで不在になるのはまずいでしょう」
「おめー、小さい子が健気に親を追いかけようとしてんのに放置できるのかよ?」
「それはっ、ですがっ!」
ブレナンはふと顔を上げて、風向きが少しこちらに向いた気配を感じた。
騎士団のお兄さんのところまで目をこすりながら行くと、
「おにいさん、さささ、かーさまがつくってくれたとてもおいしいクッキーです。
えんりょなさらずにどぞ」
袋ごとお兄さんに渡す。
「かーさまは、きしだんのひとはとてもやさしくてかっこいいといってました」
「え?シャインベック夫人がっ?」
顔を赤らめながら食いぎみに返すお兄さんに、ブレナンは頷き、
「アランおにいさんがとてもやさしくしてくれたとかーさまにつたえます。
………かーさまにあえたら………」
と寂しそうに深々と頭を下げた。
「………ぐぅっっ!やはりこんな可愛い子たちを放っておくなんて出来ませんよね!分かりました副官、各部隊長には僕から伝えておきます!
ブレナン君、お母さんにくれぐれも宜しく伝えてくれよ」
「アランおにいさん、いいひと。ありがとございます」
カイルと2人で頭を下げる姿を見ながら、
(こいつらほんっとリーシャちゃん寄りの性格してんなー。まあそこが面白可愛いんだけどよ)
と半分呆れながらも、2人を連れて窓口へ向かうのだった。
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