土偶と呼ばれた女は異世界でオッサンを愛でる。R18

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ

文字の大きさ
79 / 256

俺の妻は癒しに長けている。☆

しおりを挟む
【ダーク視点】

 ちゃぽ、ん。

 一時気まずかった夕食も、リーシャやアレックのお陰で気持ちを切り替えて過ごす事が出来たし、子供たちもご機嫌になっていた。

 ルーシーが、

「今夜は奥様とお二人でお休み下さいませ。アレックと私で坊っちゃま達と休みますので」

 と耳打ちしてくれたので、なんとなく子供たちとも顔を合わせづらかった俺は有り難くお願いした。


 ベッドルームが3つもあるせいか広めのバスルームも2つあり、ルーシーやアレック、子供たちはもう片方に入った。

 俺もリーシャが入るから早く出ねばと思うのだが、つい湯船でウダウダとしてしまう。


 そうなのだ。

 俺はリーシャの言う前世でどうあろうとも、今生きているこの世界ではかなりの不細工である。それはずっと自覚していた筈なのに。

(息子に言われる必要もない非難が浴びせられた………)

 このことがずっと心の中でわだかまりとなっていた。

 リーシャが、本人が『まあ使えるんなら武器にする』とどうでもいいように言い切る女神のような美貌で、低姿勢で愛想よくすることで丸く収めはしたが、妻にワザワザ苦労をかける前に俺が収めなくてはならない事だった。

 自分の情けなさに悔しくてならない。

 俺だけならどうと言う事はない。
 今まで通り軽く流して耐えれば良いだけだ。

 でも、家族は。リーシャや子供たちだけは、俺が不細工である事での不利益を被らせたくない。

 明日の海も、俺は少し離れた所にいた方が………。だが何かあったときに近くにいないと………。


「ねえダーク、まだお風呂?」

 行ったり来たりする煩悶で時間を食ってしまったらしい。リーシャの声が聞こえ、俺は慌てて風呂から上がる。

「済まない!すぐ出る」

「ああ、いいのよ入ってて。私も入るから」

「!?」


 ………今何と言った?


 結婚してから一度も一緒に風呂へ入った事などないぞ。何度かそれとなく頼んでみた事はあったが、恥ずかしいからと断られ続けていたのに。

 動揺してる間にバスルームの扉が開き、全裸のリーシャが入ってきた。
 余りに眩しく扇情的で、著しく股間がまずい事になったため、また湯船に沈む。

「ど、どうしたいきなり?」

「んー?気が向いたの。………イヤ?」

「いやっ、勿論大歓迎だが」

 リーシャは身体と頭を手早く洗うと、

「お邪魔しまーす」

 と湯船に一緒に浸かった。

 色つきの湯で良かった。秒で股間をおっ勃たせた馬鹿な夫の姿を見られずに済んだとホッとした。

「………やっぱりまだ気にしてるのね?
 あんなロクデナシ達の言った事なんか忘れなさいよ。ダークが落ち込んでやる価値もないわよ」

 リーシャにはやはりお見通しだった。

「………だが、そうは言っても、な」

 溜め息がこぼれた。
 ダメだ。ついリーシャには甘えてしまう。

 リーシャは、暫く俺を眺めた後、俺の手を取り、

「ダークが私を抱き締める手が好き」

 と掌にキスをされた。

「えっ、おいっ」

「私の話をちゃんと聞いてくれる耳が好き」

 耳朶にキスをされる。

「ダークの曇りのない瞳が好き」

 瞼にキスをされる。

 ダークの声が好き、鼻が好き、頬が好き、とあちこちにキスをしまくられ、最後に、

「どこもかしこも好きだけど、一番好きなのは貴方の汚れのない心よ」

 と胸元にキスを落とした。

「貴方は私の太陽だと何度言えば分かるの?
 まあ百万回でも言うけれど、私が愛してるのはダークだけ。幸せにしたいのもダークだけ。………あ、ごめんね、子供たちとかルーシー達は別ね。家族愛はノーカウントよ。
 ………ダークの心を独り占めしたいのよ。些細な事で私の太陽を翳らせたくないわ」

 優しく俺の髪を鋤いてくるリーシャを俺は抱き締めた。

「明日も………一緒にいていいか?」

「イヤよ。一生側に居てくれなきゃ」

 
 ああ、俺の妻は本当にいつもいつも俺の欲しい言葉をくれる。


「ああ、いけない。独り占めしたかったのは貴方の心だけじゃなかったわ」

 リーシャがクスッと笑い掛けた。

「貴方の身体も独り占めしたかったわ」

「………おう。奇遇だな。俺もだ」

 俺はリーシャを抱き上げると、キスをした。

「ベッドで証明しよう」

 俺の愛情の深さを。






しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【完結】男の美醜が逆転した世界で私は貴方に恋をした

梅干しおにぎり
恋愛
私の感覚は間違っていなかった。貴方の格好良さは私にしか分からない。 過去の作品の加筆修正版です。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

転生からの魔法失敗で、1000年後に転移かつ獣人逆ハーレムは盛りすぎだと思います!

ゴルゴンゾーラ三国
恋愛
 異世界転生をするものの、物語の様に分かりやすい活躍もなく、のんびりとスローライフを楽しんでいた主人公・マレーゼ。しかしある日、転移魔法を失敗してしまい、見知らぬ土地へと飛ばされてしまう。  全く知らない土地に慌てる彼女だったが、そこはかつて転生後に生きていた時代から1000年も後の世界であり、さらには自身が生きていた頃の文明は既に滅んでいるということを知る。  そして、実は転移魔法だけではなく、1000年後の世界で『嫁』として召喚された事実が判明し、召喚した相手たちと婚姻関係を結ぶこととなる。  人懐っこく明るい蛇獣人に、かつての文明に入れ込む兎獣人、なかなか心を開いてくれない狐獣人、そして本物の狼のような狼獣人。この時代では『モテない』と言われているらしい四人組は、マレーゼからしたらとてつもない美形たちだった。  1000年前に戻れないことを諦めつつも、1000年後のこの時代で新たに生きることを決めるマレーゼ。  異世界転生&転移に巻き込まれたマレーゼが、1000年後の世界でスローライフを送ります! 【この作品は逆ハーレムものとなっております。最終的に一人に絞られるのではなく、四人同時に結ばれますのでご注意ください】 【この作品は『小説家になろう』『カクヨム』『Pixiv』にも掲載しています】

処理中です...