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授与式【1】
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【ダーク視点】
「ダーク、私も支度して後から行くわね。
………でも何で家から着ていかないの?面倒じゃない?」
授与式当日の朝、リーシャが俺に聞いてきたので、
「………白いのは汚れやすいからな。向こうで着替える」
と返したが、本音はあんな白地に金ボタン、金糸のモールみたいなのがついた派手な服は、俺のような目立ちたくない不細工なオッサンにはかなりの勇気がいるのだ。
まあ面倒だし仕方ない着ていくかと一度は思ったのだが、ルーシーに止められた。
「リーシャ様が旦那様の正装を本当に楽しみにしておられるので、屋敷で着られては困るのです。満足してしまって、授与式もパーティーも『もういいわ』になってしまうと、マークス様から絶対に恨まれます。
それでなくても旦那様がリーシャ様に安易な嘘をつくせいで、このルーシーは常に頭を痛めておりますのに」
などと最後はこんこんと説教までされた。
例のオッパイの件がバレてるとは思わず赤面したが、
「『好きな男性から』揉まれれば大きくなる(かも)と再度洗脳しておきましたので、次回以降はバレにくい嘘にして下さいませ。
ちなみに紫色が旦那様は好きらしいともインプットしておきましたので、数日以内には例のすっけすけレースのネグリジェのお目見えが叶うかと。心の準備お願い致します」
「………、分かった」
翌日の夜に現実となったが、そらもう………鼻血モノのどエロい破壊力であった。
ふしだらと思われるんじゃないかと不安そうな顔をするリーシャに、
「何を着てもリーシャは似合うし可愛いが、今夜は特に可愛いな。いや可愛さの頂点かも知れない」
と可愛いのバーゲンセールみたいに連呼しながら有り難く襲わせて頂いた。
ルーシーとはこれからも密に連携を取っていきたいものである。
ーーーーーーーーーー
「お、いたいた。なーおいダーク、今日はリーシャちゃん来るのか?」
執務室で着替えていると、ノックをしてヒューイが入ってきた。
ヒューイは爵位は変わらないが、副官として俺の下につくので第三部隊の上二人がまたもや腐れ縁である。結果的にはヒューイも出世になるのだが、別に興味もないらしい。
「ああ。式までには来ると言っていた」
ソファーにどっかりと腰を下ろすと、ヒューイはニヤリと笑った。
「ほほー、馬子にも衣装だな。結構似合ってるじゃん」
「………そうか。リーシャが見たがっていたが、少しでもマシに見えるなら有り難い」
「マジな話、何であのリーシャちゃんとこのダークがくっついたのか未だに不思議だわ俺」
「まあ俺も不思議だが」
それでも、リーシャの前世では結構イケメンの顔立ちだったそうなので、何度も言われてるうちに、前ほど卑屈にならないで済むようになった。
ま、リーシャさえ俺の事を好きでいてくれれば、正直他の女性からどんなに嫌われてもどうと言う事もない。
俺の女神は一人だけだから。
「まあ俺はミランダがいるからいいけどさ。リーシャちゃん普段あまり社交もしてないから、すんごい注目浴びると思うぞ」
「そんなのいつもの事だろう?」
「まあそうだけどよ。けど、隣国の皇太子とか、公爵連中とか貿易商とかさ、リーシャちゃんを一目見たがってる奴等が大勢いるからな。パーティーでは余り目を離すなよ。変にまとわりつかれても困るだろ?」
「分かってるさ」
「ならいいが。………お、やべ。ミランダと約束があるからまた後でな」
「ああ」
軽く手を上げ出ていく友人を見送り、俺も支度を終わらせる。
「………あー、リーシャと早く家に帰ってゆっくりしたい……子供たちと遊びたい………」
机に突っ伏しながら、早く時が過ぎてくれないかとそっと溜め息を洩らすのだった。
「ダーク、私も支度して後から行くわね。
………でも何で家から着ていかないの?面倒じゃない?」
授与式当日の朝、リーシャが俺に聞いてきたので、
「………白いのは汚れやすいからな。向こうで着替える」
と返したが、本音はあんな白地に金ボタン、金糸のモールみたいなのがついた派手な服は、俺のような目立ちたくない不細工なオッサンにはかなりの勇気がいるのだ。
まあ面倒だし仕方ない着ていくかと一度は思ったのだが、ルーシーに止められた。
「リーシャ様が旦那様の正装を本当に楽しみにしておられるので、屋敷で着られては困るのです。満足してしまって、授与式もパーティーも『もういいわ』になってしまうと、マークス様から絶対に恨まれます。
それでなくても旦那様がリーシャ様に安易な嘘をつくせいで、このルーシーは常に頭を痛めておりますのに」
などと最後はこんこんと説教までされた。
例のオッパイの件がバレてるとは思わず赤面したが、
「『好きな男性から』揉まれれば大きくなる(かも)と再度洗脳しておきましたので、次回以降はバレにくい嘘にして下さいませ。
ちなみに紫色が旦那様は好きらしいともインプットしておきましたので、数日以内には例のすっけすけレースのネグリジェのお目見えが叶うかと。心の準備お願い致します」
「………、分かった」
翌日の夜に現実となったが、そらもう………鼻血モノのどエロい破壊力であった。
ふしだらと思われるんじゃないかと不安そうな顔をするリーシャに、
「何を着てもリーシャは似合うし可愛いが、今夜は特に可愛いな。いや可愛さの頂点かも知れない」
と可愛いのバーゲンセールみたいに連呼しながら有り難く襲わせて頂いた。
ルーシーとはこれからも密に連携を取っていきたいものである。
ーーーーーーーーーー
「お、いたいた。なーおいダーク、今日はリーシャちゃん来るのか?」
執務室で着替えていると、ノックをしてヒューイが入ってきた。
ヒューイは爵位は変わらないが、副官として俺の下につくので第三部隊の上二人がまたもや腐れ縁である。結果的にはヒューイも出世になるのだが、別に興味もないらしい。
「ああ。式までには来ると言っていた」
ソファーにどっかりと腰を下ろすと、ヒューイはニヤリと笑った。
「ほほー、馬子にも衣装だな。結構似合ってるじゃん」
「………そうか。リーシャが見たがっていたが、少しでもマシに見えるなら有り難い」
「マジな話、何であのリーシャちゃんとこのダークがくっついたのか未だに不思議だわ俺」
「まあ俺も不思議だが」
それでも、リーシャの前世では結構イケメンの顔立ちだったそうなので、何度も言われてるうちに、前ほど卑屈にならないで済むようになった。
ま、リーシャさえ俺の事を好きでいてくれれば、正直他の女性からどんなに嫌われてもどうと言う事もない。
俺の女神は一人だけだから。
「まあ俺はミランダがいるからいいけどさ。リーシャちゃん普段あまり社交もしてないから、すんごい注目浴びると思うぞ」
「そんなのいつもの事だろう?」
「まあそうだけどよ。けど、隣国の皇太子とか、公爵連中とか貿易商とかさ、リーシャちゃんを一目見たがってる奴等が大勢いるからな。パーティーでは余り目を離すなよ。変にまとわりつかれても困るだろ?」
「分かってるさ」
「ならいいが。………お、やべ。ミランダと約束があるからまた後でな」
「ああ」
軽く手を上げ出ていく友人を見送り、俺も支度を終わらせる。
「………あー、リーシャと早く家に帰ってゆっくりしたい……子供たちと遊びたい………」
机に突っ伏しながら、早く時が過ぎてくれないかとそっと溜め息を洩らすのだった。
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