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クロエの場合。【5】
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【ジークライン視点】
取引相手のアーデル国でも大手の服飾会社のジイ様が、税率が高いだの店舗の場所が良くないだのと鬱陶しい事を言って輸入品の課税の話がまとまらず、3日後に改めて話し合いをする事になった。
ガーランド国の方が人口も多いし、お洒落にもかなり敏感なレディーが多いので、輸出した方がメリットがあるのは分かっているはずなのに、無駄な粘りで私とクロエのデートの時間を奪うとは許しがたい。
今度またごねるようなら税率上げてやる。
さっさとジイ様を執務室から追い出すと、コートを掴み急いで待ち合わせのカフェへ急いだ。
もう、初めてクロエと出会ってから15年が経とうとしている。リーシャさんの血を引いてるぐらいだから、3歳の頃からそれはもう天使のような可愛らしい美貌ではあったが、まさか私を「クロエの王子様」と呼んで慕ってくれるとは想像すらしていなかった。
何故なら、私は地位こそ第2王子ではあったが、兄と違ってそれはもう不細工だったからだ。
今は、この国で流行っている薄い本のお陰で、顔の良し悪しも前ほど嫌な顔もされないし、買い物だって普通に出来るようになったが、当時はもう陰口どころか無意識なのだろうが眉間にシワを寄せられたり婦女子には避けられるのが当たり前だった。
これで王族じゃなかったらもっとあからさまに侮蔑の目を向けられていたと思う。
シャインベック家の人々は、メイドや使用人たちに至るまで態度を変える事なく、いつもフレンドリーに接してくれたが、それが私を暗闇しかない日々から救いだしてくれたのだとはきっと気づいてはいないのだろう。
こんな中途半端な茶色い髪も彫りの深い顔立ちにはっきり二重のまぶたも、グリーンなんていう誉められる要素のない目の色も、リーシャさんは綺麗だと誉めてくれたし、クロエは「ジークさまの目はほうせきみたいねー」と頬をポポポポっと染めて手をニギニギしてくれたのだ。幼いながらも私に舞い降りた天使だった。
半分冗談で、
「大きくなったらお嫁に来るかい?」
と聞いたら、
「あい!」
と答えたので奇跡はあるものだと神に感謝した。
まあ半分冗談で、半分は本気だったから。
きっと、ここまで不細工だと政略結婚でも相手が嫌だろうし、一生結婚なんて縁がないと思っていたのに、微かな希望が湧いてしまったのだ。
私を綺麗だと勘違いしている(多分リーシャさんの価値観や育て方なのだろう)。
私を王子様みたいで格好いいと言っている(王子なのは事実だが)。
これは、繋ぎ止めるしかないではないか。
──ただし、幼女である。
まだ3歳ではいかんともし難い。私はいくらモテない人間であってもロリコンではないのだ。
しかし、あと15年待てばクロエは18。適齢期というお年頃である。
リーシャさんは、
「18まで結婚は認めないが、それまでクロエがジーク様の事を好きでいたなら、考えてやって下さい。
でも、ジーク様も結婚の話など恐らく出るでしょうし、その時にはクロエの事はお気になさらずどうぞさくっと結婚して下さいませ」
と気遣うような発言をしていたが、むしろ私がさっさと誰かと結婚してくれれば、クロエは淡い初恋として諦めるだろうと期待していた気配を感じた。
勿論、リーシャさんは私を嫌っているのではなく、王族という面倒な立ち位置を嫌っていたのは日頃の言動から理解していた。
子爵位で王族と繋がるのは畏れ多いとか言ってたし。
ただ、自由にのんびりと暮らしたいと公言するシャインベック家には、リーシャさんという傾国の美貌を持つ女性がいて、どう転んでも美女と美男子にしかなりようがないフォアローゼズと呼ばれる子供たちが居たせいで、ささやかな夢は結局は夢のままなのである。
シャインベック指揮官は、
「俺に似なくて本当に良かったですが、似てなきゃ似てないで別の苦労があるものですね」
と溜め息をついていた。
彼も私と似たり寄ったりな顔で、正直リーシャさんが彼と結婚していたのは衝撃だった。
だが今までの付き合いで、彼がここまで不細工ならば起きても仕方ないだろう心の歪みがなかったのと、惚れ惚れするほどフェアで思いやりがあり気配りも忘れない、人としての出来が私とは比べ物にならない事を知っているので、リーシャさんの目は確かだったと感じずにはいられなかった。
【王族ホイホイ】と呼ばれた子供たちは、私がクロエを嫁にすると決めた後、カイルはミヌーエ王国のマデリーン王女と出合い、次期王配として婿養子になったし、アナはガーランド国のレイモンド王子と既に婚約している。私たちの結婚式の1ヶ月後には挙式である。
恐ろしいほどの王族関与率だが、ここまで完成度の高い美貌を持つと、それも避けられないのかも知れない。
ブレナンは今のところ結婚に興味がないようで、ダンスのコーチをしたり、水彩画を描いていたりしているが、リーシャさんが言うには、
「兄妹がどんどん王族と結婚していくし、本人もまあ顔立ちもアレだから、超売り手市場なのよね。
だもので釣書がわっさわっさ来るんだけれど、恋愛結婚したいから、その気になるまで放っておいて欲しいって言われたわ。
ウチは別に家を残したいとかないから好きにすればいいと思うのだけど、皆が出ていく形になってるから気にしてるのかしらねえ」
だそうだ。
ま、ブレナンはしっかりしてるから、時期が来ればちゃんといい人を見つけそうだし、私は心配していない。
約束より30分近くも遅れてカフェに着くと、可愛いクロエは文庫本を読みながら待っており、周囲の客やボーイから熱い眼差しを注がれていた。
「ジーク!」
「クロエ、ゴメンね遅れてしまって」
待ち合わせの人間がオッサンで、しかもこの見目麗しい美女と釣り合いの取れない不細工だと周りが思っているのは確実だ。
これでクロエが嬉しそうな顔をしてなければ、金にモノを言わせて美女を囲ってるスケベオヤジ扱いになろうことは容易に想像できる。
何せ15年同じような眼差しを注がれていたのだから。ロリコン枠が外れただけ御の字である。
しかし、クロエが15年、全く他に好きな人が現れる事もなく、ずっと自分だけを見ていてくれたのが一番の奇跡である。
小さな頃は天使で、成長したら眩しい程の美貌は冴え渡るばかり。よく私なんかを今まで思っていてくれたものである。
ここまで来たら早く結婚式を済ませて妻になって欲しいと願うような気持ちである。
早く来い来い結婚式。
現在はクロエが笑いかけてくれるだけで幸せな日々だが、流石に女性経験もないままここまで来たので、実際に使い物になるのだろうかという不安もある。
一人で致す事も男だからありはするが、童貞が結婚した後に、いざとなると出来なかったという話もゴシップ記事で読んだので尚更である。
芝居に向かうために手を繋いで会場へ歩きながら、クロエはまさか一緒に歩いている男が煩悩の塊になっており、拗らせすぎたせいか、最近では手を繋いでるだけでついエッチな妄想をしてしまうとか、たがが外れないよう唇へのキスは自粛しているとか、デートの後は必ず息子をナニしてしまうように堕落してしまっているが、嫌われたくないので賢者モードで大人の対応をしてるとは思ってないんだろうなあ、と苦く笑った。
あと一息、結婚するまでは落ち着いた大人の男でいなくては。
取引相手のアーデル国でも大手の服飾会社のジイ様が、税率が高いだの店舗の場所が良くないだのと鬱陶しい事を言って輸入品の課税の話がまとまらず、3日後に改めて話し合いをする事になった。
ガーランド国の方が人口も多いし、お洒落にもかなり敏感なレディーが多いので、輸出した方がメリットがあるのは分かっているはずなのに、無駄な粘りで私とクロエのデートの時間を奪うとは許しがたい。
今度またごねるようなら税率上げてやる。
さっさとジイ様を執務室から追い出すと、コートを掴み急いで待ち合わせのカフェへ急いだ。
もう、初めてクロエと出会ってから15年が経とうとしている。リーシャさんの血を引いてるぐらいだから、3歳の頃からそれはもう天使のような可愛らしい美貌ではあったが、まさか私を「クロエの王子様」と呼んで慕ってくれるとは想像すらしていなかった。
何故なら、私は地位こそ第2王子ではあったが、兄と違ってそれはもう不細工だったからだ。
今は、この国で流行っている薄い本のお陰で、顔の良し悪しも前ほど嫌な顔もされないし、買い物だって普通に出来るようになったが、当時はもう陰口どころか無意識なのだろうが眉間にシワを寄せられたり婦女子には避けられるのが当たり前だった。
これで王族じゃなかったらもっとあからさまに侮蔑の目を向けられていたと思う。
シャインベック家の人々は、メイドや使用人たちに至るまで態度を変える事なく、いつもフレンドリーに接してくれたが、それが私を暗闇しかない日々から救いだしてくれたのだとはきっと気づいてはいないのだろう。
こんな中途半端な茶色い髪も彫りの深い顔立ちにはっきり二重のまぶたも、グリーンなんていう誉められる要素のない目の色も、リーシャさんは綺麗だと誉めてくれたし、クロエは「ジークさまの目はほうせきみたいねー」と頬をポポポポっと染めて手をニギニギしてくれたのだ。幼いながらも私に舞い降りた天使だった。
半分冗談で、
「大きくなったらお嫁に来るかい?」
と聞いたら、
「あい!」
と答えたので奇跡はあるものだと神に感謝した。
まあ半分冗談で、半分は本気だったから。
きっと、ここまで不細工だと政略結婚でも相手が嫌だろうし、一生結婚なんて縁がないと思っていたのに、微かな希望が湧いてしまったのだ。
私を綺麗だと勘違いしている(多分リーシャさんの価値観や育て方なのだろう)。
私を王子様みたいで格好いいと言っている(王子なのは事実だが)。
これは、繋ぎ止めるしかないではないか。
──ただし、幼女である。
まだ3歳ではいかんともし難い。私はいくらモテない人間であってもロリコンではないのだ。
しかし、あと15年待てばクロエは18。適齢期というお年頃である。
リーシャさんは、
「18まで結婚は認めないが、それまでクロエがジーク様の事を好きでいたなら、考えてやって下さい。
でも、ジーク様も結婚の話など恐らく出るでしょうし、その時にはクロエの事はお気になさらずどうぞさくっと結婚して下さいませ」
と気遣うような発言をしていたが、むしろ私がさっさと誰かと結婚してくれれば、クロエは淡い初恋として諦めるだろうと期待していた気配を感じた。
勿論、リーシャさんは私を嫌っているのではなく、王族という面倒な立ち位置を嫌っていたのは日頃の言動から理解していた。
子爵位で王族と繋がるのは畏れ多いとか言ってたし。
ただ、自由にのんびりと暮らしたいと公言するシャインベック家には、リーシャさんという傾国の美貌を持つ女性がいて、どう転んでも美女と美男子にしかなりようがないフォアローゼズと呼ばれる子供たちが居たせいで、ささやかな夢は結局は夢のままなのである。
シャインベック指揮官は、
「俺に似なくて本当に良かったですが、似てなきゃ似てないで別の苦労があるものですね」
と溜め息をついていた。
彼も私と似たり寄ったりな顔で、正直リーシャさんが彼と結婚していたのは衝撃だった。
だが今までの付き合いで、彼がここまで不細工ならば起きても仕方ないだろう心の歪みがなかったのと、惚れ惚れするほどフェアで思いやりがあり気配りも忘れない、人としての出来が私とは比べ物にならない事を知っているので、リーシャさんの目は確かだったと感じずにはいられなかった。
【王族ホイホイ】と呼ばれた子供たちは、私がクロエを嫁にすると決めた後、カイルはミヌーエ王国のマデリーン王女と出合い、次期王配として婿養子になったし、アナはガーランド国のレイモンド王子と既に婚約している。私たちの結婚式の1ヶ月後には挙式である。
恐ろしいほどの王族関与率だが、ここまで完成度の高い美貌を持つと、それも避けられないのかも知れない。
ブレナンは今のところ結婚に興味がないようで、ダンスのコーチをしたり、水彩画を描いていたりしているが、リーシャさんが言うには、
「兄妹がどんどん王族と結婚していくし、本人もまあ顔立ちもアレだから、超売り手市場なのよね。
だもので釣書がわっさわっさ来るんだけれど、恋愛結婚したいから、その気になるまで放っておいて欲しいって言われたわ。
ウチは別に家を残したいとかないから好きにすればいいと思うのだけど、皆が出ていく形になってるから気にしてるのかしらねえ」
だそうだ。
ま、ブレナンはしっかりしてるから、時期が来ればちゃんといい人を見つけそうだし、私は心配していない。
約束より30分近くも遅れてカフェに着くと、可愛いクロエは文庫本を読みながら待っており、周囲の客やボーイから熱い眼差しを注がれていた。
「ジーク!」
「クロエ、ゴメンね遅れてしまって」
待ち合わせの人間がオッサンで、しかもこの見目麗しい美女と釣り合いの取れない不細工だと周りが思っているのは確実だ。
これでクロエが嬉しそうな顔をしてなければ、金にモノを言わせて美女を囲ってるスケベオヤジ扱いになろうことは容易に想像できる。
何せ15年同じような眼差しを注がれていたのだから。ロリコン枠が外れただけ御の字である。
しかし、クロエが15年、全く他に好きな人が現れる事もなく、ずっと自分だけを見ていてくれたのが一番の奇跡である。
小さな頃は天使で、成長したら眩しい程の美貌は冴え渡るばかり。よく私なんかを今まで思っていてくれたものである。
ここまで来たら早く結婚式を済ませて妻になって欲しいと願うような気持ちである。
早く来い来い結婚式。
現在はクロエが笑いかけてくれるだけで幸せな日々だが、流石に女性経験もないままここまで来たので、実際に使い物になるのだろうかという不安もある。
一人で致す事も男だからありはするが、童貞が結婚した後に、いざとなると出来なかったという話もゴシップ記事で読んだので尚更である。
芝居に向かうために手を繋いで会場へ歩きながら、クロエはまさか一緒に歩いている男が煩悩の塊になっており、拗らせすぎたせいか、最近では手を繋いでるだけでついエッチな妄想をしてしまうとか、たがが外れないよう唇へのキスは自粛しているとか、デートの後は必ず息子をナニしてしまうように堕落してしまっているが、嫌われたくないので賢者モードで大人の対応をしてるとは思ってないんだろうなあ、と苦く笑った。
あと一息、結婚するまでは落ち着いた大人の男でいなくては。
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