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4.このうちのこに、なりにきました!!
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『カシウス様、お話をしましょう』
まるで走馬灯のように、子供の頃の夢を見ている。
……あれは、結婚式が終わって何度目の夜だっただろう。私たちは最初の二週間ぐらいは、一緒の寝室で過ごしていた。まだ子供の私たちに跡取りを作る行為は求められているはずもなく、ただ、形ばかりの夫婦として同じ部屋に居た。カシウスはそれが嫌だったのか、毎晩書斎にこもって勉強をしていて、私が起きている時間に床につくことはなかった。
『まだ、勉強がありますので。当家の歴史の話については、家庭教師にでもお聞きください』
彼は夜ごと、会話をねだる私にそう答えた。
『けれど、カシウス様』
『様はいりません。俺はあなたの夫ではなく、あなたの臣下です』
『臣下ではありません。私はこのエメレット家に嫁いだのです。家族の事を知りたいと思うのは、当然のことではありませんか』
妻にはなれないけれど、家族にはなれる。そう思っていた私は、あまりに無邪気だった。
両親からもう諦められた、いらない子だから、政略結婚には使えないから辺境に追いやられたのだと、思いたくない感情の押しつけがあった。
『……そう、思っているのは、あなただけです』
カシウスの苦々しい顔は今でもはっきり、きのうの事の様に思い出せる。彼は領地と引き換えに私と言う存在を押し付けられたのだ。私では、彼の孤独を埋めてあげることはできない。
私は、カシウスの家族にはなれないのだ……。
「……嫌な、夢」
目が覚めると、じっとりと寝汗をかいていた。人を呼ぼうと思ったけれど、廊下にいつも詰めているはずの見張りの侍女はいなかった。
屋敷はしんと静まりかえって、人の気配はない。
──せっかくだし、少し散歩でもしてみようか。
日中出歩いて、来客を迎えて、おまけに夢見が悪かったにも関わらず、妙に体が楽だった。体の中にいつも籠っている魔力が収まっているのだ。
その状態を少しでも楽しんでおきたくて、ひとり、書斎へと向かう。不思議なほどに静かな夜だ。窓からは妙に明るい月が私を見つめている。
「あら、レイナルト」
しばらく歩いていると、レイナルトが暗闇の中、壁に向かってぶつぶつと独り言を呟いているところに遭遇した。彼は私が声をかけると、急に正気に戻ったかのように私を見た。
「あ、あああああああああアリー様。どうされたのですか、このような夜中に。どこか痛みますか」
レイナルトの笑顔は引きつっていた。昼間から、ずっと彼の様子はおかしいし、エレノアは部屋にこもっていて、夕食の場に顔を出さなかった。
「いえ。夢を見てしまって、なんとなく散歩を。子供時代の……」
「子供っ!」
レイナルトは素っ頓狂な声をあげた。エレノアもそうだけれど、エメレット家は疫病のせいで通常より早く世代交代が進み、当主であるカシウスとともに探り探りで成長してきた。だから、皆一本気で真面目なのだけれど、考えている事がすぐに顔に出ると言うか……とにかく下手なのだ、腹芸が。
「エレノアの事は気にしなくていいのよ」
大方、私が急かしたせいで『今すぐにでも子供を作ってアリー様にお見せするのだ』などとエレノアに迫られたのだろう。
「そ、そ、そそそそそうですか。そう言っていただけると、このレイナルト、少しばかり肩の荷が……」
レイナルトはハンカチで額の汗をぬぐった。
「あなたはカシウスと、これからのエメレット領を担っていくのだから。自分の判断を信じてね。エレノアも一本気な所はあるけれど……話せば分かってくれるから」
私が持っていたランプの光に照らされて、レイナルトの顔に陰が差す。
「……自分が納得できないことを、相手に納得させるには、どうしたらいいでしょうか?」
「……? レイナルト、あなたが納得できないなら、きっとそれは正しくない事よ」
レイナルトはくしゃりと顔をゆがませた。失礼な言い方だけれど、飼い主の匂いが途絶えてしまって途方に暮れた犬、のような感じ。いつも気丈な、得てして無理をしてでも明るく振舞おうとする彼の、こんなに情けない表情を見るのは初めてだ。
「どうしたの、レイナルト……」
「殺せっ!!!!!!!」
ドアの向こうから、エレノアの怒りに滲んだ声が響き渡った。よくよく考えると、ここは会議に使う部屋の前だ。レイナルトに気を取られていたけれど、中に人はいるのだ。正しくは、屋敷中の皆が、ここに集まっていた。
「殺せ、とは不穏だわ」
エレノアは感情的なところはあるけれど、残忍な性格ではない。彼女が激怒するような事が、そうそうあるだろうか。
「あなたたち、一体何について話し合っているの?」
「な、なななななななんでもありません。使用人同士のいさかいゆえ」
レイナルトは先ほど汗をぬぐったにもかかわらず、全身に汗をびっしょりとかいていた。彼は本当に、嘘が下手なのだ。
「エレノアは私付きの侍女よ。彼女の話を聞いてあげる必要があるわ」
「いえ、いえ。アリー様には、全く無関係の話なのです」
がたんと、椅子が倒れる音がした。
「お前たち、この、恥知らずがっ! アリー様に、何と申し開きをすると言うのだ、このっ、このっ……バカにしおって! こんな侮辱があるか!」
そうこうしている間にも、エレノアの怒りは一向に収まる様子はない。しかも、私の名前まで出てきている。
「レイナルト!」
「明日、改めて、お話します。どうか、今はお引き取りを。お願いします、お願いいたします」
レイナルトは私の肩をぐいぐいと押した。彼が私の体に許可なく触れるのはよろめいたのを支える時ぐらいで、基本的にはしない。……つまり、彼は今、平常心ではないのだ。
「もう……」
話の内容は気になるが、ここはレイナルトの顔を立てることにした。何しろ顔が真っ青で、これ以上詰め寄ると今にも死んでしまいそうだったから。
強硬策を取らずとも、明日になれば何の話をしていたのか、わかるのだ。屋敷をぐるりと一周して戻ろうと、書斎の前を通りがかったその時。
──書斎の扉が、開いていた。
この部屋の鍵は、私とカシウスしか持っていないはずなのに。勝手に誰かが入るのはありえないし、私はきちんと鍵をかけたはずだ。
そっと扉に近づいて、中の様子をうかがうと、いつもカシウスが座っていた椅子のところに、小さな人影が見えた。
「……だれ?」
私の問いかけに、小さな影は顔を上げた。月明かりに照らされたその子供は──カシウスにそっくりだった。やわらかい金の髪に、エメレット家の人間にだけ伝わるという、うっすら金がかった緑の瞳。
もちろん、カシウスではない。目の前の子供は、伸びた髪の毛を肩の上で切りそろえていて、簡素なワンピースを着ている。けれど、他人とは思えないほどに、そっくりだ。
「あなたは、誰……?」
息が苦しい。めまいがする。なんとか絞り出した私の問いかけに、少女はにこっと、屈託のない笑顔を向けた。
「このうちの子に、なりにきました!」
──もしかして、カシウスの、子供?
そう思った瞬間、目の前が真っ暗になった。
まるで走馬灯のように、子供の頃の夢を見ている。
……あれは、結婚式が終わって何度目の夜だっただろう。私たちは最初の二週間ぐらいは、一緒の寝室で過ごしていた。まだ子供の私たちに跡取りを作る行為は求められているはずもなく、ただ、形ばかりの夫婦として同じ部屋に居た。カシウスはそれが嫌だったのか、毎晩書斎にこもって勉強をしていて、私が起きている時間に床につくことはなかった。
『まだ、勉強がありますので。当家の歴史の話については、家庭教師にでもお聞きください』
彼は夜ごと、会話をねだる私にそう答えた。
『けれど、カシウス様』
『様はいりません。俺はあなたの夫ではなく、あなたの臣下です』
『臣下ではありません。私はこのエメレット家に嫁いだのです。家族の事を知りたいと思うのは、当然のことではありませんか』
妻にはなれないけれど、家族にはなれる。そう思っていた私は、あまりに無邪気だった。
両親からもう諦められた、いらない子だから、政略結婚には使えないから辺境に追いやられたのだと、思いたくない感情の押しつけがあった。
『……そう、思っているのは、あなただけです』
カシウスの苦々しい顔は今でもはっきり、きのうの事の様に思い出せる。彼は領地と引き換えに私と言う存在を押し付けられたのだ。私では、彼の孤独を埋めてあげることはできない。
私は、カシウスの家族にはなれないのだ……。
「……嫌な、夢」
目が覚めると、じっとりと寝汗をかいていた。人を呼ぼうと思ったけれど、廊下にいつも詰めているはずの見張りの侍女はいなかった。
屋敷はしんと静まりかえって、人の気配はない。
──せっかくだし、少し散歩でもしてみようか。
日中出歩いて、来客を迎えて、おまけに夢見が悪かったにも関わらず、妙に体が楽だった。体の中にいつも籠っている魔力が収まっているのだ。
その状態を少しでも楽しんでおきたくて、ひとり、書斎へと向かう。不思議なほどに静かな夜だ。窓からは妙に明るい月が私を見つめている。
「あら、レイナルト」
しばらく歩いていると、レイナルトが暗闇の中、壁に向かってぶつぶつと独り言を呟いているところに遭遇した。彼は私が声をかけると、急に正気に戻ったかのように私を見た。
「あ、あああああああああアリー様。どうされたのですか、このような夜中に。どこか痛みますか」
レイナルトの笑顔は引きつっていた。昼間から、ずっと彼の様子はおかしいし、エレノアは部屋にこもっていて、夕食の場に顔を出さなかった。
「いえ。夢を見てしまって、なんとなく散歩を。子供時代の……」
「子供っ!」
レイナルトは素っ頓狂な声をあげた。エレノアもそうだけれど、エメレット家は疫病のせいで通常より早く世代交代が進み、当主であるカシウスとともに探り探りで成長してきた。だから、皆一本気で真面目なのだけれど、考えている事がすぐに顔に出ると言うか……とにかく下手なのだ、腹芸が。
「エレノアの事は気にしなくていいのよ」
大方、私が急かしたせいで『今すぐにでも子供を作ってアリー様にお見せするのだ』などとエレノアに迫られたのだろう。
「そ、そ、そそそそそうですか。そう言っていただけると、このレイナルト、少しばかり肩の荷が……」
レイナルトはハンカチで額の汗をぬぐった。
「あなたはカシウスと、これからのエメレット領を担っていくのだから。自分の判断を信じてね。エレノアも一本気な所はあるけれど……話せば分かってくれるから」
私が持っていたランプの光に照らされて、レイナルトの顔に陰が差す。
「……自分が納得できないことを、相手に納得させるには、どうしたらいいでしょうか?」
「……? レイナルト、あなたが納得できないなら、きっとそれは正しくない事よ」
レイナルトはくしゃりと顔をゆがませた。失礼な言い方だけれど、飼い主の匂いが途絶えてしまって途方に暮れた犬、のような感じ。いつも気丈な、得てして無理をしてでも明るく振舞おうとする彼の、こんなに情けない表情を見るのは初めてだ。
「どうしたの、レイナルト……」
「殺せっ!!!!!!!」
ドアの向こうから、エレノアの怒りに滲んだ声が響き渡った。よくよく考えると、ここは会議に使う部屋の前だ。レイナルトに気を取られていたけれど、中に人はいるのだ。正しくは、屋敷中の皆が、ここに集まっていた。
「殺せ、とは不穏だわ」
エレノアは感情的なところはあるけれど、残忍な性格ではない。彼女が激怒するような事が、そうそうあるだろうか。
「あなたたち、一体何について話し合っているの?」
「な、なななななななんでもありません。使用人同士のいさかいゆえ」
レイナルトは先ほど汗をぬぐったにもかかわらず、全身に汗をびっしょりとかいていた。彼は本当に、嘘が下手なのだ。
「エレノアは私付きの侍女よ。彼女の話を聞いてあげる必要があるわ」
「いえ、いえ。アリー様には、全く無関係の話なのです」
がたんと、椅子が倒れる音がした。
「お前たち、この、恥知らずがっ! アリー様に、何と申し開きをすると言うのだ、このっ、このっ……バカにしおって! こんな侮辱があるか!」
そうこうしている間にも、エレノアの怒りは一向に収まる様子はない。しかも、私の名前まで出てきている。
「レイナルト!」
「明日、改めて、お話します。どうか、今はお引き取りを。お願いします、お願いいたします」
レイナルトは私の肩をぐいぐいと押した。彼が私の体に許可なく触れるのはよろめいたのを支える時ぐらいで、基本的にはしない。……つまり、彼は今、平常心ではないのだ。
「もう……」
話の内容は気になるが、ここはレイナルトの顔を立てることにした。何しろ顔が真っ青で、これ以上詰め寄ると今にも死んでしまいそうだったから。
強硬策を取らずとも、明日になれば何の話をしていたのか、わかるのだ。屋敷をぐるりと一周して戻ろうと、書斎の前を通りがかったその時。
──書斎の扉が、開いていた。
この部屋の鍵は、私とカシウスしか持っていないはずなのに。勝手に誰かが入るのはありえないし、私はきちんと鍵をかけたはずだ。
そっと扉に近づいて、中の様子をうかがうと、いつもカシウスが座っていた椅子のところに、小さな人影が見えた。
「……だれ?」
私の問いかけに、小さな影は顔を上げた。月明かりに照らされたその子供は──カシウスにそっくりだった。やわらかい金の髪に、エメレット家の人間にだけ伝わるという、うっすら金がかった緑の瞳。
もちろん、カシウスではない。目の前の子供は、伸びた髪の毛を肩の上で切りそろえていて、簡素なワンピースを着ている。けれど、他人とは思えないほどに、そっくりだ。
「あなたは、誰……?」
息が苦しい。めまいがする。なんとか絞り出した私の問いかけに、少女はにこっと、屈託のない笑顔を向けた。
「このうちの子に、なりにきました!」
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