147 / 169
第1章
第147話《ひなと何やら確執があるらしいシマちゃん》
しおりを挟む
「さてさて、楽しいお絵描きも終った事だし、僕たちもオムライスを食べよっか♬いっただきまぁす!」
「いただきます!」
やたら上機嫌のシマちゃんがパンと手を合わせていただきますをしたので、俺もそれに倣って手を合わせ、オムライスに手を付ける。
「わ~美味しいね!俺、この味付けすごい好みかも…!ね?巧斗さん!美味しいよね?……?巧斗さん?」
あまりに美味しいオムライスにテンションが上がって、隣にいる巧斗さんにも話を振ると、彼は目の前のケチャップまみれのオムライスを見つめては、すう~~と深呼吸して眉間を抑えていた。
(え…本当にどうしたんだろう。アメーバオムライス…やっぱり食べるの嫌だったりする…?)
「ぶふっw…あ~、すずめちゃん、鷲ノ宮さんは今自分と戦ってるみたいだからそっとしておいてあげて♬てか、それより僕と沢山お話しようよ~♪」
「う、うん…そうだね?えっと、じゃぁ、そうだ!オメコンの話なんだけど、今どんな感じ?順調?」
「勿論順調♡…って言いたい所だけど、朝のリハーサルで急に最終審査について予定変更だって言われちゃってさぁ。やんなっちゃうよねぇホント。」
シマちゃんの言う通りに巧斗さんの事は一旦置いておいて、話題をオメコンに切り替えて聞いてみると、シマちゃんは肩をすくめ、頬をふくらませながら愚痴をこぼした。
「!ああ…やっぱり…?」
「?やっぱりって、事はすずめちゃんもこうなることを予想してたの?」
俺の反応が薄いことにシマちゃんが、首を傾げながらきょとんとした顔でこちらを見てくる。
「まあ、ミスターコンの方でも突然のルール変更があったらしいからね…。なんでも採点基準が変わるんだって。どうせオメコンもそんな感じでしょ?」
「ん~採点基準かぁ。それだけだったらまだよかったんだけど、こっちはコンテストのお題ごと変わっちゃったんだよねぇ。」
「ええ!?お題変更…??!それってかなり酷くない?皆最終審査に向けて準備してたのに…」
予想外に酷い変更内容に俺は目を丸くした。
最終審査当日にまさかのお題変更…こんなことをされては、他の参加者もたまったものじゃないだろう。
「そうなんだよ~!僕だって準備バッチリだったのに、急にスポンサーの手先みたいな奴がヘラヘラとやってきて、
『今回は優勝賞品が超有名芸能事務所のスカウトだと言う事で、急ではありますが芸能に関係のあるお題に替えたいと思いま~す!!』
…だとかなんとかふざけた事を抜かやがっ…抜かしちゃってさ…。酷いよね!?」
シマちゃんはぷくっと頬をふくらませ、怒りを滲ませた声を漏らす。
「うん…でも、そんな事したら今から準備出来ない出場者もいるよね…?そうなったらもうコンテストとして破綻しちゃうし、ブーイングが怒るんじゃないかな?」
「そう思うでしょ~?でも、新しいお題が『【アドリブ】演技力対決!!』だなんて言われたら中々文句も言えないよね…。まぁ実際スポンサーの手先の胸倉ひっ掴んでハチャメチャに言ったんだけどさ。」
(言ったんだ…。)
流石はシマちゃんだ。あの権力の犬なダメ司会者を一瞬でも従わせただけのことはある。
「全く…元々の最終審査のお題は僕の得意な『お料理対決♡』だったのに…あれ絶対ひなちゃんへの忖度だよねぇ。あの子全然料理出来ないし…。」
「まぁ俺もそう思う…。ってなんでひなちゃんが料理出来ない事知ってるの?!」
当然のようにひなが料理下手な事を知っているシマちゃんに思わず大声で質問してしまう。
(やっぱり、ひなとシマちゃんって、元々知り合いだったのか?)
思えば、ひなはシマちゃんの事を先輩だの年増だのと言っていたし、シマちゃんのひなに対する謎の憎悪も気になっていたところだ。
「そりゃ知ってるよ~。だって去年まであの子と一緒のサークルに入ってたんだもん。ま、《何故か》今年になって突然テニサーのマネージャーになったらしいけど?」
「え!そうだったんだ?知らなかった…。…それで一緒のサークルの時はどんな感じだったの??」
俺が興味津々な目でオムライスを食べる手を止めると、シマちゃんはむすくれた顔で忌々し気にひなとの確執について話し始めた。
「いただきます!」
やたら上機嫌のシマちゃんがパンと手を合わせていただきますをしたので、俺もそれに倣って手を合わせ、オムライスに手を付ける。
「わ~美味しいね!俺、この味付けすごい好みかも…!ね?巧斗さん!美味しいよね?……?巧斗さん?」
あまりに美味しいオムライスにテンションが上がって、隣にいる巧斗さんにも話を振ると、彼は目の前のケチャップまみれのオムライスを見つめては、すう~~と深呼吸して眉間を抑えていた。
(え…本当にどうしたんだろう。アメーバオムライス…やっぱり食べるの嫌だったりする…?)
「ぶふっw…あ~、すずめちゃん、鷲ノ宮さんは今自分と戦ってるみたいだからそっとしておいてあげて♬てか、それより僕と沢山お話しようよ~♪」
「う、うん…そうだね?えっと、じゃぁ、そうだ!オメコンの話なんだけど、今どんな感じ?順調?」
「勿論順調♡…って言いたい所だけど、朝のリハーサルで急に最終審査について予定変更だって言われちゃってさぁ。やんなっちゃうよねぇホント。」
シマちゃんの言う通りに巧斗さんの事は一旦置いておいて、話題をオメコンに切り替えて聞いてみると、シマちゃんは肩をすくめ、頬をふくらませながら愚痴をこぼした。
「!ああ…やっぱり…?」
「?やっぱりって、事はすずめちゃんもこうなることを予想してたの?」
俺の反応が薄いことにシマちゃんが、首を傾げながらきょとんとした顔でこちらを見てくる。
「まあ、ミスターコンの方でも突然のルール変更があったらしいからね…。なんでも採点基準が変わるんだって。どうせオメコンもそんな感じでしょ?」
「ん~採点基準かぁ。それだけだったらまだよかったんだけど、こっちはコンテストのお題ごと変わっちゃったんだよねぇ。」
「ええ!?お題変更…??!それってかなり酷くない?皆最終審査に向けて準備してたのに…」
予想外に酷い変更内容に俺は目を丸くした。
最終審査当日にまさかのお題変更…こんなことをされては、他の参加者もたまったものじゃないだろう。
「そうなんだよ~!僕だって準備バッチリだったのに、急にスポンサーの手先みたいな奴がヘラヘラとやってきて、
『今回は優勝賞品が超有名芸能事務所のスカウトだと言う事で、急ではありますが芸能に関係のあるお題に替えたいと思いま~す!!』
…だとかなんとかふざけた事を抜かやがっ…抜かしちゃってさ…。酷いよね!?」
シマちゃんはぷくっと頬をふくらませ、怒りを滲ませた声を漏らす。
「うん…でも、そんな事したら今から準備出来ない出場者もいるよね…?そうなったらもうコンテストとして破綻しちゃうし、ブーイングが怒るんじゃないかな?」
「そう思うでしょ~?でも、新しいお題が『【アドリブ】演技力対決!!』だなんて言われたら中々文句も言えないよね…。まぁ実際スポンサーの手先の胸倉ひっ掴んでハチャメチャに言ったんだけどさ。」
(言ったんだ…。)
流石はシマちゃんだ。あの権力の犬なダメ司会者を一瞬でも従わせただけのことはある。
「全く…元々の最終審査のお題は僕の得意な『お料理対決♡』だったのに…あれ絶対ひなちゃんへの忖度だよねぇ。あの子全然料理出来ないし…。」
「まぁ俺もそう思う…。ってなんでひなちゃんが料理出来ない事知ってるの?!」
当然のようにひなが料理下手な事を知っているシマちゃんに思わず大声で質問してしまう。
(やっぱり、ひなとシマちゃんって、元々知り合いだったのか?)
思えば、ひなはシマちゃんの事を先輩だの年増だのと言っていたし、シマちゃんのひなに対する謎の憎悪も気になっていたところだ。
「そりゃ知ってるよ~。だって去年まであの子と一緒のサークルに入ってたんだもん。ま、《何故か》今年になって突然テニサーのマネージャーになったらしいけど?」
「え!そうだったんだ?知らなかった…。…それで一緒のサークルの時はどんな感じだったの??」
俺が興味津々な目でオムライスを食べる手を止めると、シマちゃんはむすくれた顔で忌々し気にひなとの確執について話し始めた。
1,906
お気に入りに追加
3,660
あなたにおすすめの小説
十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる