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第1章
第121話《つばめの全力キューピット宣言》
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つばめのあまりの態度の急変具合に逆に困惑した俺は、兄に小声で経緯を聞いてみた。
『ねぇ、お兄ちゃん…俺が電話している間に一体何があったの?』
『いや…それが俺もよく分からないんだよなぁ。
すずめが電話しに席を外した後、つばめの奴がいきなり鷲ノ宮さんにメンチ切りはじめて、
《貴方みたいな得体のしれない人にうちの大事なすずめちゃんは絶対に渡さないからね!少しでも手を出そうものなら全力で邪魔してやるんだから!》
…だとか急に訳わかんねぇ失礼な事を言い出してよ…。
そんで、俺が注意しようと思ったら一足先に鷲ノ宮さんが、
《少しでもすずめと一緒にいられればそれだけでいいのですが…どうしても駄目ですか…?》
って悲しそうに言いながらつばめに一歩近づいて、サングラスを外したんだよ。
俺の立ち位置からはギリ後ろ姿しか見えなかったんだけどさ、つばめが鷲ノ宮さんの目を見て、それから二人でごにょごょとなにやら小声で会話した途端、
《うち、すずめちゃんと鷲ノ宮さんの仲を応援するキューピットになる!》
…だとかなんとか大声で宣言し始めて……今に至るっつう訳だ。』
『あはは、そうなんだ…。話してくれてありがとう。』
(ほぼ予想通りだな…。…つばめが巧斗さんに俺と仲良くするように無理に迫らなければいいけど。)
まぁ、なんだかんだつばめはちゃんと空気も相手の表情も読める子なのでそこら辺の心配はいらないか。
それにしても現金な妹め…と思いながらつばめに視線を送ると、俺が兄と話している間にも、つばめはちゃっかり持参していたらしい日記帳の表紙に巧斗さんのサインを貰っていて、これまた見事なほくほく顔を晒していた。
「つばめ?巧斗さんにサインなんて貰ってどうしたの?」
俺がつばめに近づいて肩にポンと手を置くと、妹は絵に描いたようにビクッ!として日記帳を後ろに隠した。
「あわっ!いや~、えへへ…。鷲ノ宮さんがあまりにも人間が出来た人だったから感銘を受けちゃって、いつか大物になるかもと思ってサインを貰っただけだよ~♪」
(いやいや!俺の通話中のたった数分の間に、そんな感銘を受ける程の会話出来ないだろ!)
なんなら今、日記帳に鷲田タクトって書いてる所が綺麗に見えたんけど…
まぁ何故か妹も巧斗さんの正体を知った事を俺に隠したがってるし、見なかったことにしておくか。
「…ほんとにー?」
「マ、マジマジ~!うちほんとに純粋に鷲ノ宮さんの人間性だけを見て、すずめちゃんの運命の相手だって思ってるだけだからね!もうこの人なら100%すずめちゃんを幸せにしてくれる!って確信してるから!あの~ほらアレ、乙女の勘ってやつで!!」
「ふふ。ありがとうございます。つばめさんにそこまで言っていただけるなんて光栄ですよ。」
「えへへ♫本心だからね~!」
冗談めかして疑いの言葉をかけると、手をバタバタさせて俺と巧斗さんの仲を取り持とうとしてくる。
大方つばめは、最推しが義兄になるかもという希望を持って、俺と巧斗さんをくっつけようとしているのだろうけど、流石にそんな事は100%有り得ないからな。
(まぁ、巧斗さんも話を合わせてくれているし、つばめの夢を壊すのも悪いから俺も適度に話に乗っておこう。)
「でも、確かにつばめがそこまで言うなら相性いいのかも。俺も巧斗さんみたいな素敵で紳士な人が彼氏だったら幸せだろうなって思うもん。」
心の中で、(まぁ、現実の俺の彼氏はあの例の浮気カスなんけどな…)という自嘲を混ぜながらそう言うと、案の定つばめが目をきらきらさせてこちらを見てきた。
「!!ほんとに!?やったね巧斗さん!!すずめちゃん、巧斗さんの事を彼氏にしたい♡って♪」
(え!?いやいや、流石にそこまでは言ってないぞ!)
そういう意図は無かったのだが、まるで告白でもしたかのような雰囲気になってしまって、思わず顔が熱くなる。
そして、巧斗さんに助けを求めるように視線を送ると、丁度彼も俺の方を見ていたため、バチっと目が合ってしまった。
『ねぇ、お兄ちゃん…俺が電話している間に一体何があったの?』
『いや…それが俺もよく分からないんだよなぁ。
すずめが電話しに席を外した後、つばめの奴がいきなり鷲ノ宮さんにメンチ切りはじめて、
《貴方みたいな得体のしれない人にうちの大事なすずめちゃんは絶対に渡さないからね!少しでも手を出そうものなら全力で邪魔してやるんだから!》
…だとか急に訳わかんねぇ失礼な事を言い出してよ…。
そんで、俺が注意しようと思ったら一足先に鷲ノ宮さんが、
《少しでもすずめと一緒にいられればそれだけでいいのですが…どうしても駄目ですか…?》
って悲しそうに言いながらつばめに一歩近づいて、サングラスを外したんだよ。
俺の立ち位置からはギリ後ろ姿しか見えなかったんだけどさ、つばめが鷲ノ宮さんの目を見て、それから二人でごにょごょとなにやら小声で会話した途端、
《うち、すずめちゃんと鷲ノ宮さんの仲を応援するキューピットになる!》
…だとかなんとか大声で宣言し始めて……今に至るっつう訳だ。』
『あはは、そうなんだ…。話してくれてありがとう。』
(ほぼ予想通りだな…。…つばめが巧斗さんに俺と仲良くするように無理に迫らなければいいけど。)
まぁ、なんだかんだつばめはちゃんと空気も相手の表情も読める子なのでそこら辺の心配はいらないか。
それにしても現金な妹め…と思いながらつばめに視線を送ると、俺が兄と話している間にも、つばめはちゃっかり持参していたらしい日記帳の表紙に巧斗さんのサインを貰っていて、これまた見事なほくほく顔を晒していた。
「つばめ?巧斗さんにサインなんて貰ってどうしたの?」
俺がつばめに近づいて肩にポンと手を置くと、妹は絵に描いたようにビクッ!として日記帳を後ろに隠した。
「あわっ!いや~、えへへ…。鷲ノ宮さんがあまりにも人間が出来た人だったから感銘を受けちゃって、いつか大物になるかもと思ってサインを貰っただけだよ~♪」
(いやいや!俺の通話中のたった数分の間に、そんな感銘を受ける程の会話出来ないだろ!)
なんなら今、日記帳に鷲田タクトって書いてる所が綺麗に見えたんけど…
まぁ何故か妹も巧斗さんの正体を知った事を俺に隠したがってるし、見なかったことにしておくか。
「…ほんとにー?」
「マ、マジマジ~!うちほんとに純粋に鷲ノ宮さんの人間性だけを見て、すずめちゃんの運命の相手だって思ってるだけだからね!もうこの人なら100%すずめちゃんを幸せにしてくれる!って確信してるから!あの~ほらアレ、乙女の勘ってやつで!!」
「ふふ。ありがとうございます。つばめさんにそこまで言っていただけるなんて光栄ですよ。」
「えへへ♫本心だからね~!」
冗談めかして疑いの言葉をかけると、手をバタバタさせて俺と巧斗さんの仲を取り持とうとしてくる。
大方つばめは、最推しが義兄になるかもという希望を持って、俺と巧斗さんをくっつけようとしているのだろうけど、流石にそんな事は100%有り得ないからな。
(まぁ、巧斗さんも話を合わせてくれているし、つばめの夢を壊すのも悪いから俺も適度に話に乗っておこう。)
「でも、確かにつばめがそこまで言うなら相性いいのかも。俺も巧斗さんみたいな素敵で紳士な人が彼氏だったら幸せだろうなって思うもん。」
心の中で、(まぁ、現実の俺の彼氏はあの例の浮気カスなんけどな…)という自嘲を混ぜながらそう言うと、案の定つばめが目をきらきらさせてこちらを見てきた。
「!!ほんとに!?やったね巧斗さん!!すずめちゃん、巧斗さんの事を彼氏にしたい♡って♪」
(え!?いやいや、流石にそこまでは言ってないぞ!)
そういう意図は無かったのだが、まるで告白でもしたかのような雰囲気になってしまって、思わず顔が熱くなる。
そして、巧斗さんに助けを求めるように視線を送ると、丁度彼も俺の方を見ていたため、バチっと目が合ってしまった。
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