浮気αと絶許Ω~裏切りに激怒したオメガの復讐~

飴雨あめ

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第1章

第69話《オメコン第一次審査終了》

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「~以上を持ちまして採点タイム終了となります!この後は引き続き第二次審査に移りますが、 一次審査と同じく10分の時間を取りますので、出場者の方は準備の方を、会場の皆様はお手洗いやその他ご休憩など、各自お取りいただいて構いません。 それではまた10分後にお会いしましょう!」

ひなのアップがモニターにしばらく映った後、第一次審査終了のアナウンスを告げた司会者が舞台袖に下がる。


(おっと、ぼーっと見てる場合じゃないな。
俺も早い所投票用紙に第一次審査の点数を書きこまないと。)

まぁとりあえずひなには当然0点を入れるとして、シマちゃんに10点満点、他の出場者の人には平等に5点ずつ入れておこう。


「はぁ~!なんだかんだ楽しかったなぁ!シマちゃんも綺麗だったし!司会とひなちゃんに関してはムカつきの方が大きいけど。司会は言わずもがなだとして、ひなちゃんはなんなの?すずめちゃんの真似っこなんかしちゃってさー。感じわるー。」

つばめも採点が終わったらしく軽く背伸びをしながら、司会とひなの愚痴をこぼし始めた。
(ぐっ、やばい…、またつばめがひなに対して懐疑心を持ち始めてる…。)

「た、たまたま被っちゃっただけじゃないかな?偶然だと思うよ。」
「うーん…、まぁそういわれたらそうかもだけど…なんか、ね。……ひなちゃんに関してはちょっと後で詳しい話聞かせて。」

「う、うん…」


つばめが珍しくちょっと強めの語気で俺に圧をかけてくる。

…これはもうひなと俺の仲が破綻している事がバレてるな…。
まぁ、ひなの方から俺に対して敵意を持ち始めた以上、仕方ないか。

後でちゃんと浮気の件は除いてフェイクも交えながら経緯を説明して、口外はしないようにお願いしておこう…。



◇◇◇



「それでは時間になりましたので、これより第二次審査に移りたいと思います!」


つばめと会話をしていたらいつの間にか10分が経過していたようで、例の司会が第二次審査開幕のアナウンスをはじめた。



「今回の審査のテーマは《愛する彼に逆プロポーズ大作戦♡》!なんでもこちらのテーマは毎年恒例らしく、〇×大学における伝統行事なのだとか!いやはや、楽しみですね!」

司会が第二次審査のテーマを高らかに告げると、会場からはまばらに大きい歓声と拍手が聞こえてくる。


『キタキタキタ~!!!これを待ってたんだよ~!』
『ほとんどの出場者のΩってこの審査を通して正式に番になるんだって~!ロマンだよね~!』
『オメコンで告白成功したら一生幸せになれるって言われてるもんね。』
『え!じゃぁ僕も出たかったー。来年エントリーしようかなぁ…。』

『去年は審査中にキスまでしたカップルいたよね?!』
『きゃードラマっチック~!』


どうやら、この審査を心から楽しみしていた層がいるようで、一部の観客は熱狂的に盛り上がっている。
テンションが高い観客は皆チョーカーをはめているので、ざっと見た感じではΩに大人気の審査のようだ。

(あまりよく分からないけど、多分恋愛ドラマを見てる感覚なんだろうな。)

確か、今高視聴率で話題の鷲田さん主演のドラマもαとΩの恋愛ものだったよな。
この審査もそれと一緒でΩ側に感情移入してみると楽しいものなのかもしれない。



『なーんかさぁ、α自慢大会って感じで嫌だよね…。』
『出場者本人たちは全然悪くないんだけどねぇ。』
『わかるー。僕の私のαカッコいいでしょって副音声が聞こえてきてしまうっていうか…。』

『皆の番相手誰なんだろうね。まぁどうせ皆こぞってハイスペックαなんだろうけど。』
『そうだよなぁ…結局どれだけ応援しても、シマちゃんもひなちゃんもきっと良いαの相手がいるんだよなぁ…。』
『なんつーか、俺らβには程遠い世界っつーか、疎外感感じるわ。』
『ハイスペリア充たちのイチャコラを見せつけられるだけの伝統行事きちぃよ、マジで…。』


一方それとは逆に、β男性やβ女性からは微妙に不評のようで、四方八方から不満そうな声も耳に入ってくる。
会場内はβ客が殆どなのもあって第一審査と比べると若干会場内の雰囲気は盛り上がりに欠けているようだ。


(あらら、全体的にみると不評なのか…。…なんでこれが毎年恒例行事なんだろう?)
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