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第1章
第37話《ミスターコンテスト開幕!》
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「すずめは優しいから頼み事をされて断れなかったんだろうけど、今度こういう事があったらちゃんと僕に相談すること。いいね?…あ、君相田君…だっけ?思い出作り頑張ってね。」
総一郎は俺の額をつんと押した後、相田君に見下したような目を向け、控室の奥に帰っていった。
「あ、ちょっと総君待ってよぉー。」
わざとらしい猫撫で声をあげながらひなも総一郎につづく。
(まさか俺が口を挟む隙すら与えないとは…隠し事をされた事に相当不機嫌みたいだ。)
本当に何から何まで、お前が言うな案件だけど。
「相田君…実はさっきの人、俺の彼氏なんだけど酷い態度でごめんね…。」
握手を無視された事で不思議そうに総一郎の方向を見ている相田君に、酷く申し訳なくなりひそひそ声で相田君に頭を下げる。
「なんと!義兄さんの彼氏さんだったとは!ってことは将来彼も義兄になるかもしれないってことっすか!」
「う、うん…。」
「なーに!気にすることないっすよ!あの態度も絶対ヤキモチ焼いてるだけっすから!!」
相田君が俺を元気づけようと笑顔で背中をバシッと叩く。
(絶対そんな訳はないけど、相田君がポジティブなタフガイで良かった。)
◇◇◇
「出場者のみなさーん。もうすぐコンテストが始まりますので、ステージ横の控えスペースまで来てください!」
そうこうやり取りをしているうちにコンテストのスタッフが出場者達を呼びに来た。
「とうとうキタっすね!俺頑張ってくるっす!まずは自己紹介でバシッと決めてくるっす!!」
「うん!絶対優勝しよう。頑張ってね!!」
「はいっす!!」
最後にエールを送りあうと、相田君や他の出場者が一足先にステージに向かう。
「第一審査の花嫁役の皆さんは後ろからの入場になりますので、体育館の入り口付近でお待ちください。」
対して、俺達花嫁役のエキストラはスタッフに誘導されるまま、体育館の入り口の空きスペースにて待機することになった。
(やっと始まる…!)
そして体育館の時計がとうとうコンテスト開始時間の13時40分を指したのだった。
◇◇◇
俺達が体育館入口のスペースに到着して、体育館の中の様子を見てみると、客席は既にほぼ満員状態だった。
(文化祭の一大イベントとはいえ流石にこの量の席が埋まるはずがないだろうと高を括っていたけど、まさかここまでとは…。後ろからざっと会場を見た感じ、やはり女性客が多いな…。)
β男性客は、3割位いればいい方か?想定より若干少ないな。
「さぁて、やってまいりました!第42回〇×大学ミスターコンテスト開幕でーーす!!
出場者の皆様の入場を拍手でお出迎えくださーい!!」
ステージ上の司会がマイクを片手にそう叫ぶと体育館の照明が一気に暗くなり、ステージだけがライトアップされた。
『『『きゃぁーーーーーーッ!!!』』』
司会の声にあわせてステージ上にあがる出場者たちに興奮した観客たちの黄色い声が会場中に響き渡る。
「皆様、素晴らしい歓声と拍手をありがとうございます!!それでは最初にわたくしめの方から軽く出場者の皆様をご紹介させていただきましょう!…あ!この後ちゃんと出場者による自己紹介タイムもありますのでご安心を!…まずはエントリーナンバー1番!!経済学部3年鶴橋彰!甘いハニーフェイスが魅惑的なスパダリα!大学生でありながら読者モデルとしても活躍中で…」
あらかた歓声が落ち着いたころに、司会が出場者についての軽い紹介を始める。
(一人目から読モって戦々恐々だな…。鶴橋…うーん検索してもあんまり結果が出てこないし、まだ無名か。)
俺は白無垢の袖に収納しているスマホで一人目の出場者の名前を検索する。
もし有名人でファンが多いなら、万が一相田君が負けた時に代わりに優勝する可能性があるかもと期待したのだが、そう上手くはいかないか。
「続いてはエントリーナンバー2番、相田長介!このコンテスト唯一のβ!とにかくデカい!…続いては~」
(相田君の紹介それだけ!?)
ネタ枠にしても、あまりにも紹介が短いし、誉め言葉もない。
『βだってw』
『あはは、頑張れー!』
『迫力は一番あるけどねwww』
『一人だけ作画違ってて草』
会場からは笑い声が聞こえてくる。いじりの一環だとしても、身内としては良い気持ちがしない。
ひなを含めた花嫁役のエキストラからもくすくすと笑い声が聞こえる。
相田君は一切気にしてないようで堂々と仁王立ちしているが、さっきの総一郎の態度といい、今の扱いといい、流石に可哀そうだ。
(相田君!屈辱なのも今だけだから見返してやろう…!)
つばめも彼氏が出場するコンテストの思い出がこれじゃ良い気はしないだろう。
(これは万が一負けたらとか言ってられないな。何が何でも絶対相田君に勝たせるぞ!)
◇◇◇
『…~続いてはエントリーナンバー7番、鷹崎総一郎様!不動の優勝候補!圧倒的なハイスペックなα様!なんと彼は……あの鷹崎グループ株式会社の御曹司です!』
総一郎の紹介が始まると、どよっと会場がざわつく。
情報の通り、総一郎の実家は日本でも有数な大企業で彼はその3男坊である。
一応、跡取りではないように見えるが、兄二人がどちらともβとのことで、総取締役の父親は総一郎に後を継がせたいと言っているのだそうだ。
『見てみて、総一郎様だよ!』
『きゃああああぁぁぁかっこいぃーー!!』
『キリっとした出で立ちに余裕のある表情…大企業の次期社長のオーラを感じるよね~~!!』
『正直他のと比べて顔面偏差値がレベチすぎ!!』
あまりの大物ぶりと顔の良さに観客のテンションボルテージは急上昇である。
司会者のテンションも上々でまだ審査も始まってないのに、つらつらと総一郎を称えまくっている。
(なんかやな感じだ。こんなに紹介に差があると不公平だな…。)
総一郎は俺の額をつんと押した後、相田君に見下したような目を向け、控室の奥に帰っていった。
「あ、ちょっと総君待ってよぉー。」
わざとらしい猫撫で声をあげながらひなも総一郎につづく。
(まさか俺が口を挟む隙すら与えないとは…隠し事をされた事に相当不機嫌みたいだ。)
本当に何から何まで、お前が言うな案件だけど。
「相田君…実はさっきの人、俺の彼氏なんだけど酷い態度でごめんね…。」
握手を無視された事で不思議そうに総一郎の方向を見ている相田君に、酷く申し訳なくなりひそひそ声で相田君に頭を下げる。
「なんと!義兄さんの彼氏さんだったとは!ってことは将来彼も義兄になるかもしれないってことっすか!」
「う、うん…。」
「なーに!気にすることないっすよ!あの態度も絶対ヤキモチ焼いてるだけっすから!!」
相田君が俺を元気づけようと笑顔で背中をバシッと叩く。
(絶対そんな訳はないけど、相田君がポジティブなタフガイで良かった。)
◇◇◇
「出場者のみなさーん。もうすぐコンテストが始まりますので、ステージ横の控えスペースまで来てください!」
そうこうやり取りをしているうちにコンテストのスタッフが出場者達を呼びに来た。
「とうとうキタっすね!俺頑張ってくるっす!まずは自己紹介でバシッと決めてくるっす!!」
「うん!絶対優勝しよう。頑張ってね!!」
「はいっす!!」
最後にエールを送りあうと、相田君や他の出場者が一足先にステージに向かう。
「第一審査の花嫁役の皆さんは後ろからの入場になりますので、体育館の入り口付近でお待ちください。」
対して、俺達花嫁役のエキストラはスタッフに誘導されるまま、体育館の入り口の空きスペースにて待機することになった。
(やっと始まる…!)
そして体育館の時計がとうとうコンテスト開始時間の13時40分を指したのだった。
◇◇◇
俺達が体育館入口のスペースに到着して、体育館の中の様子を見てみると、客席は既にほぼ満員状態だった。
(文化祭の一大イベントとはいえ流石にこの量の席が埋まるはずがないだろうと高を括っていたけど、まさかここまでとは…。後ろからざっと会場を見た感じ、やはり女性客が多いな…。)
β男性客は、3割位いればいい方か?想定より若干少ないな。
「さぁて、やってまいりました!第42回〇×大学ミスターコンテスト開幕でーーす!!
出場者の皆様の入場を拍手でお出迎えくださーい!!」
ステージ上の司会がマイクを片手にそう叫ぶと体育館の照明が一気に暗くなり、ステージだけがライトアップされた。
『『『きゃぁーーーーーーッ!!!』』』
司会の声にあわせてステージ上にあがる出場者たちに興奮した観客たちの黄色い声が会場中に響き渡る。
「皆様、素晴らしい歓声と拍手をありがとうございます!!それでは最初にわたくしめの方から軽く出場者の皆様をご紹介させていただきましょう!…あ!この後ちゃんと出場者による自己紹介タイムもありますのでご安心を!…まずはエントリーナンバー1番!!経済学部3年鶴橋彰!甘いハニーフェイスが魅惑的なスパダリα!大学生でありながら読者モデルとしても活躍中で…」
あらかた歓声が落ち着いたころに、司会が出場者についての軽い紹介を始める。
(一人目から読モって戦々恐々だな…。鶴橋…うーん検索してもあんまり結果が出てこないし、まだ無名か。)
俺は白無垢の袖に収納しているスマホで一人目の出場者の名前を検索する。
もし有名人でファンが多いなら、万が一相田君が負けた時に代わりに優勝する可能性があるかもと期待したのだが、そう上手くはいかないか。
「続いてはエントリーナンバー2番、相田長介!このコンテスト唯一のβ!とにかくデカい!…続いては~」
(相田君の紹介それだけ!?)
ネタ枠にしても、あまりにも紹介が短いし、誉め言葉もない。
『βだってw』
『あはは、頑張れー!』
『迫力は一番あるけどねwww』
『一人だけ作画違ってて草』
会場からは笑い声が聞こえてくる。いじりの一環だとしても、身内としては良い気持ちがしない。
ひなを含めた花嫁役のエキストラからもくすくすと笑い声が聞こえる。
相田君は一切気にしてないようで堂々と仁王立ちしているが、さっきの総一郎の態度といい、今の扱いといい、流石に可哀そうだ。
(相田君!屈辱なのも今だけだから見返してやろう…!)
つばめも彼氏が出場するコンテストの思い出がこれじゃ良い気はしないだろう。
(これは万が一負けたらとか言ってられないな。何が何でも絶対相田君に勝たせるぞ!)
◇◇◇
『…~続いてはエントリーナンバー7番、鷹崎総一郎様!不動の優勝候補!圧倒的なハイスペックなα様!なんと彼は……あの鷹崎グループ株式会社の御曹司です!』
総一郎の紹介が始まると、どよっと会場がざわつく。
情報の通り、総一郎の実家は日本でも有数な大企業で彼はその3男坊である。
一応、跡取りではないように見えるが、兄二人がどちらともβとのことで、総取締役の父親は総一郎に後を継がせたいと言っているのだそうだ。
『見てみて、総一郎様だよ!』
『きゃああああぁぁぁかっこいぃーー!!』
『キリっとした出で立ちに余裕のある表情…大企業の次期社長のオーラを感じるよね~~!!』
『正直他のと比べて顔面偏差値がレベチすぎ!!』
あまりの大物ぶりと顔の良さに観客のテンションボルテージは急上昇である。
司会者のテンションも上々でまだ審査も始まってないのに、つらつらと総一郎を称えまくっている。
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