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24話 つい頬が緩む
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つぐみさんと出会ってからまだ一年も経っていないということを考えると、わたしの恋愛はまさに順風満帆であると断言できる。
つい先日だって、つぐみさんを家に招いて思う存分イチャイチャしたし、夜にはクリスマス以来久しぶりに甘く熱い最高のひと時を堪能した。
二度目とはいえリードできるほどの余裕は持てなかったけど、つぐみさんの初々しい反応がなんともかわいらしく、目を閉じれば声も姿も鮮明に思い浮かべられる。
「うぇへへ……じゅるり」
休み時間になり一足先に廊下でつぐみさんを待つ間に、自分だけが見ることを許された彼女の艶姿を脳内に描き出す。
その結果、とてつもない幸福感と高揚感を得られたものの、気持ち悪い笑いが漏れてしまった。
慌ててよだれを拭いつつ、現実に帰還する。
「お待たせ。今日は朝から暖かいねっ」
「つ、つぐみさんっ。そうですね、春が近い感じがします」
不意打ち気味な登場に少しばかり焦ってしまったけど、どうにか取り乱さずに済んだ。
「ところで美夢ちゃん。さっき嬉しそうな顔してたけど、なにかいいことあったの?」
み、見られてた……!
気持ち悪かったと言われなかったのが、不幸中の幸いだ。
とはいえ、どう答えるべきか。
――つぐみさんとのエッチを思い浮かべて、気付いたらニヤニヤしちゃってました。
ダメだ、とてもじゃないけど廊下で話していい内容じゃない。
嘘はつきたくないけど、正直に言うのもはばかられる。
「せ、先日のデート、たくさん話したり触れ合ったりできて楽しかったので、思い出しただけで頬が緩んでしまったんです」
よし、完璧だ。
紛れもない事実だけを述べつつも、隠すべきところはしっかりと隠せている。
「確かに、すっごく楽しかったよね。また近いうちに遊びたいな~」
「わたしはいつでも大歓迎ですよ。できることなら四六時中一緒に――あっ、でも、それだとつぐみさんにベタベタしすぎて、ウザいって思われちゃうかもしれませんね」
この前も部屋に招いた際に二人きりなのをいいことに密着し続け、おしゃべり中にさりげなく腕を組んだり、ことあるごとにスキンシップを図った。
「ウザいだなんて思わないよ。それどころか、嬉しすぎて騒いじゃうかも」
「その言葉、忘れないでくださいね? 普段は二人きりの時間をあまり取れませんから、デートの時は思う存分ベッタベタに甘えて、めちゃくちゃにしちゃいますよ」
勢い余って、最後にとんでもないことを口走ってしまった。
直接的な言葉を使っていないため、無垢なつぐみさんは「めちゃくちゃ?」と少し不思議そうにしている。
「よく分からないけど、美夢ちゃんにならたくさん甘えてほしいし、めちゃくちゃにもしてほしいっ」
屈託のない笑顔を浮かべるつぐみさんの純粋さに、心が浄化されるような感覚を味わった。
「その代わり、わたしも美夢ちゃんに甘えさせてもらうし、めちゃくちゃにもさせてもらうからね」
続け様に告げられた言葉は、わたしの劣情を煽るのに充分すぎる効果を示す。
つぐみさんが、わたしのことをめちゃくちゃにしてくれる。
ぎこちなさの残る手付きで慈しむように愛撫してくれる優しいつぐみさんが、少し乱暴なぐらいの力強さでわたしの胸をガシッと鷲掴みにして揉みしだきながら濃厚なキスを……っ!?
具体的なシチュエーションとハッキリとしたイメージが脳内に浮かぶまで、一秒もかからなかった。
「つぐみさん、ぜひお願いします。それと、わたしの方から少しばかり提案があるんですけど――」
わたしは神妙な面持ちで、先ほど瞬時に構築した妄想を事細かに語る。
案の定、つぐみさんは『めちゃくちゃにする』という言葉に秘められた意味をよく分かっていなかった。
提案として語り聞かされる妄想に照れて顔を真っ赤にする様子は実にかわいらしく、わたしはまたしてもニヤニヤとだらしのない笑みを浮かべてしまう。
つい先日だって、つぐみさんを家に招いて思う存分イチャイチャしたし、夜にはクリスマス以来久しぶりに甘く熱い最高のひと時を堪能した。
二度目とはいえリードできるほどの余裕は持てなかったけど、つぐみさんの初々しい反応がなんともかわいらしく、目を閉じれば声も姿も鮮明に思い浮かべられる。
「うぇへへ……じゅるり」
休み時間になり一足先に廊下でつぐみさんを待つ間に、自分だけが見ることを許された彼女の艶姿を脳内に描き出す。
その結果、とてつもない幸福感と高揚感を得られたものの、気持ち悪い笑いが漏れてしまった。
慌ててよだれを拭いつつ、現実に帰還する。
「お待たせ。今日は朝から暖かいねっ」
「つ、つぐみさんっ。そうですね、春が近い感じがします」
不意打ち気味な登場に少しばかり焦ってしまったけど、どうにか取り乱さずに済んだ。
「ところで美夢ちゃん。さっき嬉しそうな顔してたけど、なにかいいことあったの?」
み、見られてた……!
気持ち悪かったと言われなかったのが、不幸中の幸いだ。
とはいえ、どう答えるべきか。
――つぐみさんとのエッチを思い浮かべて、気付いたらニヤニヤしちゃってました。
ダメだ、とてもじゃないけど廊下で話していい内容じゃない。
嘘はつきたくないけど、正直に言うのもはばかられる。
「せ、先日のデート、たくさん話したり触れ合ったりできて楽しかったので、思い出しただけで頬が緩んでしまったんです」
よし、完璧だ。
紛れもない事実だけを述べつつも、隠すべきところはしっかりと隠せている。
「確かに、すっごく楽しかったよね。また近いうちに遊びたいな~」
「わたしはいつでも大歓迎ですよ。できることなら四六時中一緒に――あっ、でも、それだとつぐみさんにベタベタしすぎて、ウザいって思われちゃうかもしれませんね」
この前も部屋に招いた際に二人きりなのをいいことに密着し続け、おしゃべり中にさりげなく腕を組んだり、ことあるごとにスキンシップを図った。
「ウザいだなんて思わないよ。それどころか、嬉しすぎて騒いじゃうかも」
「その言葉、忘れないでくださいね? 普段は二人きりの時間をあまり取れませんから、デートの時は思う存分ベッタベタに甘えて、めちゃくちゃにしちゃいますよ」
勢い余って、最後にとんでもないことを口走ってしまった。
直接的な言葉を使っていないため、無垢なつぐみさんは「めちゃくちゃ?」と少し不思議そうにしている。
「よく分からないけど、美夢ちゃんにならたくさん甘えてほしいし、めちゃくちゃにもしてほしいっ」
屈託のない笑顔を浮かべるつぐみさんの純粋さに、心が浄化されるような感覚を味わった。
「その代わり、わたしも美夢ちゃんに甘えさせてもらうし、めちゃくちゃにもさせてもらうからね」
続け様に告げられた言葉は、わたしの劣情を煽るのに充分すぎる効果を示す。
つぐみさんが、わたしのことをめちゃくちゃにしてくれる。
ぎこちなさの残る手付きで慈しむように愛撫してくれる優しいつぐみさんが、少し乱暴なぐらいの力強さでわたしの胸をガシッと鷲掴みにして揉みしだきながら濃厚なキスを……っ!?
具体的なシチュエーションとハッキリとしたイメージが脳内に浮かぶまで、一秒もかからなかった。
「つぐみさん、ぜひお願いします。それと、わたしの方から少しばかり提案があるんですけど――」
わたしは神妙な面持ちで、先ほど瞬時に構築した妄想を事細かに語る。
案の定、つぐみさんは『めちゃくちゃにする』という言葉に秘められた意味をよく分かっていなかった。
提案として語り聞かされる妄想に照れて顔を真っ赤にする様子は実にかわいらしく、わたしはまたしてもニヤニヤとだらしのない笑みを浮かべてしまう。
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