甘美な百合には裏がある

ありきた

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102話 就寝前の戯れ

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 並べられた布団の上で、各々自由な姿勢でくつろいでいる。
 今日は押入れの方から姫歌先輩、真里亜先輩、私、葵先輩、アリス先輩という順番だ。

「気付いたんだけど、今日って胸が大きい順に並んでるよね~」

 うつ伏せになってスマホをいじる葵先輩が、足をパタパタさせながらつぶやいた。
 確かにと納得しかけたものの、一つの疑問が浮かぶ。

「私より葵先輩の方がおっきくないですか?」

「み、見た感じだと、お、同じぐらい、だよね」

 と告げたのは、枕を抱きしめて体育座りするアリス先輩。

「実際に触って確かめればいいじゃない」

「うふふ❤ 真里亜の言う通りね❤」

 真里亜先輩と姫歌先輩が私のそばに近寄り、葵先輩はスマホを置いて体を起こし、アリス先輩も枕を手放してこちらに移動する。
 隣り合う私と葵先輩の前に、審査員である三人が横一列に並ぶ。

「それじゃ、さっそく揉ませてもらうわよ」

 言うが早いか、真里亜先輩がスッと両手を前に出す。
 右手が私の右胸を、左手が葵先輩の左胸を捉える。

「んっ」

 手のひらで乳房を軽く押し潰され、五本の指が不規則に動く。
 愛撫ではないはずなのに、恋人に胸を揉まれる喜びと快感が容赦なく襲い来る。

「悠理がエッチな声出してる~」

「し、仕方ないじゃないですか」

 とはいえ、嬌声を垂れ流すのも恥ずかしい。
 気を引き締めるとしよう。

「うーん……言い出しておいてなんだけど、触っただけじゃよく分からないわ」

 真里亜先輩は手を離しつつ、身も蓋もない結論を口にする。
 続く姫歌先輩とアリス先輩も、同様の意見だった。
 どうやら私と葵先輩のバストサイズは、限りなく近いらしい。
 だからと言って、自分の胸を揉んだところで葵先輩の胸を揉んだ気分を味わえるわけもなく。

「葵先輩、私にも触らせてください」

「うんっ、いいよ~。好きなだけ触って!」

 姿勢を変えて向き合う形になり、遠慮なく手を伸ばす。
 手のひらにちょうど収まる大きさ、柔らかさと弾力のバランスがほどよく、服越しでありながらその魅力が存分に伝わってくる。
 まさに癖になる感触。いつまでも触っていたい。
 むにむに、むにむに。

「ぅあっ――ちょっ、ちょっと待って! そ、そんなにされると……んくっ、はぁあぁぁあぁんっ!」

「へ? えっ?」

 慌て始めた葵先輩の体がビクンッと跳ね、崩れるように布団へ倒れ込む。
 突然のことで驚きはしたけど、さすがの私にもなにが起きたか理解できる。
 因果応報と言うべきか。この後、トロンとした表情のまま起き上がった葵先輩の手によって、私も同じ目に遭わされた。
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