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99話 先輩たちに甘えてもらいたい④
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「入院が必要なぐらい痛めつけてもらえるかしら?」
「ごめんなさい、無理です」
真里亜先輩からの要望を、私はすぐさま断った。
「残念だけど、仕方ないわね。悠理は慈愛と優しさの化身だから、断られる気がしてたわ」
いや、過大評価にもほどがある。
あの内容なら断って当然。たとえ愛する先輩の頼みだろうと、一考の余地すらない。
「あんまり困らせるのも悪いし、そうね……手加減をせず、背骨を砕くつもりで抱きしめてほしいわ」
「分かりました。全力で抱きしめさせてもらいます」
私の腕力なら、たとえ本気を出してもたかが知れている。
真里亜先輩の期待に応えられないかもしれないけど、万が一の事態を避けられるのなら、落胆された方がいくらかマシだ。
私が了承すると、真里亜先輩は正座したまま自分の太ももをポンポンと叩く。ここに座って、という意味だろう。
閉じられた太ももをまたぐように立ち、ゆっくりと腰を落とす。
「お、重くないですか?」
「平気よ。もっと重い方が、あたし的には嬉しいわね」
真里亜先輩の返答に、ホッと安堵する。
「それじゃあ、始めますね」
「改めて言うけど、手加減はダメよ。もし手加減したら、罰として胃の中身を全部吐き出すまで腹パンしてもらうわ」
私が殴られるならともかく、真里亜先輩のお腹を殴るなんて絶対に嫌だ。
要求通り、全力で抱きしめるとしよう。
背中に腕を回して、ギュッと力を込める。
「んっ、はぁぁっ……この締め付けられる感覚……最っ、高っ……っ!」
この体勢だと表情は見えないけど、言動と声色から、喜んでもらえていることは分かった。
ぎゅうぅぅぅぅぅっ。
力の限り、自分の中に取り込むぐらいの勢いで抱きしめる。
真里亜先輩の温もりを鮮明に感じ、息をすれば彼女の放つ甘い芳香が脳へと届く。
押し潰されて形を歪めるほどに密着した胸から、真里亜先輩の鼓動が伝わってくる。
「真里亜先輩、すごくドキドキしてますね。そんなに興奮してるんですか?」
「ふふっ、そうね。気持ちよすぎて下着がもう水浸しになってるわ」
Sっ気を意識した言葉を投げてみたら、予想を遥かに上回る過激な発言が返ってきた。
***
あれから数分ほど経過したあたりで、真里亜先輩は盛大に絶ちょ――もとい乙女の事情により、一旦退室した。
ハプニングと言えばハプニングだけど、満足してもらえた証だと前向きに捉えよう。
下着を穿き替えた真里亜先輩は和室に顔を出すや否や、紅茶を淹れると言ってキッチンへ向かった。
残る私たちは座布団を片付けてから、リビングへと移る。
「うふふ❤ 悠理の耳掃除、本当に素晴らしかったわぁ❤」
「お尻枕も、すっごく癒されたよ~!」
「み、耳元で、好きって言ってもらうの、こ、心が温かくなった」
「全力の抱擁も最高によかったわよ。あれはドМじゃなくても満足できるわね」
嬉々として感想を語る先輩たちを見て、私も自然と頬が緩む。
「喜んでもらえて嬉しいです。他にも私にしてほしいことがあったら、遠慮なく言ってくださいね」
「あらあら❤ それじゃあ、まずは今日みんながしてもらったことを一通りお願いしようかしら❤」
姫歌先輩がそう言うと、葵先輩たちも意気揚々と賛成の声を上げた。
もちろん、私としても望むところだ。
少なからず時間を要するだろうけど、なにも問題ない。
同じ家に住んでるんだし、いまは夏休み。時間ならたっぷりある。
「ごめんなさい、無理です」
真里亜先輩からの要望を、私はすぐさま断った。
「残念だけど、仕方ないわね。悠理は慈愛と優しさの化身だから、断られる気がしてたわ」
いや、過大評価にもほどがある。
あの内容なら断って当然。たとえ愛する先輩の頼みだろうと、一考の余地すらない。
「あんまり困らせるのも悪いし、そうね……手加減をせず、背骨を砕くつもりで抱きしめてほしいわ」
「分かりました。全力で抱きしめさせてもらいます」
私の腕力なら、たとえ本気を出してもたかが知れている。
真里亜先輩の期待に応えられないかもしれないけど、万が一の事態を避けられるのなら、落胆された方がいくらかマシだ。
私が了承すると、真里亜先輩は正座したまま自分の太ももをポンポンと叩く。ここに座って、という意味だろう。
閉じられた太ももをまたぐように立ち、ゆっくりと腰を落とす。
「お、重くないですか?」
「平気よ。もっと重い方が、あたし的には嬉しいわね」
真里亜先輩の返答に、ホッと安堵する。
「それじゃあ、始めますね」
「改めて言うけど、手加減はダメよ。もし手加減したら、罰として胃の中身を全部吐き出すまで腹パンしてもらうわ」
私が殴られるならともかく、真里亜先輩のお腹を殴るなんて絶対に嫌だ。
要求通り、全力で抱きしめるとしよう。
背中に腕を回して、ギュッと力を込める。
「んっ、はぁぁっ……この締め付けられる感覚……最っ、高っ……っ!」
この体勢だと表情は見えないけど、言動と声色から、喜んでもらえていることは分かった。
ぎゅうぅぅぅぅぅっ。
力の限り、自分の中に取り込むぐらいの勢いで抱きしめる。
真里亜先輩の温もりを鮮明に感じ、息をすれば彼女の放つ甘い芳香が脳へと届く。
押し潰されて形を歪めるほどに密着した胸から、真里亜先輩の鼓動が伝わってくる。
「真里亜先輩、すごくドキドキしてますね。そんなに興奮してるんですか?」
「ふふっ、そうね。気持ちよすぎて下着がもう水浸しになってるわ」
Sっ気を意識した言葉を投げてみたら、予想を遥かに上回る過激な発言が返ってきた。
***
あれから数分ほど経過したあたりで、真里亜先輩は盛大に絶ちょ――もとい乙女の事情により、一旦退室した。
ハプニングと言えばハプニングだけど、満足してもらえた証だと前向きに捉えよう。
下着を穿き替えた真里亜先輩は和室に顔を出すや否や、紅茶を淹れると言ってキッチンへ向かった。
残る私たちは座布団を片付けてから、リビングへと移る。
「うふふ❤ 悠理の耳掃除、本当に素晴らしかったわぁ❤」
「お尻枕も、すっごく癒されたよ~!」
「み、耳元で、好きって言ってもらうの、こ、心が温かくなった」
「全力の抱擁も最高によかったわよ。あれはドМじゃなくても満足できるわね」
嬉々として感想を語る先輩たちを見て、私も自然と頬が緩む。
「喜んでもらえて嬉しいです。他にも私にしてほしいことがあったら、遠慮なく言ってくださいね」
「あらあら❤ それじゃあ、まずは今日みんながしてもらったことを一通りお願いしようかしら❤」
姫歌先輩がそう言うと、葵先輩たちも意気揚々と賛成の声を上げた。
もちろん、私としても望むところだ。
少なからず時間を要するだろうけど、なにも問題ない。
同じ家に住んでるんだし、いまは夏休み。時間ならたっぷりある。
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