甘美な百合には裏がある

ありきた

文字の大きさ
上 下
70 / 124

69話 胸に手を当てれば②

しおりを挟む
 善は急げとばかりに、真里亜先輩が自分のバッグからアイマスクを取り出す。
学校にアイマスクを持参する理由はいくつか考えられないこともないけど、真里亜先輩のことだから予想の斜め上を行く理由なのだろう。あえて言及はしない。
 このままだと場所や角度から誰が触ったか分かるので、姫歌先輩はイスを少し引いてからアイマスクを装着する。
続けて、私たちは姫歌先輩の前に集まった。

「それじゃ、始めるよ~」

 開始の音頭を取るのは葵先輩。
 最初に手を伸ばしたのは、アリス先輩だ。
 声を出さないように気を付けつつ、両手で左右から胸を挟むようにして触る。

「これは……アリスかしらぁ❤」

「あ、当たり」

 少し悩んだ様子ではあるものの、姫歌先輩は見事に正解した。
 アリス先輩が手を引っ込め、順番を次に移す。
 真里亜先輩は人差し指を近付け、胸の中央付近にゆっくりと突き立てる。

「指先だけだと難しいわねぇ……葵か、真里亜か……うーん……真里亜かしら❤」

「くっ、やるわね。正解よ」

 二人続けての正解に、歓声が起こる。
 次なる挑戦者は、私だ。
 葵先輩と手の大きさがほとんど一緒なので、彼女の手付きを真似することで答えを悩ませようと思う。
 指を広げ、左右の乳房を鷲掴みにする。
 
「んぅっ、はぁぁあぁんっ❤ これは悠理ね、間違いないわ❤」

 私が触ると同時に姫歌先輩の体がビクンッと跳ね、艶めかしい喘ぎを漏らし、自信満々に正解を言い当てられた。
 残るのは葵先輩一人なので、ゲームを制したのは姫歌先輩ということになる。
 姫歌先輩はアイマスクを外し、私たちに合わせて起立した。

「本当に目隠しをした状態で的確に当てましたね。すごいですっ」

「うふふ❤ アリスと真里亜はほとんど勘だったけど、悠理に関しては簡単に分かったわ❤」

「触り方がエッチだったからですか?」

「違うわよぉ❤ たとえ姿が見えなくても、悠理に触られた瞬間に信じられないぐらいの快感が走るの❤ だから、悠理だけは絶対に間違えないわ❤」

「あ、ありがとうございます」

 面と向かって言われ、つい照れてしまう。
 幸せそうに話す姫歌先輩の姿を見ていると、私としてもただひたすらに嬉しい。

「ただ、視界を封じられた上での不意打ちだから、刺激が強すぎたわね❤ あとで下着を替えないと❤」

「その発言も、相当刺激が強いですよ」

 なぜ下着を穿き替える必要があるのか。先ほどの反応を踏まえれば、答えは出ているに等しい。
 今晩も妄想が捗りそうだ。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...