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63話 好きなときに好きなだけ
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ファーストキスから一夜明け、今日もいつも通りに部活が行われている。
とはいえ、今日はいまのところ誰も創作活動をしていない。
部活が始まってすぐに始まった話し合いが、いままさに終わったところだ。
「うふふ❤ 満場一致で決まりね❤」
姫歌先輩が嬉しそうに声を弾ませた。
話し合いの内容は、『今後のキスについて』。
もともと全員同時にするのはファーストキスだけという話だったので、議論というよりは確認作業に近い。
これからは好きなときに好きなだけ、自由にキスできることになった。
「濃厚なキスを楽しみたいわぁ❤」
「毎日キスしちゃおうかな~」
「い、いっぱい、キス、したい」
「酸欠になるまでキスするのもいいわね」
先輩たちは無邪気な笑顔で嬉々として言い放つ。
これほどまでに喜んでくれるなんて、恋人冥利に尽きる。
唇のケアは怠らないようにしないと。
「悠理、キスが嫌なときは正直に言ってね❤」
「常に大歓迎なので、心配は無用です。もし嫌そうな素振りを見せても、ただの照れ隠しだから気にしないでください」
優しい心遣いはありがたく受け取らせてもらうけど、私が先輩たちとのキスを嫌がるなんて絶対に有り得ない。
「先輩たちがよければ、いまからでも……」
調子に乗りすぎかなと不安に思いつつ、部活中のキスという大胆な行為を申し出てみる。
「あらあら❤ そんなの答えは決まってるわ❤」
「たくさんかわいがってあげないとね~」
「せ、先輩らしいところ、見せる」
「いろいろと覚悟しておきなさい」
挑発的なまでに余裕たっぷりな態度で承諾された。
そして、先輩たちは一斉に席を立ち、私を取り囲む。
***
数分後。私は恍惚とした表情を浮かべ、口の端からだらしなく唾液を垂らすという情けない姿を晒していた。
「あ、ひゅ、ぅあ」
刺激が強すぎて、発音もままならない。
先輩たちと一人ずつキスをした結果、見事なまでに骨抜きにされてしまった。
一瞬にして虜になるほどの快楽、浮遊感にも似た心地よさ、全身を包んで余りある多幸感。
ファーストキスのときもそうだったけど、キスという行為が秘める魅力は本当に底知れない。
嬉しいことに、それは先輩たちにとっても同じだったようで……。
自席に戻った四人は一様に頬を赤らめ、時折艶めかしい吐息を漏らしながら、潤んだ瞳で熱烈な視線を私の方に向けている。
キスをする前に感じた余裕は、当然ながら面影すら残っていない。
こうして私たちは、改めてキスのすごさを思い知った。
とはいえ、今日はいまのところ誰も創作活動をしていない。
部活が始まってすぐに始まった話し合いが、いままさに終わったところだ。
「うふふ❤ 満場一致で決まりね❤」
姫歌先輩が嬉しそうに声を弾ませた。
話し合いの内容は、『今後のキスについて』。
もともと全員同時にするのはファーストキスだけという話だったので、議論というよりは確認作業に近い。
これからは好きなときに好きなだけ、自由にキスできることになった。
「濃厚なキスを楽しみたいわぁ❤」
「毎日キスしちゃおうかな~」
「い、いっぱい、キス、したい」
「酸欠になるまでキスするのもいいわね」
先輩たちは無邪気な笑顔で嬉々として言い放つ。
これほどまでに喜んでくれるなんて、恋人冥利に尽きる。
唇のケアは怠らないようにしないと。
「悠理、キスが嫌なときは正直に言ってね❤」
「常に大歓迎なので、心配は無用です。もし嫌そうな素振りを見せても、ただの照れ隠しだから気にしないでください」
優しい心遣いはありがたく受け取らせてもらうけど、私が先輩たちとのキスを嫌がるなんて絶対に有り得ない。
「先輩たちがよければ、いまからでも……」
調子に乗りすぎかなと不安に思いつつ、部活中のキスという大胆な行為を申し出てみる。
「あらあら❤ そんなの答えは決まってるわ❤」
「たくさんかわいがってあげないとね~」
「せ、先輩らしいところ、見せる」
「いろいろと覚悟しておきなさい」
挑発的なまでに余裕たっぷりな態度で承諾された。
そして、先輩たちは一斉に席を立ち、私を取り囲む。
***
数分後。私は恍惚とした表情を浮かべ、口の端からだらしなく唾液を垂らすという情けない姿を晒していた。
「あ、ひゅ、ぅあ」
刺激が強すぎて、発音もままならない。
先輩たちと一人ずつキスをした結果、見事なまでに骨抜きにされてしまった。
一瞬にして虜になるほどの快楽、浮遊感にも似た心地よさ、全身を包んで余りある多幸感。
ファーストキスのときもそうだったけど、キスという行為が秘める魅力は本当に底知れない。
嬉しいことに、それは先輩たちにとっても同じだったようで……。
自席に戻った四人は一様に頬を赤らめ、時折艶めかしい吐息を漏らしながら、潤んだ瞳で熱烈な視線を私の方に向けている。
キスをする前に感じた余裕は、当然ながら面影すら残っていない。
こうして私たちは、改めてキスのすごさを思い知った。
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