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62話 それは特殊で、特別な……
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昨日の今日で、私は自室に先輩たちを招いている。
部活を早めに切り上げ、誰が提案するでもなく自然と全員が早足になり、あれこれ考える間もなく家に着いた。
手筈通り、まず私がベッドに横たわる。
頭を挟むような位置に姫歌先輩と葵先輩が座り、脇腹の左右にアリス先輩と真里亜先輩が腰を下ろす。かなり窮屈な姿勢を強いてしまって申し訳ない。
この後は、姫歌先輩が上唇の左側、葵先輩が上唇の右側、アリス先輩が下唇の左側、真里亜先輩が下唇の右側に、それぞれ自分の唇を重ねてくれる。
いまからキスをするのだと理解していても――いや、理解しているからこそ、並々ならぬ高揚感で鼓動が速まる。
「悠理、準備はいいかしらぁ❤」
先輩たちが一様に私の顔を覗き込み、代表して姫歌先輩が声を上げた。
みんな普段通りに見えるけど、些細な仕草や息遣いから、私と同様の緊張を感じる。
「は、はいっ」
私はコクリとうなずき、声を上擦らせつつも元気よく答える。
すると、先輩たちは顔を見合わせた。タイミングを合わせて、ゆっくりと自分の顔を私に近付ける。
いよいよ、キスするんだ……!
緊張からキュッと結んでいた唇をわずかに開き、先輩たちを待ち構える。
そして、ついに――
「んぅっ」
四人の唇が、まったくの同時に私の唇とその周辺を覆う。
想像を遥かに凌駕する感動と快感が全身を駆け巡り、脳内から余計な情報がすべて消失した。
先輩たちの唇が触れている場所に全神経が集中しているかのように、自分でも驚くほど感覚が研ぎ澄まされている。
唇の感触や温もり、息遣い、胸の高鳴りまで鮮明に伝わってくる。
***
特殊な方法でのファーストキスを終え、みんなそれぞれ適当なところに腰を落ち着ける。
私も先輩たちも、感動が強すぎてなかなか言葉が出てこない。
先輩たちはとても幸せそうな笑みを浮かべている。私もきっと同じ表情をしているのだろう。
変則的ではあったけど、最高のキスだと胸を張って断言できる。
部活を早めに切り上げ、誰が提案するでもなく自然と全員が早足になり、あれこれ考える間もなく家に着いた。
手筈通り、まず私がベッドに横たわる。
頭を挟むような位置に姫歌先輩と葵先輩が座り、脇腹の左右にアリス先輩と真里亜先輩が腰を下ろす。かなり窮屈な姿勢を強いてしまって申し訳ない。
この後は、姫歌先輩が上唇の左側、葵先輩が上唇の右側、アリス先輩が下唇の左側、真里亜先輩が下唇の右側に、それぞれ自分の唇を重ねてくれる。
いまからキスをするのだと理解していても――いや、理解しているからこそ、並々ならぬ高揚感で鼓動が速まる。
「悠理、準備はいいかしらぁ❤」
先輩たちが一様に私の顔を覗き込み、代表して姫歌先輩が声を上げた。
みんな普段通りに見えるけど、些細な仕草や息遣いから、私と同様の緊張を感じる。
「は、はいっ」
私はコクリとうなずき、声を上擦らせつつも元気よく答える。
すると、先輩たちは顔を見合わせた。タイミングを合わせて、ゆっくりと自分の顔を私に近付ける。
いよいよ、キスするんだ……!
緊張からキュッと結んでいた唇をわずかに開き、先輩たちを待ち構える。
そして、ついに――
「んぅっ」
四人の唇が、まったくの同時に私の唇とその周辺を覆う。
想像を遥かに凌駕する感動と快感が全身を駆け巡り、脳内から余計な情報がすべて消失した。
先輩たちの唇が触れている場所に全神経が集中しているかのように、自分でも驚くほど感覚が研ぎ澄まされている。
唇の感触や温もり、息遣い、胸の高鳴りまで鮮明に伝わってくる。
***
特殊な方法でのファーストキスを終え、みんなそれぞれ適当なところに腰を落ち着ける。
私も先輩たちも、感動が強すぎてなかなか言葉が出てこない。
先輩たちはとても幸せそうな笑みを浮かべている。私もきっと同じ表情をしているのだろう。
変則的ではあったけど、最高のキスだと胸を張って断言できる。
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