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41話 大事な話
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私が先輩たちと恋仲になった日のことを夢に見た。
途中でとてつもなく重要な失態に気付き、朝ごはんを食べているときはもちろん、授業中も頭の中はその件でいっぱいになってしまう。
放課後になると早足で部室へ向かい、いままさに鍵を開けようとしている姫歌先輩たちと合流。
そわそわしながら部室に入り、カバンを置いて着席する。
先輩たちが作業に入ってから中断させるのは申し訳ないので、全員が座った時点で開口一番に話を切り出す。
「大事な話があるんですけど、聞いてもらえますか?」
念のため確認を取り、その間に言うべきことをまとめておく。
四人とも快諾してくれて、テーブルの下に潜ろうとしていたアリス先輩も改めてイスに座り直した。
「今朝ふと気付いたんですけど、私って先輩たちにちゃんと告白してないんですよ!」
我ながら信じられない。
渡り廊下の手前にあるカップル御用達の部屋について知ったあの日、私は先輩たちに本心を伝え、喉がかれるまで先輩たちと愛を語り合った。
一対四という特殊な形ではあるけど、紛れもなく相思相愛で、先輩たちを必ず幸せにするという意思は決して揺るがない。
ただ、恋人として付き合ってほしいという旨を、きちんと言葉にしていなかった。
全員の共通認識として交際しているわけだからいまさら必要ないかもしれないけど、私としてはどうしても気になってしまう。
だから、改めて告白させてもらう。
「先輩たちのことが大好きです、私と付き合ってください!」
真剣に想いを打ち明けると、先輩たちは笑顔でうなずいてくれた。
「うふふ❤ これからも末永くよろしくね❤」
「あーしたちの愛は重いよ~っ」
「い、いっぱい、イチャイチャ、し、しようね」
「イライラするようなことがあったら、遠慮なくあたしにぶつけなさい」
「――私を選んでくれたことを後悔させないよう、一生かけて幸せにします!」
先輩たちがかけてくれた言葉を噛み締めながら、固い決意を表明する。
「あらあら❤ まるでプロポーズね❤ わたしたちも、必ず悠理のことを幸せにするわ❤」
姫歌先輩の発言に、すぐさま三人も同調。
そこで初めて、私は自分がいかに大胆極まりない宣言をしたか自覚した。
私の本心に相違ないので、もちろん撤回はしない。
けど、どうしても照れてしまう。
「え、えっと、時間を取らせてしまってすみません。私の話は、これでおしまいです」
いつもの二倍近く早口にまくし立て、視線をテーブルに落とす。
「うふふ❤ もう少しぐらい平気よ❤」
姫歌先輩が自席を離れ、私の背中に優しく抱き着いた。
むにゅんっと柔らかな感触に反応して心臓が跳ね、先輩が放つ甘い香りに脳が揺さぶられる。
「悠理の手、ちっちゃくてかわいいよね~」
葵先輩が私の左手を持ち上げ、テーブルの上でまじまじと鑑賞する。
褒められるのはすごく嬉しいけど、そっくりそのまま葵先輩に返したい。瑞々しい肌といい白魚のような指といい、思わず生唾を飲んでしまうほどの美しさだ。
「く、靴下、少し蒸れてて、す、すごく、いい」
いつの間にか足元に移動していたアリス先輩が、とんでもなく変態的な感想を漏らした。
汚いところまで好意的に受け入れてもらえるというのは、本当にありがたいことだと思う。
最初の頃は正直なところ抵抗感もあったけど、いまとなっては日々の楽しみの一つになっている。
「悠理の髪で窒息させられるのも気持ちよさそうね。今度ぜひ試してみたいわ」
慈しむように私の髪を撫でつつ、想像するのも恐ろしいことを口走る真里亜先輩。
口に含むまでなら、容認できなくはない。窒息は絶対に阻止する。
***
……さて、と。
もうかれこれ半時間ぐらい、もみくちゃにされているわけだけど。
敏感な部分への刺激はないとはいえ、大好きな先輩たちに体を触られ続けて平気なわけがなく。
油断すればあっという間に四人の眼前で絶頂してしまうだろう。
こういうのを、幸せな悩みって言うのかな。いや、ちょっと違う気がする。
途中でとてつもなく重要な失態に気付き、朝ごはんを食べているときはもちろん、授業中も頭の中はその件でいっぱいになってしまう。
放課後になると早足で部室へ向かい、いままさに鍵を開けようとしている姫歌先輩たちと合流。
そわそわしながら部室に入り、カバンを置いて着席する。
先輩たちが作業に入ってから中断させるのは申し訳ないので、全員が座った時点で開口一番に話を切り出す。
「大事な話があるんですけど、聞いてもらえますか?」
念のため確認を取り、その間に言うべきことをまとめておく。
四人とも快諾してくれて、テーブルの下に潜ろうとしていたアリス先輩も改めてイスに座り直した。
「今朝ふと気付いたんですけど、私って先輩たちにちゃんと告白してないんですよ!」
我ながら信じられない。
渡り廊下の手前にあるカップル御用達の部屋について知ったあの日、私は先輩たちに本心を伝え、喉がかれるまで先輩たちと愛を語り合った。
一対四という特殊な形ではあるけど、紛れもなく相思相愛で、先輩たちを必ず幸せにするという意思は決して揺るがない。
ただ、恋人として付き合ってほしいという旨を、きちんと言葉にしていなかった。
全員の共通認識として交際しているわけだからいまさら必要ないかもしれないけど、私としてはどうしても気になってしまう。
だから、改めて告白させてもらう。
「先輩たちのことが大好きです、私と付き合ってください!」
真剣に想いを打ち明けると、先輩たちは笑顔でうなずいてくれた。
「うふふ❤ これからも末永くよろしくね❤」
「あーしたちの愛は重いよ~っ」
「い、いっぱい、イチャイチャ、し、しようね」
「イライラするようなことがあったら、遠慮なくあたしにぶつけなさい」
「――私を選んでくれたことを後悔させないよう、一生かけて幸せにします!」
先輩たちがかけてくれた言葉を噛み締めながら、固い決意を表明する。
「あらあら❤ まるでプロポーズね❤ わたしたちも、必ず悠理のことを幸せにするわ❤」
姫歌先輩の発言に、すぐさま三人も同調。
そこで初めて、私は自分がいかに大胆極まりない宣言をしたか自覚した。
私の本心に相違ないので、もちろん撤回はしない。
けど、どうしても照れてしまう。
「え、えっと、時間を取らせてしまってすみません。私の話は、これでおしまいです」
いつもの二倍近く早口にまくし立て、視線をテーブルに落とす。
「うふふ❤ もう少しぐらい平気よ❤」
姫歌先輩が自席を離れ、私の背中に優しく抱き着いた。
むにゅんっと柔らかな感触に反応して心臓が跳ね、先輩が放つ甘い香りに脳が揺さぶられる。
「悠理の手、ちっちゃくてかわいいよね~」
葵先輩が私の左手を持ち上げ、テーブルの上でまじまじと鑑賞する。
褒められるのはすごく嬉しいけど、そっくりそのまま葵先輩に返したい。瑞々しい肌といい白魚のような指といい、思わず生唾を飲んでしまうほどの美しさだ。
「く、靴下、少し蒸れてて、す、すごく、いい」
いつの間にか足元に移動していたアリス先輩が、とんでもなく変態的な感想を漏らした。
汚いところまで好意的に受け入れてもらえるというのは、本当にありがたいことだと思う。
最初の頃は正直なところ抵抗感もあったけど、いまとなっては日々の楽しみの一つになっている。
「悠理の髪で窒息させられるのも気持ちよさそうね。今度ぜひ試してみたいわ」
慈しむように私の髪を撫でつつ、想像するのも恐ろしいことを口走る真里亜先輩。
口に含むまでなら、容認できなくはない。窒息は絶対に阻止する。
***
……さて、と。
もうかれこれ半時間ぐらい、もみくちゃにされているわけだけど。
敏感な部分への刺激はないとはいえ、大好きな先輩たちに体を触られ続けて平気なわけがなく。
油断すればあっという間に四人の眼前で絶頂してしまうだろう。
こういうのを、幸せな悩みって言うのかな。いや、ちょっと違う気がする。
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