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20話 私のターン
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今日はちょっとした考えを持って部室へと足を運んだ。
扉を開いて足を踏み入れると、先ほどまでなにもなかった場所に姫歌先輩が現れる。
慣れた現象とはいえ、相変わらず尋常じゃない移動速度だ。
ただ、これは好都合。さっそく始めさせてもらうとしよう。
どこまで通用するか分からないけど、私のターンはすでに始まっている。
「先輩、今日も相変わらずかわいいですね。すごくいい匂いがするし、ドキドキしちゃいますよ」
「えっ、あ……ゆ、悠理? そ、そんな嬉しいこと、お世辞だとしても嬉しいわぁ❤」
計画通り。
やっぱり、先輩は普段私に対して絶対的主導権を握っている分、こちらからの攻めに弱い。
まだ油断はできないけど、カウンター気味に押していけば通用する。
「お世辞じゃないですよ。姫歌先輩は絶世の美少女です。声も素敵で、豊満な胸とかスラッとした手足とか、憧れずにはいられません」
「そ、そろそろ、執筆に戻ろうかしら❤」
平然を装いつつも、顔は真っ赤で明らかに慌てている。
姫歌先輩に対して優勢を取れたことで、私は確固たる自信を得た。
こうなったら、やれるところまでやってみよう。
「なんかいつになく強気だけど、おっぱいは相変わらず最高の揉み心地だね~」
イスを引いて座ろうとした瞬間、葵先輩が胸に手を伸ばしてきた。
着席を中断し、速やかに彼女の背後へと回る。
「葵先輩の胸こそ、最高と言うにふさわしいですよ」
不躾ながら、背後から手のひらサイズの乳房を鷲掴みにする。
「ひぁんっ!」
「ふふっ、まだ続けますよ。私の胸を触ったんですから、触られる覚悟はできてますよね?」
もしかすると、私はとんでもないことをしてるんじゃないだろうか。
そんな考えは自制心と共に頭の隅へ追いやり、指や手のひらを使って葵先輩の乳房を存分に攻め立てる。
「んっ、あぁっ、ご、ごめん! あーしの負け! もう許して!」
嬌声をごまかすように、謝罪の言葉が告げられた。
素直に引き下がり、改めて席に着く。
葵先輩は姫歌先輩と同じく頬を紅潮させて作業に戻り、たまに悔しそうな視線をこちらに向けてくる。
「よ、様子は変だけど、こ、ここの匂いは、いつも通り、すごく、い、いい匂い」
腰を下ろした瞬間、すかさずアリス先輩が下腹部に顔を突っ込む。
「よかったら、もっと鮮明に感じてくださいね」
左右の太ももを内側に寄せ、間にある頭部を優しく挟み込んだ。
動揺でビクッと震えたのが伝わってくる。
追い打ちとばかりにテーブルの下へ手を伸ばし、後頭部を持ってグッと引き寄せる。
アリス先輩の頭部をホールドして、さも私の意思で密着させているような状態を作り出す。
パンツに顔を埋められるのは普段と同じだけど、過程が違えば意味も変わってくる。
「あたしが見込んだ通りね。やっぱり、悠理にはドSの才能があったのよ。さぁ、順番的に次はあたしよね? どんな攻め――いや、責めを味わわせてくれるのかしら?」
今回の目論見において、最も難敵となるのが真里亜先輩だ。
自他共に認める生粋のドМたる彼女には、生半可な攻撃なんて意味を成さない。
ドSの才能というのは真里亜先輩の勘違いに過ぎないけど、いまだけはその評価を心の拠り所にして直感の赴くままに行動してみよう。
アリス先輩へのホールドを解き、葵先輩のときと同様に、ゆっくりと真里亜先輩の背後に移動する。
拘束から解放されたアリス先輩は、自席に戻るや否やテーブルに突っ伏した。チラッと見えた表情は、幼い容姿から想像もできないほど蕩け切っていた。
「真里亜先輩って、腋をくすぐられても平気ですか?」
「さぁ、どうかしら。気になるなら試してみなさい」
余裕綽々とした態度だ。いまの会話で、真里亜先輩は腋を意識したはず。
人によっては軽く指が当たるだけでもくすぐったくて仕方がない。それも背後からとなれば、効果は倍増する。
警戒されても最低限の成果は得られる。
だからこそ、ブラフとして使う。
「ふ~っ」
質問に紛れて静かに動き、不意を突いて耳に息を吹きかける。
「~~~~っ!?」
完全に想定外だったらしく、声にならない悲鳴を上げて激しく身震いした。
続け様に、反対側の首筋につぅっと指を這わせる。
「……こ、降参よ。みんなにあたしの下品なアへ顔を晒すのは、さすがに申し訳ないわ」
真里亜先輩は肩をすくめて両手を挙げ、自らの敗北を告げる。自席に戻りつつ確認したその顔は、他の三人と同じく耳まで真っ赤だ。
姫歌先輩から始まり、葵先輩、アリス先輩、真里亜先輩。
ついに、ついに成し遂げた。
不明瞭な憶測が実践を経て確信へと昇華され、効果的な攻撃手段として自分でも驚くほどの結果を生んだ。
「先輩たち、赤くなった顔も抜群にかわいいですね」
勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、私は四人に向けて純粋な感想を言い放った。
タイミングからして挑発的だと捉えられてもおかしくないのは分かる。
だけど、本当にかわいいと思ったから、そのまま口にしただけだ。
悪意はない。ただ、悪手だった。
「うふふ❤ それじゃあ、悠理のかわいいところも見せてもらおうかしら❤」
「うんうん! 先輩として、後輩をかわいがってあげないとね~♪」
「ゆ、悠理、こ、心の準備、で、できてる?」
「悪いようにはしないから、安心しなさい」
先輩たちを攻め立てるという当初の目的は見事に達成できたわけだけど、窮地に立ってようやく詰めの甘さを痛感させられる。
四人とも目が本気だ。
こうなった以上、私に活路はない。
「あ、あはは、はは」
ありもしない打開策に思考を巡らせるヒマもなく、軽率な行動を悔やんで引きつった笑いをこぼすことしかできなかった。
この後なにが起きたか、余人は知る由もない。
強いて言うなら、貞操だけは無事だった。
扉を開いて足を踏み入れると、先ほどまでなにもなかった場所に姫歌先輩が現れる。
慣れた現象とはいえ、相変わらず尋常じゃない移動速度だ。
ただ、これは好都合。さっそく始めさせてもらうとしよう。
どこまで通用するか分からないけど、私のターンはすでに始まっている。
「先輩、今日も相変わらずかわいいですね。すごくいい匂いがするし、ドキドキしちゃいますよ」
「えっ、あ……ゆ、悠理? そ、そんな嬉しいこと、お世辞だとしても嬉しいわぁ❤」
計画通り。
やっぱり、先輩は普段私に対して絶対的主導権を握っている分、こちらからの攻めに弱い。
まだ油断はできないけど、カウンター気味に押していけば通用する。
「お世辞じゃないですよ。姫歌先輩は絶世の美少女です。声も素敵で、豊満な胸とかスラッとした手足とか、憧れずにはいられません」
「そ、そろそろ、執筆に戻ろうかしら❤」
平然を装いつつも、顔は真っ赤で明らかに慌てている。
姫歌先輩に対して優勢を取れたことで、私は確固たる自信を得た。
こうなったら、やれるところまでやってみよう。
「なんかいつになく強気だけど、おっぱいは相変わらず最高の揉み心地だね~」
イスを引いて座ろうとした瞬間、葵先輩が胸に手を伸ばしてきた。
着席を中断し、速やかに彼女の背後へと回る。
「葵先輩の胸こそ、最高と言うにふさわしいですよ」
不躾ながら、背後から手のひらサイズの乳房を鷲掴みにする。
「ひぁんっ!」
「ふふっ、まだ続けますよ。私の胸を触ったんですから、触られる覚悟はできてますよね?」
もしかすると、私はとんでもないことをしてるんじゃないだろうか。
そんな考えは自制心と共に頭の隅へ追いやり、指や手のひらを使って葵先輩の乳房を存分に攻め立てる。
「んっ、あぁっ、ご、ごめん! あーしの負け! もう許して!」
嬌声をごまかすように、謝罪の言葉が告げられた。
素直に引き下がり、改めて席に着く。
葵先輩は姫歌先輩と同じく頬を紅潮させて作業に戻り、たまに悔しそうな視線をこちらに向けてくる。
「よ、様子は変だけど、こ、ここの匂いは、いつも通り、すごく、い、いい匂い」
腰を下ろした瞬間、すかさずアリス先輩が下腹部に顔を突っ込む。
「よかったら、もっと鮮明に感じてくださいね」
左右の太ももを内側に寄せ、間にある頭部を優しく挟み込んだ。
動揺でビクッと震えたのが伝わってくる。
追い打ちとばかりにテーブルの下へ手を伸ばし、後頭部を持ってグッと引き寄せる。
アリス先輩の頭部をホールドして、さも私の意思で密着させているような状態を作り出す。
パンツに顔を埋められるのは普段と同じだけど、過程が違えば意味も変わってくる。
「あたしが見込んだ通りね。やっぱり、悠理にはドSの才能があったのよ。さぁ、順番的に次はあたしよね? どんな攻め――いや、責めを味わわせてくれるのかしら?」
今回の目論見において、最も難敵となるのが真里亜先輩だ。
自他共に認める生粋のドМたる彼女には、生半可な攻撃なんて意味を成さない。
ドSの才能というのは真里亜先輩の勘違いに過ぎないけど、いまだけはその評価を心の拠り所にして直感の赴くままに行動してみよう。
アリス先輩へのホールドを解き、葵先輩のときと同様に、ゆっくりと真里亜先輩の背後に移動する。
拘束から解放されたアリス先輩は、自席に戻るや否やテーブルに突っ伏した。チラッと見えた表情は、幼い容姿から想像もできないほど蕩け切っていた。
「真里亜先輩って、腋をくすぐられても平気ですか?」
「さぁ、どうかしら。気になるなら試してみなさい」
余裕綽々とした態度だ。いまの会話で、真里亜先輩は腋を意識したはず。
人によっては軽く指が当たるだけでもくすぐったくて仕方がない。それも背後からとなれば、効果は倍増する。
警戒されても最低限の成果は得られる。
だからこそ、ブラフとして使う。
「ふ~っ」
質問に紛れて静かに動き、不意を突いて耳に息を吹きかける。
「~~~~っ!?」
完全に想定外だったらしく、声にならない悲鳴を上げて激しく身震いした。
続け様に、反対側の首筋につぅっと指を這わせる。
「……こ、降参よ。みんなにあたしの下品なアへ顔を晒すのは、さすがに申し訳ないわ」
真里亜先輩は肩をすくめて両手を挙げ、自らの敗北を告げる。自席に戻りつつ確認したその顔は、他の三人と同じく耳まで真っ赤だ。
姫歌先輩から始まり、葵先輩、アリス先輩、真里亜先輩。
ついに、ついに成し遂げた。
不明瞭な憶測が実践を経て確信へと昇華され、効果的な攻撃手段として自分でも驚くほどの結果を生んだ。
「先輩たち、赤くなった顔も抜群にかわいいですね」
勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、私は四人に向けて純粋な感想を言い放った。
タイミングからして挑発的だと捉えられてもおかしくないのは分かる。
だけど、本当にかわいいと思ったから、そのまま口にしただけだ。
悪意はない。ただ、悪手だった。
「うふふ❤ それじゃあ、悠理のかわいいところも見せてもらおうかしら❤」
「うんうん! 先輩として、後輩をかわいがってあげないとね~♪」
「ゆ、悠理、こ、心の準備、で、できてる?」
「悪いようにはしないから、安心しなさい」
先輩たちを攻め立てるという当初の目的は見事に達成できたわけだけど、窮地に立ってようやく詰めの甘さを痛感させられる。
四人とも目が本気だ。
こうなった以上、私に活路はない。
「あ、あはは、はは」
ありもしない打開策に思考を巡らせるヒマもなく、軽率な行動を悔やんで引きつった笑いをこぼすことしかできなかった。
この後なにが起きたか、余人は知る由もない。
強いて言うなら、貞操だけは無事だった。
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