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12話 素敵な一枚
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私が通う学校は、校舎がきれいで先生方も優しく、用務員さんも含めて女性しかいない。
予想外に校内でのカップルが多くて、百合好きとして素敵な光景に心を癒されている。
クラスの雰囲気も良好で、学習環境への不満は皆無だ。
とはいえ私も勉強が大好きというわけでなはないので、放課後になるとホッとした気持ちになる。
帰り支度をして友達と軽く話したら、渡り廊下から部室棟へ向かう。
一階最奥の部屋に着くと、申し訳程度にノックしてから扉を開く。
中に入れば、先輩たちが一斉にこちらへ視線を向けて声をかけてくれる。
「悠理、今朝は寝坊したみたいねぇ❤ あんまり遅くまで一人で盛り上がっちゃダメよ❤」
「うっ、痛いところを突きますね。遅刻はしてないのでセーフってことにしてください」
席に着くと、姫歌先輩が今朝の失態を茶化してきた。
反省するべきだと自覚しているので、今後は気を付けよう。
姫歌先輩も、盗撮や盗聴を少しは自重してくれると嬉しいんだけど。
もしかして、一人でしてるところ、隅々まで見られてるのかな……?
「悠理~、相変わらずいいおっぱいだね! もしよかったら、あーしのおっぱいも揉んでよ!」
「私は先輩と違ってセクハラ魔じゃないですから……でも、また今度お願いするかもしれないです」
イラストを描きながら、反対の手を伸ばして私の胸を揉む葵先輩。
常識人としての矜持を見せようとしたものの、美少女の誘惑を断り切れなかった。
奇跡が起きて豊胸マッサージとしての効果が出ないかなぁ、なんてことを思いつつ過激なスキンシップを受け入れる。
「はぁはぁ、ゆ、悠理の靴下、ちょっと蒸れてる。くんくん……うぇへへ、最高だよぅ」
「五限目の体育が持久走でしたからね。帰ったら即、洗濯機行きです」
今日のアリス先輩は、パンツではなく靴下の気分だったらしい。
お股に顔を埋められる日が続いたせいか、きちんと下着を穿いているにもかかわらず、なんとなく違和感すら覚えてしまう。
「焦らしプレイもいいけど、そろそろ刺激が欲しいわね。悠理、ちょっと吐くまで殴りなさいよ」
「嫌ですよ。だいたい、それは『ちょっと』で済ませていいレベルじゃないです」
それと、焦らしプレイをしているつもりもない。
けど捉え方は人それぞれだし、あえて指摘する必要はないだろう。
***
部室に顔を出してから早一時間。
姫歌先輩と葵先輩は自席で作業、アリス先輩は部室の隅でカーテンに隠れて収録、真里亜先輩は自作のお菓子を食べつつスマホをいじっている。
私はと言えば、姫歌先輩が書いた小説を読み、自分なりに登場人物を描いてみた。まだまだ下手くそだけど、葵先輩のアドバイスで少しずつ上達しているような気がする。
イスから立ち上がってストレッチをしていると、ふと鮮やかな夕焼けに目が行く。
窓から射し込む橙色の光は幻想的なまでに美しく、思わず感動してしまう。
……んー。
ちょっとしたことを閃くも、作業中の先輩もいる中で口にするのは憚られる。
再び着席してから、言い出すタイミングを伺う。
ほどなくしてアリス先輩が自席――ではなくテーブルの下に潜って第二の定位置に帰還。姫歌先輩と葵先輩も、同じタイミングでパソコンやタブレットから手を離して一息つく。
神様が用意してくれたようなタイミングだ。
「せ、先輩方、一つお願いしてもいいですか?」
大それた内容でもないのに、なぜか緊張してしまう。
「もちろん❤」
姫歌先輩を皮切りに、続々と他の三人からも承諾の声が上がる。
「夕陽をバックに、みんなで写真を撮りたいですっ」
断られたらどうしようと一抹の不安を抱きながら、思い切って声に出す。
「素敵な提案ねぇ❤ わたしは大賛成よ❤」
「いいね~っ、撮ろう撮ろう!」
「み、みんなで写真、は、恥ずかしいけど、撮りたい」
「さすがあたしのご主人様、名案すぎて頭が上がらないわ」
幸いなことに、心配はまったくの杞憂だった。
すぐさまみんなで窓際に移動し、密着して並ぶ。
部内で最も高身長な真里亜先輩がスマホを持ち、腕を目一杯に伸ばして角度を調整する。
左側には姫歌先輩と中腰の葵先輩、右側には真里亜先輩と、私の腰に抱き着くアリス先輩。
美少女に囲まれてニヤニヤしそうになるけど、大好きな先輩たちとの記念撮影だと思うと自然な笑顔を浮かべられた。
ポーズを取るべきかどうか悩んだ結果、なんの捻りもなくダブルピース。
真里亜先輩の合図でシャッターが切られ、思い出に残る素敵な一枚が誕生した。
全員に送信され、私は即座に保存と壁紙設定を完了させる。
周りを見回すと、先輩たちも同じように壁紙を変更している様子だ。
思い思いに感想を漏らし、楽しそうに笑っている。
お願いしてみて、本当によかった!
***
家に帰って夜を迎え、ベッドの中でスマホの画面を眺める。
表示されているのは、夕方に撮った写真。
グループ用のメッセージアプリでお礼を伝えると、間を空けずに連続して通知が届く。
『悠理、愛してる』
これは姫歌先輩。私がメッセージを送信したとき、窓の外から通知音が聞こえた気がするけど……。
『おっぱい揉ませて!!』
『パンツ被らせて』
『腹パンしなさい』
葵先輩、アリス先輩、真里亜先輩はシンプルに要求をぶつけてきた。
相変わらず変態な人達だと呆れてしまうけど、不思議と嫌な気はしない。
予想外に校内でのカップルが多くて、百合好きとして素敵な光景に心を癒されている。
クラスの雰囲気も良好で、学習環境への不満は皆無だ。
とはいえ私も勉強が大好きというわけでなはないので、放課後になるとホッとした気持ちになる。
帰り支度をして友達と軽く話したら、渡り廊下から部室棟へ向かう。
一階最奥の部屋に着くと、申し訳程度にノックしてから扉を開く。
中に入れば、先輩たちが一斉にこちらへ視線を向けて声をかけてくれる。
「悠理、今朝は寝坊したみたいねぇ❤ あんまり遅くまで一人で盛り上がっちゃダメよ❤」
「うっ、痛いところを突きますね。遅刻はしてないのでセーフってことにしてください」
席に着くと、姫歌先輩が今朝の失態を茶化してきた。
反省するべきだと自覚しているので、今後は気を付けよう。
姫歌先輩も、盗撮や盗聴を少しは自重してくれると嬉しいんだけど。
もしかして、一人でしてるところ、隅々まで見られてるのかな……?
「悠理~、相変わらずいいおっぱいだね! もしよかったら、あーしのおっぱいも揉んでよ!」
「私は先輩と違ってセクハラ魔じゃないですから……でも、また今度お願いするかもしれないです」
イラストを描きながら、反対の手を伸ばして私の胸を揉む葵先輩。
常識人としての矜持を見せようとしたものの、美少女の誘惑を断り切れなかった。
奇跡が起きて豊胸マッサージとしての効果が出ないかなぁ、なんてことを思いつつ過激なスキンシップを受け入れる。
「はぁはぁ、ゆ、悠理の靴下、ちょっと蒸れてる。くんくん……うぇへへ、最高だよぅ」
「五限目の体育が持久走でしたからね。帰ったら即、洗濯機行きです」
今日のアリス先輩は、パンツではなく靴下の気分だったらしい。
お股に顔を埋められる日が続いたせいか、きちんと下着を穿いているにもかかわらず、なんとなく違和感すら覚えてしまう。
「焦らしプレイもいいけど、そろそろ刺激が欲しいわね。悠理、ちょっと吐くまで殴りなさいよ」
「嫌ですよ。だいたい、それは『ちょっと』で済ませていいレベルじゃないです」
それと、焦らしプレイをしているつもりもない。
けど捉え方は人それぞれだし、あえて指摘する必要はないだろう。
***
部室に顔を出してから早一時間。
姫歌先輩と葵先輩は自席で作業、アリス先輩は部室の隅でカーテンに隠れて収録、真里亜先輩は自作のお菓子を食べつつスマホをいじっている。
私はと言えば、姫歌先輩が書いた小説を読み、自分なりに登場人物を描いてみた。まだまだ下手くそだけど、葵先輩のアドバイスで少しずつ上達しているような気がする。
イスから立ち上がってストレッチをしていると、ふと鮮やかな夕焼けに目が行く。
窓から射し込む橙色の光は幻想的なまでに美しく、思わず感動してしまう。
……んー。
ちょっとしたことを閃くも、作業中の先輩もいる中で口にするのは憚られる。
再び着席してから、言い出すタイミングを伺う。
ほどなくしてアリス先輩が自席――ではなくテーブルの下に潜って第二の定位置に帰還。姫歌先輩と葵先輩も、同じタイミングでパソコンやタブレットから手を離して一息つく。
神様が用意してくれたようなタイミングだ。
「せ、先輩方、一つお願いしてもいいですか?」
大それた内容でもないのに、なぜか緊張してしまう。
「もちろん❤」
姫歌先輩を皮切りに、続々と他の三人からも承諾の声が上がる。
「夕陽をバックに、みんなで写真を撮りたいですっ」
断られたらどうしようと一抹の不安を抱きながら、思い切って声に出す。
「素敵な提案ねぇ❤ わたしは大賛成よ❤」
「いいね~っ、撮ろう撮ろう!」
「み、みんなで写真、は、恥ずかしいけど、撮りたい」
「さすがあたしのご主人様、名案すぎて頭が上がらないわ」
幸いなことに、心配はまったくの杞憂だった。
すぐさまみんなで窓際に移動し、密着して並ぶ。
部内で最も高身長な真里亜先輩がスマホを持ち、腕を目一杯に伸ばして角度を調整する。
左側には姫歌先輩と中腰の葵先輩、右側には真里亜先輩と、私の腰に抱き着くアリス先輩。
美少女に囲まれてニヤニヤしそうになるけど、大好きな先輩たちとの記念撮影だと思うと自然な笑顔を浮かべられた。
ポーズを取るべきかどうか悩んだ結果、なんの捻りもなくダブルピース。
真里亜先輩の合図でシャッターが切られ、思い出に残る素敵な一枚が誕生した。
全員に送信され、私は即座に保存と壁紙設定を完了させる。
周りを見回すと、先輩たちも同じように壁紙を変更している様子だ。
思い思いに感想を漏らし、楽しそうに笑っている。
お願いしてみて、本当によかった!
***
家に帰って夜を迎え、ベッドの中でスマホの画面を眺める。
表示されているのは、夕方に撮った写真。
グループ用のメッセージアプリでお礼を伝えると、間を空けずに連続して通知が届く。
『悠理、愛してる』
これは姫歌先輩。私がメッセージを送信したとき、窓の外から通知音が聞こえた気がするけど……。
『おっぱい揉ませて!!』
『パンツ被らせて』
『腹パンしなさい』
葵先輩、アリス先輩、真里亜先輩はシンプルに要求をぶつけてきた。
相変わらず変態な人達だと呆れてしまうけど、不思議と嫌な気はしない。
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