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4章 高校最初の夏休み
24話 にゃ~にゃ~
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「真菜~、ご飯できたにゃ」
洗濯物を取り込んで家に入ると、キッチンの方から萌恵ちゃんの声が飛んできた。
語尾に『にゃ』が付いているのは、妄想でも聞き間違いでもない。
今朝の散歩中に猫と戯れているときに閃き、帰ってシャワーを浴びてすぐに土下座して懇願した成果だ。
萌恵ちゃんには今日一日、語尾に『にゃ』を付けて話してもらう。
「はーい」
普通に返事をしながらも、私の表情はだらしなく緩んでいる。
洗濯かごを一旦部屋の隅に置き、折り畳みテーブルを部屋の中央辺りに設置。
配膳を手伝うため、キッチンへ行く。
「今日のお昼はシーフードカレーだにゃ~」
か、かわいい……っ!
はぁはぁ、これはヤバいよ、我ながらとんでもないことをお願いしちゃったよ。
「おいしそうっ」
「んふふっ、ありがとにゃ~」
かわいいかわいいかわいい!
どどど、どうしよう、尊すぎて心臓が爆発しそう!
照れを隠し切れない表情がまた、なんとも言えず素晴らしい。
私が鼻息を荒げている間に、萌恵ちゃんは二人分のカレー皿をトレーに乗せてキッチンを後にしていた。
静かに深呼吸して気持ちを落ち着け、サラダボウルと取り皿をリビングに運ぶ。
「いただきます」
「いただきますにゃ」
このかわいさ、もはや反則を通り越して犯罪級だ。なにがなんでも、私以外に知られるわけにはいかない。
***
食後。二人で食器を洗い終えた後は、一緒に洗濯物を畳む。
ちゃんと洗濯できているか確かめるため、萌恵ちゃんのパンツを手に取り、顔に近付けて匂いを嗅ぐ。洗剤とお日様の香りだった。
好みで言えば、洗濯前の方に軍配が上がる。
「うぅ、さ、さすがに目の前で嗅がれると、恥ずかしいにゃ」
顔を真っ赤にして、恥ずかしさをごまかすように手を動かす萌恵ちゃん。洗濯物が目にも留まらぬ速さで畳まれていく。
「あ、萌恵ちゃん待って。それだとしわになっちゃうから、これはこうして――」
一通り家事を済ませたら、リビングでのんびりとくつろぐ。
萌恵ちゃんに膝枕してもらって、ついさっき交代した。
猫をあやすように、あごの下を撫でてみる。
「にゃ~ん♪」
萌恵ちゃんは口角を緩め、気持ちよさそうな声を漏らした。
か・わ・い・す・ぎ・るっ!
萌恵ちゃんが恥ずかしがるから記録は残さないけど、許されるなら音声と映像をきっちり保存したい。
***
やがて夜を迎え、電気を消して布団に潜る。
優しく抱き合ったり、お互いに相手の体を触ったり、就寝前のスキンシップを楽しむ。
「萌恵ちゃん、今日は変なお願いを聞いてくれてありがとう。すごくかわいかったよ」
「んふふっ、どういたしましてっ。ちょっと恥ずかしかったけど、真菜に喜んでもらえてよかったよ~」
「またいつか、お願いさせてもらおうかな」
「いいよ~。でも、明日は真菜の番だからね?」
「……え」
因果応報って、こういうことなのかな。
翌日、私は萌恵ちゃんが味わった羞恥を我が身で知ることとなった。
とはいえ、めちゃくちゃかわいがってもらえたので、結果としては最高の一言に尽きる。
洗濯物を取り込んで家に入ると、キッチンの方から萌恵ちゃんの声が飛んできた。
語尾に『にゃ』が付いているのは、妄想でも聞き間違いでもない。
今朝の散歩中に猫と戯れているときに閃き、帰ってシャワーを浴びてすぐに土下座して懇願した成果だ。
萌恵ちゃんには今日一日、語尾に『にゃ』を付けて話してもらう。
「はーい」
普通に返事をしながらも、私の表情はだらしなく緩んでいる。
洗濯かごを一旦部屋の隅に置き、折り畳みテーブルを部屋の中央辺りに設置。
配膳を手伝うため、キッチンへ行く。
「今日のお昼はシーフードカレーだにゃ~」
か、かわいい……っ!
はぁはぁ、これはヤバいよ、我ながらとんでもないことをお願いしちゃったよ。
「おいしそうっ」
「んふふっ、ありがとにゃ~」
かわいいかわいいかわいい!
どどど、どうしよう、尊すぎて心臓が爆発しそう!
照れを隠し切れない表情がまた、なんとも言えず素晴らしい。
私が鼻息を荒げている間に、萌恵ちゃんは二人分のカレー皿をトレーに乗せてキッチンを後にしていた。
静かに深呼吸して気持ちを落ち着け、サラダボウルと取り皿をリビングに運ぶ。
「いただきます」
「いただきますにゃ」
このかわいさ、もはや反則を通り越して犯罪級だ。なにがなんでも、私以外に知られるわけにはいかない。
***
食後。二人で食器を洗い終えた後は、一緒に洗濯物を畳む。
ちゃんと洗濯できているか確かめるため、萌恵ちゃんのパンツを手に取り、顔に近付けて匂いを嗅ぐ。洗剤とお日様の香りだった。
好みで言えば、洗濯前の方に軍配が上がる。
「うぅ、さ、さすがに目の前で嗅がれると、恥ずかしいにゃ」
顔を真っ赤にして、恥ずかしさをごまかすように手を動かす萌恵ちゃん。洗濯物が目にも留まらぬ速さで畳まれていく。
「あ、萌恵ちゃん待って。それだとしわになっちゃうから、これはこうして――」
一通り家事を済ませたら、リビングでのんびりとくつろぐ。
萌恵ちゃんに膝枕してもらって、ついさっき交代した。
猫をあやすように、あごの下を撫でてみる。
「にゃ~ん♪」
萌恵ちゃんは口角を緩め、気持ちよさそうな声を漏らした。
か・わ・い・す・ぎ・るっ!
萌恵ちゃんが恥ずかしがるから記録は残さないけど、許されるなら音声と映像をきっちり保存したい。
***
やがて夜を迎え、電気を消して布団に潜る。
優しく抱き合ったり、お互いに相手の体を触ったり、就寝前のスキンシップを楽しむ。
「萌恵ちゃん、今日は変なお願いを聞いてくれてありがとう。すごくかわいかったよ」
「んふふっ、どういたしましてっ。ちょっと恥ずかしかったけど、真菜に喜んでもらえてよかったよ~」
「またいつか、お願いさせてもらおうかな」
「いいよ~。でも、明日は真菜の番だからね?」
「……え」
因果応報って、こういうことなのかな。
翌日、私は萌恵ちゃんが味わった羞恥を我が身で知ることとなった。
とはいえ、めちゃくちゃかわいがってもらえたので、結果としては最高の一言に尽きる。
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