私がガチなのは内緒である

ありきた

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4章 高校最初の夏休み

11話 たまにはこんな日も

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 それなりに健康的な生活を送っていると自負している私たちだけど、たまに朝からダラダラしたくなる日もある。
 今日は朝から外の気温が高く、日差しも強い。
 いつもなら散歩に出かける時間になっても、私たちは布団の上でゴロゴロしている。
 寝転びながら雑誌を読んだり、肩を並べてスマホで映画を見たり。
 休日の過ごし方としては、王道と呼べるかもしれない。

「あー、萌恵ちゃんの匂いに癒される。くんくん」

 萌恵ちゃんの首元に鼻を近付け、心安らぐ甘美な香りを存分に堪能する。

「んふふっ、ありがと~」

 ともすれば引かれてもおかしくない私の発言と行動を、萌恵ちゃんは明るく受け入れてくれた。
 それどころか、私の頭を優しく撫でてくれる。
 気持ちよくて安心できる、至福のひと時だ。

「萌恵ちゃん、ちょっとだけ……」

 あえて最後まで言わず、体勢を変える。
 萌恵ちゃんの方を向いて横向きに寝転ぶと、萌恵ちゃんも同じようにこちらを向く。

「真菜のえっち~」

 その一言で、彼女が私の意図を完全に理解しているのが分かる。
 ほんの少しだけ目を細めて、イジワルっぽい笑みを浮かべる萌恵ちゃん。
 事実なので反論の余地はなく、私は無言で萌恵ちゃんの胸を軽く触る。
 続け様に、肌が露出している谷間部分にキスを落とす。
 すると萌恵ちゃんはピクンッと体を震わせ、頬をほんのり赤らめる。そしてお返しとばかりに、私の胸を優しく触ってくれた。
 お互い、敏感なところを刺激されて艶めかしい吐息が漏れてしまう。
 戯れと呼ぶにはいささか淫靡で、けれど性行為と称するには穏やかなスキンシップ。

「んっ」

「ちゅっ」

 引き合うように唇を重ねる。一度ではなく、何度も。
 時間を忘れて朝からダラダラしたり、イチャイチャしたり。
 布団を片付けようと起き上がった頃には、すでに正午を過ぎていた。
 日課の散歩を休んで朝ごはんも食べていないけど、たまにはこういう朝も悪くない。
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