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4章 高校最初の夏休み
7話 驚愕の事実と新たな一歩
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私は料理がド下手らしい……。
信じたくないけど、どうやら受け入れるしかないようだ。
なぜ私が驚天動地の新事実を知るに至ったのか、その答えは極めてシンプル。
ついさっき、お母さんと通話している際に言われたから。
私と萌恵ちゃんはゴールデンウィークの時点ですでに家族公認の仲で、キスやえっちのことまでは伝えていないけど、定期的に近況報告もしている。
そして先ほど、萌恵ちゃんの作るご飯がおいしいのは分かるけど、私も少しは料理できた方がいいと、気まずそうな声で助言された。
いままでは娘が作る料理を貶したくなくてお世辞を言っていたけど、実は意識が遠のくほどマズい。とまで言われた。とんでもなく衝撃的なカミングアウトだ。
「ま、真菜、あんまり気にしちゃダメだよ~」
愕然としたまま開いた口が塞がらない私に、萌恵ちゃんが慰めの言葉をかけてくれる。
「萌恵ちゃん、ありがとう。でも、気を遣わなくても、いいよ……あはは」
心配をかけまいと笑ってみたものの、乾いた笑いが漏れてしまったので逆効果だったかもしれない。
うん、ショックを受けるだけじゃダメだ。
萌恵ちゃんにおいしいって言ってもらいたいし、お母さんにもちゃんとした料理を振る舞いたい。
よし、決めた!
「私、これから少しずつ料理の腕を磨くよ!」
「お~っ、気合十分だね! あたしにできることがあったら、なんでも言って!」
「ありがとうっ。それじゃあ、今日からご飯を作るときにアシスタントっていう形で隣にいてもいい? あと、食材の切り方とか、味付けのこととか、教えてほしいな」
「もちろん! その代わり、あたしも真菜の洗濯を手伝わせてもらうからね~」
いままで完全分担制だった洗濯と炊事は、今日からお互いに相手をサポートすることになった。
料理が下手だと知ったときは心底衝撃を受けたけど、いまは向上心に火が付いてやる気の炎が燃えている。
大切な人に心からおいしいと言ってもらえるように、毎日コツコツ頑張ろう。
信じたくないけど、どうやら受け入れるしかないようだ。
なぜ私が驚天動地の新事実を知るに至ったのか、その答えは極めてシンプル。
ついさっき、お母さんと通話している際に言われたから。
私と萌恵ちゃんはゴールデンウィークの時点ですでに家族公認の仲で、キスやえっちのことまでは伝えていないけど、定期的に近況報告もしている。
そして先ほど、萌恵ちゃんの作るご飯がおいしいのは分かるけど、私も少しは料理できた方がいいと、気まずそうな声で助言された。
いままでは娘が作る料理を貶したくなくてお世辞を言っていたけど、実は意識が遠のくほどマズい。とまで言われた。とんでもなく衝撃的なカミングアウトだ。
「ま、真菜、あんまり気にしちゃダメだよ~」
愕然としたまま開いた口が塞がらない私に、萌恵ちゃんが慰めの言葉をかけてくれる。
「萌恵ちゃん、ありがとう。でも、気を遣わなくても、いいよ……あはは」
心配をかけまいと笑ってみたものの、乾いた笑いが漏れてしまったので逆効果だったかもしれない。
うん、ショックを受けるだけじゃダメだ。
萌恵ちゃんにおいしいって言ってもらいたいし、お母さんにもちゃんとした料理を振る舞いたい。
よし、決めた!
「私、これから少しずつ料理の腕を磨くよ!」
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「ありがとうっ。それじゃあ、今日からご飯を作るときにアシスタントっていう形で隣にいてもいい? あと、食材の切り方とか、味付けのこととか、教えてほしいな」
「もちろん! その代わり、あたしも真菜の洗濯を手伝わせてもらうからね~」
いままで完全分担制だった洗濯と炊事は、今日からお互いに相手をサポートすることになった。
料理が下手だと知ったときは心底衝撃を受けたけど、いまは向上心に火が付いてやる気の炎が燃えている。
大切な人に心からおいしいと言ってもらえるように、毎日コツコツ頑張ろう。
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