私がガチなのは内緒である

ありきた

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3章 一線を越えても止まらない

32話 スクール水着

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 私たちが通う高校にはプールがあり、授業にも組み込まれている。
 異性に体を見られる心配もなく安心して泳げるから、いままでよりもプール開きが楽しみだ。
 他のスポーツと同じく水泳も得意なわけじゃないけど、嫌いなわけではない。
 授業用だからあえて新調する必要はないと判断して、実家から持って来た荷物の中にはスクール水着もある。
 ついさっき学校から帰宅した私たちは、サイズ確認のため押入れから水着を引っ張り出し、試しに着てみることにした。

「早く泳ぎたいな~」

 そうつぶやきつつブラウスを脱ぐ萌恵ちゃんの泳ぐ速さは、私の全力疾走よりも格段に上だ。

「クラスのみんな、きっと驚くよ。水泳部からスカウトされるかも」

 脱いだ衣類を畳んでまとめつつ、みんなの反応を予想する。
 当の本人は大げさだと笑っているけど、水泳部どころかプロの競泳選手として勧誘されても不思議ではない。

「うん、まだ着れる」

 久しぶりに着用した紺色の水着は大きすぎず小さすぎず、ピッタリ肌に密着しながら窮屈感はそんなにない。
 中学一年生のときに買った物が高校生になっても使えるのだから、お得だと喜ぶことにしよう。
 小学校を卒業してからほとんど成長してないだなんて、そんな悲しい現実からは目を逸らせばいい。

「ん~……ちょっと、キツい」

 苦しそうな声に反応して視線を滑らせた瞬間、全身の血液が鼻血として噴出するんじゃないかと本気で思った。
 スラッと伸びた脚のライン、ぷりんっとしたお尻、引き締まったウエストが描く見事なくびれ。
 そして、いまにも生地を破って内側から飛び出しそうな胸の膨らみ。
 試着ということでパッドを抜いているから、乳首の形もクッキリと浮き出てしまっている。
 え、えっちすぎる。
 下着姿よりも肌の露出面積は小さいのに、いますぐ萌恵ちゃんをメチャクチャにしたいという不埒な欲求が加速度的に強まっていく。
 ムラムラした気持ちを抑えるために太ももをつねり、痛みに涙をにじませながらも視線が外せない。

「も、萌恵ちゃんは買い換えた方がよさそうだね」

 私が知る限り、萌恵ちゃんは毎年スクール水着を新調している。理由はもちろん、胸の成長に伴ってサイズが合わなくなったから。

「今年は大丈夫だと思ったんだけどな~」

 不満気に漏らしながら、窮屈な束縛から爆乳を解き放つ。
 過度な締め付けがなくなるや否や、たわわに実った巨大な果実がぶるんっと弾む。
 着替えを済ませた後、萌恵ちゃんは私の太ももを枕にして寝転びつつ水着の件で家に電話している。
 落ち込んだ様子で「毎年ごめんね」と謝るのを聞いて、呑気に劣情を催していた自分を殴りたい気持ちに襲われた。
 連絡を終えても萌恵ちゃんは太ももから離れようとしなかったので、ここぞとばかりに頭を撫でる。

「んふふっ、真菜に撫でられるの気持ちいい~」

「私も、萌恵ちゃん撫でるの気持ちいいよ」

 この後、体勢を入れ替えて今度は私が膝枕してもらい、髪を愛でられたり額にキスしてもらったり、ひたすらイチャイチャし続けた。
 晩ごはんの時間がいつもより二時間ほど遅くなったけど、後悔はしていない。
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