私がガチなのは内緒である

ありきた

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3章 一線を越えても止まらない

25話 更衣室でのありふれた行為

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 体育を終え、更衣室で着替えているときのこと。
 バレーボールでも大活躍だった萌恵ちゃんの汗を拭くため、下着姿の恋人に優しくタオルをあてがう。
 最初は自分で拭くと遠慮されたけど、半ば強引に承諾してもらった。

「萌恵ちゃん、痛くない?」

「うん、平気だよ~」

 背中を拭きやすいように髪を上げてもらっていて、露出したうなじが抜群に色っぽい。
 ついでに言うと、蒸れた腋とか汗ばんだ首筋とか、濃厚なフェロモンが私の理性に致命傷を負わせる。
 家ならともかく、ここは更衣室だ。周りにクラスメイトがいるのだから、迂闊な行動は控えないと。
 公認の仲とはいえ、みんなは私たちがどこまで進んでいるのかは知らない。
 だから、興奮して息を荒げたり、腋に舌を這わせたり、背中を指でなぞったり、家と同じようなノリは御法度だ。

「ちょっと冷たいから、気を付けてね」

 萌恵ちゃんの汗が染み込んだタオルをさりげなく顔に近付け、限界まで鼻で息を吸ってからバッグに仕舞う。
次いで制汗シートを一枚取り出し、一言添えてから肌に当てる。

「ん~っ、ひんやりして気持ちいい!」

 きっ、気持ちいい!?
 もも、萌恵ちゃん、人前でそんな大胆な!
 いくら下着は外していないからって、更衣室の中で制汗シートの爽快感を味わって気持ちいいだなんて……あ、いや、よく考えたら普通のことだった。

「腋拭くから、もうちょっと腕上げてもらっていい?」

「りょ~かい!」

 惜しげもなくさらけ出された腋はあまりに美しく、体温の上昇でほんのりピンクに上気した色白の肌は扇情的ですらある。
 一般論で言えば卑猥な要素は皆無なはずなのに、萌恵ちゃんの腋を見ていると常識が覆されてしまう。
 改めて直視すればするほど、腋も性器なんじゃないかと思えてならない。
 思わずゴクリとのどを鳴らしてしまい、慌てて周囲を確認する。幸いにも聞かれていなかったようで安心した。
 その後もどうにか不自然な素振りは見せず、どうにか無事に萌恵ちゃんの体を拭き終える。
 先に制服を着た萌恵ちゃんがお返しとして私の体を拭いてくれたんだけど……変に意識しすぎて体が反応し、下着を濡らしてしまったのは、私だけの秘密。
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