私がガチなのは内緒である

ありきた

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3章 一線を越えても止まらない

10話 梅雨入り

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 なんの不満もなく楽しい日々を送る中、世間では梅雨入りが発表された。
 事前に購入しておいた折り畳み式の室内物干しが活躍する日は近い。
 同じ布団で寝ているので、スペースはわりと空いている。部屋干し特有の嫌な臭いを対策する必要はあるけど、寝床が狭くなるんじゃないかという心配は無用だ。

「しばらく止みそうにないね~」

 休み時間の教室で、萌恵ちゃんが窓の外を見ながら悲しそうにつぶやく。
 私は自分の席で提出用のプリントにペンを走らせながらも、萌恵ちゃんとクラスメイトの会話にしっかり聞き耳を立てていた。
 雨が好きという人の意見も分からなくはないけど、私は萌恵ちゃんと同じで晴れの方が好きだ。
 ただ、利点がないわけでもない。
 雨が降ると靴が濡れて靴下が蒸れやすくなるから、凝縮された独特な香りを堪能できる。あわよくば生足を舐めたりも――って、なにを考えているんだろう。
 自分の変態さに嫌気が差し、頭痛すら感じて額を押さえる。
 萌恵ちゃんが軽蔑せず受け入れてくれているとはいえ、倒錯しすぎた趣味嗜好は断じて誇れるものではない。
 たまに死にたくなるぐらい気持ち悪いことを考えてしまうこともあるけど、いつまでも萌恵ちゃんとイチャイチャしたいから、できるだけ長生きしたい。

***

 放課後になっても雨は止まないばかりか、より激しくなっている。
 傘のおかげで被害は最低限で済んだものの、家に着いたときには足元が水浸し。学校から最も近い建物であるこのアパートまでの移動でこの有り様なのだから、家が遠い人は大変だ。
 すっかり体が冷えてしまったので、早々にシャワーを浴びることに。
 ブラウスとスカートを脱いで露わになる、萌恵ちゃんの下着姿。毎日見ているのに、毎回必ず視線を奪われてしまう。
 ブラのサイズは比べるのが虚しいほどの差があるけど、デザインは二人とも同じ。
 白を基調としたシンプルながらもかわいい下着が、萌恵ちゃんの爆乳を優しく包んでいる。
 ホックを外すと、窮屈な拘束から解放されたことを喜ぶかのように左右の胸が弾んだ。
 上からワイヤーで引っ張っていると言われても不思議ではないぐらい、重力に逆らって見事な形を維持する乳房。
 肌触りはモチのようにしっとり滑らかで、簡単に指が沈むほど柔らかく、力を込めれば負けじと押し返す弾力がある。

「真菜~、どうかした?」

「ううん、なんでもない」

 つい見惚れてしまった。
 萌恵ちゃんの呼びかけで我に返り、自分の脱衣をササッと済ませる。
 鏡に映る私の体は、やはり何度見ても魅力に乏しい。
 贅肉がないと言えば聞こえはいいものの、胸もお尻も小さく、背だって低い。
 体質なのか、高校生にもなってつるつるだし。まぁ、それは萌恵ちゃんにも言えることだけど。
 ただ、以前ほどの劣等感はない。えっちするときに、萌恵ちゃんがこれでもかというほど褒めてくれるから。
 思い出すとムラムラしてきた。
 シャワーを浴びながら、というのもいいかもしれない。

「ねぇ、萌恵ちゃん――」

 浴室に移動しつつ、私は閃いたばかりの提案を口にするのだった。
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