ギリギリセーフ(?)な配信活動~アーカイブが残らなかったらごめんなさい~

ありきた

文字の大きさ
上 下
164 / 217

164話 ギリギリ健全かもしれない我慢比べ②

しおりを挟む
「お待たせしました、もう大丈夫です」

 熾烈を極めた我慢比べによるミミちゃんへのダメージは、水分補給と休憩を挟むことで無事に解消された。
 乱れていた息はすっかり整い、上気していた頬も普段通りの色合いに戻っている。

「それにしても、派手にイっちゃったね~。ほら、シーツもこんなことに……」

「っ!? そ、そんなにハッキリ言わないでくださいっ」

 ミミちゃんの顔が、一瞬にして先ほど以上に赤くなった。
 恥ずかしがる様子がまたかわいらしく、いつまでも眺めていたい。

「まったく、盤外戦術なんて卑怯だよね」

「ユニコちゃんが言えることじゃないですよ」

「あはは、ごめんごめん」

「でも、シーツの件は完全にわたしのせいですから、ちゃんと責任を持ってきれいにしますね」

「きれいに? むしろいまの状態が最高だと思ってるけど」

 我ながら変態じみた発言だけど、本心なのだから仕方ない。

「そ、そんなこと言われても、素直に喜べないです」

 この瞬間、あたしはミミちゃんの照れ顔をさりげなくスマホで撮影。
 動揺するミミちゃんの口をキスで塞ぎ、しばらく恋人同士の甘い時間を楽しんだ後、真面目に今日の本題へと話を戻す。

「さぁ、次はミミちゃんが攻める番だよ~」

「胸とお股以外はどこでもいいんですよね?」

「うんっ。正確には、乳首はダメだけどそこを避けておっぱいを触ったり揉んだりするのはセーフ!」

「了解です。さっそく始めてもいいですか?」

「いいよ~。裸になった方がいい?」

「そのままで大丈夫です、わたしが選んだのは耳ですから」

「耳……なるほど、これは一筋縄じゃいかないかも」

 耳はあたしにとって弱点と呼べるような場所であり、当然ながらミミちゃんは誰よりも詳しく知っている。
 いつもなら甘く痺れるような快楽を受け入れるところだけど、今回はそれに耐えなければならない。
 開始前にして、三分という制限時間が果てしない長さのように思えてきた。

「それじゃあ、始めますね」

 ミミちゃんはそう言いもって、タイマーをスタートさせた。
 ベッドに腰かけたまま、横からあたしの体をギュッと抱きしめ、左耳に顔を近付ける。
 いい匂いがふわっと香り、押し付けられたおっぱいの柔らかさが心地いい。
 最愛の人による抱擁は、相変わらず例えようのない安心感と興奮をもたらしてくれる。

「はむっ」

 不意に始まる、耳への攻撃。
 初手は軽く歯を当てる程度の甘噛みだった。
 痛みを感じない絶妙な力加減による優しい刺激と、ぷるんとした唇の感触が同時に襲ってくる。
 正直に言って、めちゃくちゃ気持ちいい。

「んっ……ちゅっ、ちゅっ……」

 今度は耳のいろんなところにキス……っ!
 油断していたわけじゃないけど、まさかここまで簡単に追い込まれるなんて。
 どうにかギリギリのところで踏ん張っているものの、ほんの少しでも気を緩めれば声が漏れてしまいそうだ。
 体の奥が熱を帯び、切なさを訴えかけてくる。
 いつ限界を迎えてもおかしくない状態なのに、ミミちゃんは再び甘噛みを始めた。
 ダメ……もう……声、出ちゃう……っ。

「……ふー」

 耳に息を吹きかけられた瞬間、あたしはミミちゃん以外の人には絶対に聞かせられないような声で悲鳴を上げてしまった。

「うぅ、負けた~っ。気持ちよかったけど悔しい!」

 あと、自分でもビックリするぐらいエッチな声が出て、なんか恥ずかしい。
 先攻後攻共に攻め手が勝利を収め、一回戦は引き分けという形で終了した。

「二回戦もやりますか?」

「うんっ、やる!」

 こうしてあたしたちは、配信の企画案をブラッシュアップするという大義名分のもと、特殊な我慢比べを夜遅くまで大いに楽しんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...