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121話 雨宿り
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日課と呼べるほどの頻度ではないけど、あたしとミミちゃんはよく近所の公園を散歩する。
今日も早起きついでに、ラフな格好でタオルだけを持って外に出た。
歩き慣れたルートを談笑しながら進んでいると、いつの間にか空が雨雲に覆われ、周囲が薄暗くなっていたことに気付く。
降水確率をチェックしてから家を出るべきだったかも……なんてことをミミちゃんと話しているうちに、ぽつぽつと雨粒が地面に降り始めた。
あたしたちは視界の先にある屋根付きの休憩所を目指し、勢いよく駆け出す。
「けっこう降ってるね~」
「しばらくここで雨宿りさせてもらいましょう」
幸いなことに、全身ずぶ濡れになる前に避難できた。
木製のベンチに腰を下ろし、濡れた体にタオルを当てる。
汗を拭くために持ってきたけど、意外なところで役に立ってくれた。
「さすがに服までは――」
そこまで言いかけて、あたしはミミちゃんの方に視線を向けたまま石化したかのように動きを止める。
薄地のシャツが雨に濡れたことで肌に張り付き、淡いピンク色のブラが透けてしまっている。
不思議だ。
産まれたままの姿で肌を重ねて愛し合うような関係で、それこそ毎日のように裸を拝んでいるのに、服が透けて下着が見えているという状況に尋常じゃなく興奮してしまう。
「どうしたんですか?」
「うっ、ううん、なんでもないよ! 誰もいないしここで押し倒してエッチするのもありかなって考えてただけだから安心して!」
「全然安心できないんですけど!?」
感想をごまかそうとするあまり、誤って願望を吐露してしまった。
大胆かつ過激な内容に、驚きと動揺でミミちゃんの体がビクッと震える。
「ごめんごめん、家まで我慢するよ~」
はぐらかしつつ、あたしは念入りに視線を周囲に巡らせた。
遊歩道はもちろん、木や草の陰、人が立ち入ることのできる場所を徹底的に見回す。
FPSのプレイヤーがクリアリングをするように、自分たち以外の存在が潜んでいないかをしっかりとチェックする。
理由はもちろん、ミミちゃんのあられもない姿を他人に見せるわけにはいかないからだ。
よし、誰もいない。
雨の勢いからして、いまから公園に来る人もいないだろう。
油断はできないけど、ひとまず安心だ。
「しばらく待って止みそうになかったら、走って帰ろっか」
あたしの提案に、ミミちゃんがコクリとうなずく。
青空が再び顔を出したのは、雨宿りを始めてからほんの半時間ほど後のことだった。
「あれだけ降ってたのが嘘みたいに晴れましたね」
「うんっ。気を取り直して散歩の続きを――と言いたいところだけど、やっぱり今日は帰ろう」
「え、なんでですか?」
「雨は止んだけど、服はまだ透けたままだからね」
あたしがそう言うと、ミミちゃんの顔が一瞬にして真っ赤になる。
どうにか誰にも見られることなく帰宅したあたしたちは、冷えた体を温めるべく熱いお風呂に二人で浸かった。
散歩は中途半端に終わったけど、素敵な光景やかわいい反応を楽しめたので、あたしとしては通り雨に少なからず感謝している。
今日も早起きついでに、ラフな格好でタオルだけを持って外に出た。
歩き慣れたルートを談笑しながら進んでいると、いつの間にか空が雨雲に覆われ、周囲が薄暗くなっていたことに気付く。
降水確率をチェックしてから家を出るべきだったかも……なんてことをミミちゃんと話しているうちに、ぽつぽつと雨粒が地面に降り始めた。
あたしたちは視界の先にある屋根付きの休憩所を目指し、勢いよく駆け出す。
「けっこう降ってるね~」
「しばらくここで雨宿りさせてもらいましょう」
幸いなことに、全身ずぶ濡れになる前に避難できた。
木製のベンチに腰を下ろし、濡れた体にタオルを当てる。
汗を拭くために持ってきたけど、意外なところで役に立ってくれた。
「さすがに服までは――」
そこまで言いかけて、あたしはミミちゃんの方に視線を向けたまま石化したかのように動きを止める。
薄地のシャツが雨に濡れたことで肌に張り付き、淡いピンク色のブラが透けてしまっている。
不思議だ。
産まれたままの姿で肌を重ねて愛し合うような関係で、それこそ毎日のように裸を拝んでいるのに、服が透けて下着が見えているという状況に尋常じゃなく興奮してしまう。
「どうしたんですか?」
「うっ、ううん、なんでもないよ! 誰もいないしここで押し倒してエッチするのもありかなって考えてただけだから安心して!」
「全然安心できないんですけど!?」
感想をごまかそうとするあまり、誤って願望を吐露してしまった。
大胆かつ過激な内容に、驚きと動揺でミミちゃんの体がビクッと震える。
「ごめんごめん、家まで我慢するよ~」
はぐらかしつつ、あたしは念入りに視線を周囲に巡らせた。
遊歩道はもちろん、木や草の陰、人が立ち入ることのできる場所を徹底的に見回す。
FPSのプレイヤーがクリアリングをするように、自分たち以外の存在が潜んでいないかをしっかりとチェックする。
理由はもちろん、ミミちゃんのあられもない姿を他人に見せるわけにはいかないからだ。
よし、誰もいない。
雨の勢いからして、いまから公園に来る人もいないだろう。
油断はできないけど、ひとまず安心だ。
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青空が再び顔を出したのは、雨宿りを始めてからほんの半時間ほど後のことだった。
「あれだけ降ってたのが嘘みたいに晴れましたね」
「うんっ。気を取り直して散歩の続きを――と言いたいところだけど、やっぱり今日は帰ろう」
「え、なんでですか?」
「雨は止んだけど、服はまだ透けたままだからね」
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どうにか誰にも見られることなく帰宅したあたしたちは、冷えた体を温めるべく熱いお風呂に二人で浸かった。
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