64 / 67
64話 昨日の反省点
しおりを挟む
「冷静になってみると、昨日のあたしは反省すべき点が多かったわね」
土曜のお昼過ぎ。私のベッドに寝転びながらスナック菓子を食べていた彩愛先輩が、ふと手を止めて真面目な声でつぶやいた。
「反省点って言うなら、人のベッドでお菓子を食べてることも含めてくださいよ」
「それに関しては問題ないわ。ひとかけらも落としてないから」
自信満々に告げる彩愛先輩。
本題から逸らしてしまうのも悪いので、ひとまず納得しておく。
「で、昨日の反省点というのは?」
「まず、体操服を借りておきながら文句を言ったことね。歌恋からしてみれば理不尽極まりないし、カップ数を人前で叫んだのも配慮が足りてなかったわ」
彩愛先輩にしてはまともな考えだ。
非の打ちどころがなさすぎて、反応に困る。
「なるほど」
私はイスに座ったまま彩愛先輩の方を向き、深くうなずく。
最初は軽く聞き流すつもりでいたけど、本当に反省しているようなので、こちらも真面目に話を聞くのが礼儀というもの。
「そして、借りた物はすぐに返すのがマナーとかなんとか言っちゃったけど、体操服は洗ってから返すべきだったわ」
「私は別に気にしないですよ。他の人から借りた時は、ちゃんと洗ってから返した方がいいとは思いますけど」
「そう言ってくれると助かるわ。あんたも体操服を忘れたら、遠慮せずあたしに言いなさい。同じ日に体育がある場合に限るけど、喜んで貸してあげる」
「ありがとうございます。気持ちだけ受け取らせてもらいますね」
「いやいや、気持ちだけじゃなくて体操服も受け取りなさいよ。それとも、自分は忘れ物をしないっていう絶対の自信でもあるわけ?」
「そういうことじゃなくて……その、さ、サイズが……」
彩愛先輩にとっては嫌味になってしまうんじゃないかと思い、あえて最後まで言わずに視線を逸らす。
横目で様子をうかがってみると、彩愛先輩は自分の胸と私の胸を交互に見やり、無言でこちらに詰め寄って来た。
「あ、彩愛先輩?」
「ふふふふふ……」
彩愛先輩は乾いた笑いを漏らしながら、私の胸を鷲掴みにする。
それから執拗に揉まれたのは言うまでもなく、絶妙な力加減による刺激を気持ちよく感じてしまったことはここだけの秘密だ。
土曜のお昼過ぎ。私のベッドに寝転びながらスナック菓子を食べていた彩愛先輩が、ふと手を止めて真面目な声でつぶやいた。
「反省点って言うなら、人のベッドでお菓子を食べてることも含めてくださいよ」
「それに関しては問題ないわ。ひとかけらも落としてないから」
自信満々に告げる彩愛先輩。
本題から逸らしてしまうのも悪いので、ひとまず納得しておく。
「で、昨日の反省点というのは?」
「まず、体操服を借りておきながら文句を言ったことね。歌恋からしてみれば理不尽極まりないし、カップ数を人前で叫んだのも配慮が足りてなかったわ」
彩愛先輩にしてはまともな考えだ。
非の打ちどころがなさすぎて、反応に困る。
「なるほど」
私はイスに座ったまま彩愛先輩の方を向き、深くうなずく。
最初は軽く聞き流すつもりでいたけど、本当に反省しているようなので、こちらも真面目に話を聞くのが礼儀というもの。
「そして、借りた物はすぐに返すのがマナーとかなんとか言っちゃったけど、体操服は洗ってから返すべきだったわ」
「私は別に気にしないですよ。他の人から借りた時は、ちゃんと洗ってから返した方がいいとは思いますけど」
「そう言ってくれると助かるわ。あんたも体操服を忘れたら、遠慮せずあたしに言いなさい。同じ日に体育がある場合に限るけど、喜んで貸してあげる」
「ありがとうございます。気持ちだけ受け取らせてもらいますね」
「いやいや、気持ちだけじゃなくて体操服も受け取りなさいよ。それとも、自分は忘れ物をしないっていう絶対の自信でもあるわけ?」
「そういうことじゃなくて……その、さ、サイズが……」
彩愛先輩にとっては嫌味になってしまうんじゃないかと思い、あえて最後まで言わずに視線を逸らす。
横目で様子をうかがってみると、彩愛先輩は自分の胸と私の胸を交互に見やり、無言でこちらに詰め寄って来た。
「あ、彩愛先輩?」
「ふふふふふ……」
彩愛先輩は乾いた笑いを漏らしながら、私の胸を鷲掴みにする。
それから執拗に揉まれたのは言うまでもなく、絶妙な力加減による刺激を気持ちよく感じてしまったことはここだけの秘密だ。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~
みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。
入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。
そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。
「助けてくれた、お礼……したいし」
苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。
こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。
表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる