蛇と刺青 〜対価の交わりに堕ちていく〜

寺原しんまる

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お前を触っているのは誰だ?

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 帰宅した二人はシャワーを浴びにバスルームに向かう。梅雨が明けてもベタベタする湿気に、互いの身体はしっとりと濡れていた。


 鈴子がバスルームに向かうと、当たり前のように付いてくるジェイ。一気に服を脱ぎ捨ててシャワーエリアに一緒に入ろうとするジェイに、「あっち行ってください!」と鈴子はガラス戸の外にジェイを押し出す。


 押し出したからと言っても、ガラス戸は透明で中は丸見えだ。鈴子がシャワーを浴びる姿を外から堪能しているジェイ。鈴子はジェイに「変態」と言葉を浴びせる。


 暫く鈴子の裸を堪能していたジェイだが、何かを閃いた顔をして、猫足バスタブにお湯を注ぎ出す。ジェイはその中に小さなキューブを数個入れる。すると甘いネクタリンの匂いと共に、泡がブクブクと湧き上がった。


「わー! 泡風呂!」


 目をキラキラ輝かせた鈴子が、シャワーエリアからバスタブを見つめる。身を乗り出して見ている姿は、子供が初めて見る泡風呂に興奮しているようだ。


「鈴子、入りたいか?」


 鈴子は大きく首を縦にふる。ジェイはニッコリと笑って手招きした。嬉しそうにシャワーエリアから出てきた鈴子が、跨いでバスタブの中に脚を入れようとした時に、ジェイがニヤリと妖しく笑い鈴子に伝える。


「但し、俺と一緒に入るなら、な!」

「えーーーー! そんな……」


 ジェイは先にバスタブに入り、身体を泡の中に沈めていく。その様子を羨ましそうに見つめる鈴子は「分かりました」と消え入りそうな声で呟き、ゆっくりとバスタブに脚を入れていく。


 ジェイの座っている反対側に座ろうとした鈴子に、「こっちだ」とジェイは自分の方に引き寄せる。鈴子はジェイの開いた脚の間にちょこんと座り、恥ずかしそうにモジモジとしている。なんとなくではあるが、ジェイの身体の中心にあるモノが、鈴子の臀部に当たっているような気がして、鈴子はさらに顔を赤くしていく。


「筋彫りの腫れも引いて、落ち着いてきたな。今週末は何処から始めようか? 場所を区切って少しずつな……」


 ジェイの手が鈴子の背中を優しく撫でている。それが心地よくて、鈴子はうっとりとしながら自身の身体に泡を乗せていく。


「いい匂い……。私、コレ好きな匂いです」

「そう? 良かった。好きそうだと思ったんだ。いつも桃の匂いをさせてるだろ? これは誰かの海外旅行のお土産で貰って、そのまま使わずに置いていた。いつでも好きなときに使えばいい」


 ジェイの鈴子の背中を撫でる手が、ゆっくりと前に移動する。そして、鈴子の大きな双璧に優しく触れた。


「今日はどうして、あんなに胸を強調した服を着てたんだ?」


 ジェイの手は優しく動き、鈴子の胸がチャプンチャプンと水音を立てる。鈴子はジェイの手の上に自身の手を置き、ジェイの手を胸から引き離そうとしたが、その瞬間にジェイが鈴子の項を軽く噛む。


「あぁん……」


 鈴子の口から甘い吐息が漏れた。それが合図となり、ジェイの手に力が入る。ジェイは鈴子の双璧を形が変わるほどに揉みしだく。バチャバチャと水面が揺れだす。鈴子は「イヤ……」と口走るが、ジェイの手は離れない。更にジェイの口は鈴子の耳朶を甘噛みし、耳の中に舌をいれてきた。


 その瞬間、鈴子の脳裏にあの「忌まわしい出来事」がフラッシュバックする。


「イヤーーーー!」


 鈴子は叫び声と共に、ガタガタと震え出す。愛撫を強制的に毎夜与えられた地獄の日々の所為で、身体を舐められる事に恐怖を覚えるのだ。


「鈴子、落ち着け。お前を触っているのは誰だ?」


 震える鈴子を抱きしめて、ジェイは優しく告げる。鈴子はそれでもまだ震えていた。ジェイの声が耳には入ってきていない。


「鈴子、俺を見ろ。お前を触っているのは誰だ?」


 ジェイが鈴子の顔を自分の方に向け、目を見つめながら鈴子の胸の膨らみを触る。


「……じぇ、ジェイ……さん……です」

「ジェイだ……。言ってみろ」

「じぇいぃ……あぅぅ」


 その瞬間、ジェイの指が鈴子の胸の突起を摘まむ。少し痛いような力加減で摘ままれたソレは、先端からピリっとした感触を鈴子に与えた。


 鈴子の目を見つめたまま、小さな突起を口に含むジェイ。ジェイの舌が鈴子の敏感な突起を転がしては吸うを繰り返す。


「あ……、あふぅ……ん」


 鈴子の口から出た甘い吐息がバスルームに響く。


「鈴子、今、お前の胸を舐めているのは誰だ?」

「んぁ……、じぇ……ジェイぃ……」


 ジェイの指がゆっくりと泡の水面に沈んで行く。水の軽い抵抗を受けながら、ジェイは鈴子の小さな茂みにたどり着く。その茂みをかき分けながら、ジェイは更に小さい突起を見つけた。それをクイクイと刺激するジェイ。目は鈴子を見つめたままだ。


「鈴子、今、お前のクリ○リスを触っているのは誰だ?」


「んふぅ……あぁ……、ジェイ……」


 鈴子は久しぶりに人に触れられた秘部の突起を意識する。それはあの義父に散々いたぶられた忌まわしい物で、鈴子は存在さえも消したかった筈なのに、ジェイに刺激されて熱い何かを下半身に感じ出す。


 ジェイはグイッと鈴子を持ち上げて、バスタブの角のスペースに座らせる。少しだけスペースのあるソコに座った鈴子の両足を左右に大きく開かせ、その間にしゃがむジェイは、まだ鈴子を見つめていた。


 泡にまみれた鈴子の下半身の泡を手で拭い取りながら、ジェイはゆっくりと鈴子の秘部に顔を近づけて行く。自身の舌を突き出すようにして、ベロッと鈴子の秘部を舐め上げるジェイ。ジェイの舌に付いているピアスが、コリッと突起に引っかかりながら強い刺激を与えた。鈴子が「ひぁーー!」と声を上げる。

「鈴子、今、お前のクリ○リスを舐めているのは誰だ?」


「んぁ……、ジェイ……」


 ジェイは鈴子を見つめたまま、鈴子の卑裂を舐め上げていく。ヌルヌルとした感触が、敏感な場所をネットリと舐め上げるが、過去に感じた恐怖はソコには無い。


(ジェイが舐めているの……。アイツじゃない……)


 鈴子もジェイを見つめる。


 コプリ コプリと鈴子の蜜口から蜜が溢れ出す。滴るそれを、ジェイは全て舐め上げていく。


「ああぁぁ! いぁぁぁん」


 ジェイが鈴子の秘部にある小さな実をジュルジュルと吸い出したのだ。激しい吸い込みに、絶え間ない刺激が鈴子を襲う。そんな鈴子をジッと見つめているジェイ。口は鈴子の秘部に張り付いているから何も聞こえないが、鈴子にはハッキリと聞こえる。


(鈴子、今、鈴子のクリ○リスを吸っているのは誰だ?)


「ジェイ! ジェイ! ジェイよ!」


 鈴子はガクガクと痙攣しながら派手に達したのだった。


「随分と派手にイッたなあ。そんなに俺の技は良かったか?」


 肩でハアハアと息をする鈴子の顔に近づき、キスをしようとしたジェイ。ドンっと両手でジェイを押し、「変態!」と言いながら、顔をぷっくり膨らまして横を向く鈴子。耳まで赤い鈴子は、そのままバスタブを出て、タオルを掴んで出て行ってしまう。


「ちょ、何だよ。変態って……。っていうか、コレどうすんだよ……。ガン立ちなんですけど……」


 ジェイは臍まで反り返った息子を指さして大きな溜め息を吐くのだった。 


 
 
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