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45 狩りにいこうぜ!
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「無事に冒険者登録できたんだ。じゃあさあ、一緒に何処かに狩りに行かないかい?」
宿屋で今後何処に行こうか悩んでいたルーチェ達に、カルロスが笑顔で話しかける。それを聞いて少し驚いたルーチェだったが、この大きな街で少し所持金を貯めて、何処かに移動するのも悪くないなと呟いている。
「それはいい案だけれど、取り敢えずはこの宿からは出ようかな……。この金額を払い続ける自信はないもん」
「それなら裏通りに安めの宿があるよ。長期滞在なら割引もあるしね」
まだ迷っている素振りのルーチェに、あれこれ話を詰めて畳み込んでいくカルロスを、黙って見ているパブロはそっと窓の外を見る。外にはちょうど、馬の様子を見に行ったディアマンテが見えた。
ディアマンテがルーチェから離れた隙に、カルロスとパブロが二人の部屋に訪れたのだが、パブロはあまり乗り気ではない。
「俺達もその宿に移るから、また隣の部屋にでもすればいい。二人の夜の秘密のレスリングは邪魔しないからさ~」
「……そんなことしないもん」
赤い顔を膨らませるルーチェは、プイッとそっぽを向く。それを見てクックックと笑うパブロは、「本当に初心だな」と声を出して揶揄うのだ。
「お前達、俺のいない間にここで何をしている!」
先ほどまで一階で馬の相手をしていた筈のディアマンテが、部屋にもう戻ってきて入り口に立っている。余りの早さに驚いたカルロスとパブロはゴクリと喉を鳴らす。
「これからのことを相談に乗ってもらっていただけよ。もう、ディアマンテってば心配性ね。二人は先輩冒険者なんだから、いろいろ教えてくれているのよ」
人を疑うことをしないルーチェは、ニッコリと笑って二人を見る。その笑顔を見てパブロは少し苦笑いを浮かべるが、カルロスは「そうだよ! 先輩としてのアドバイスをね」と真面目な顔で返すのだ。そんなカルロスを冷めた目で見るディアマンテは、部屋の中に入りルーチェの背後に立ってグッと抱きしめる。まるで「俺の物だ」と言いたげに威嚇しながら。
そんな様子のディアマンテを見て、「君の大事な人を取ったりしないよ」と笑い出すカルロスは、ポケットの中から一枚の紙を出した。
「これはある場所に行って指定の物を取ってくる依頼なんだけど。結構金額が大きいんだよ。どう? 一緒に行ってみないか?」
その紙を手に取り内容を確認するルーチェは「こんなに貰えるの!」と声を張り上げる。彼女の食いつきがよかったので、カルロスはチャンスとばかりに目を光らせているようだ。
「そこに書いてある魔獣を狩って、そいつが守っている魔石を取ってくるってやつだけれど。俺らがいるから余裕だよ。この魔獣は過去に何度も倒しているから」
「そ、そうなの……? 凄いね、魔獣のランクが……Aランクって書いているわ。なにこれ?」
ルーチェは魔獣のランクというのはイマイチ理解ができていないようだ。冒険者登録をしたときに貰った冊子に書いてはあった筈だが、ちゃんと読み込んではいないのだろう。
「ち、因みにだけれどサイクロプスってランク的には……?」
「サイクロプスはSランクだ……。これを倒すには軍や冒険者の精鋭部隊を組む必要がある」
ずっと黙っていたパブロがようやく口を開く。ルーチェは「そ、そうなんだ」と少し驚き考え込んでいる。
「行きます! 二人がいるなら安心だし」
「じゃあ、準備もあるだろうし三日後に出発だね」
****
カルロスから教えてもらった宿屋に移動したルーチェとディアマンテは、部屋に荷物を置いて寛いでいた。カルロス達は宿に移動した後に「用事がある」と外出しており、ルーチェはチャンスとばかり風呂に水を溜めてお湯に変化させる。
「やっぱり一日の最後はお風呂よね」
「マスターは本当に風呂が好きなのだな」
湯船に浸かっているルーチェの髪を洗っているディアマンテは、珍しく一緒には入っていない。優しい指の動きに気持ちよくて目を瞑るが、少し不満でもあった。いつも当たり前のように一緒に湯船に浸かっていたのにと。
「……ねえ。どうして今日はお風呂に入らないの?」
「ん? マスターは、俺と一緒に風呂に入りたいのか?」
ディアマンテの手は優しくルーチェの頭部をマッサージしている。その刺激が気持ちよくて、ルーチェは「んぁ……」と小さく声を上げた。
「一緒……が、いいかな。だってディアマンテの腕の中って安心するから、ポワポワした気分になれるの。お風呂で気持ちいいのに、更にいい気分になるじゃない?」
「……貴方を喜ばすことができるなら、俺は何でもするよ」
ディアマンテは着ていた服を脱ぎ捨てていく。あっと言う間に全裸になった身体の中央には大きく反り立つ男根があり、ルーチェはそれを凝視していた。
「そ、ソレを私の中にいれたいの……?」
チラチラと男根を見るルーチェの頭を優しく撫でるディアマンテは、チュッと唇をおでこに触れさせた。その瞬間に少し目を瞑ったルーチェだったが、目を開けた瞬間にディアマンテが笑っていることに気が付く。
「わ、笑っているの? ディアマンテ」
「ん? そうだな、笑っているのかもしれない……。貴方が俺を求めてくれることが嬉しくてつい、フフフ」
大きなディアマンテが湯船に入った為に、大量のお湯が排水溝に流れていったのだった。
宿屋で今後何処に行こうか悩んでいたルーチェ達に、カルロスが笑顔で話しかける。それを聞いて少し驚いたルーチェだったが、この大きな街で少し所持金を貯めて、何処かに移動するのも悪くないなと呟いている。
「それはいい案だけれど、取り敢えずはこの宿からは出ようかな……。この金額を払い続ける自信はないもん」
「それなら裏通りに安めの宿があるよ。長期滞在なら割引もあるしね」
まだ迷っている素振りのルーチェに、あれこれ話を詰めて畳み込んでいくカルロスを、黙って見ているパブロはそっと窓の外を見る。外にはちょうど、馬の様子を見に行ったディアマンテが見えた。
ディアマンテがルーチェから離れた隙に、カルロスとパブロが二人の部屋に訪れたのだが、パブロはあまり乗り気ではない。
「俺達もその宿に移るから、また隣の部屋にでもすればいい。二人の夜の秘密のレスリングは邪魔しないからさ~」
「……そんなことしないもん」
赤い顔を膨らませるルーチェは、プイッとそっぽを向く。それを見てクックックと笑うパブロは、「本当に初心だな」と声を出して揶揄うのだ。
「お前達、俺のいない間にここで何をしている!」
先ほどまで一階で馬の相手をしていた筈のディアマンテが、部屋にもう戻ってきて入り口に立っている。余りの早さに驚いたカルロスとパブロはゴクリと喉を鳴らす。
「これからのことを相談に乗ってもらっていただけよ。もう、ディアマンテってば心配性ね。二人は先輩冒険者なんだから、いろいろ教えてくれているのよ」
人を疑うことをしないルーチェは、ニッコリと笑って二人を見る。その笑顔を見てパブロは少し苦笑いを浮かべるが、カルロスは「そうだよ! 先輩としてのアドバイスをね」と真面目な顔で返すのだ。そんなカルロスを冷めた目で見るディアマンテは、部屋の中に入りルーチェの背後に立ってグッと抱きしめる。まるで「俺の物だ」と言いたげに威嚇しながら。
そんな様子のディアマンテを見て、「君の大事な人を取ったりしないよ」と笑い出すカルロスは、ポケットの中から一枚の紙を出した。
「これはある場所に行って指定の物を取ってくる依頼なんだけど。結構金額が大きいんだよ。どう? 一緒に行ってみないか?」
その紙を手に取り内容を確認するルーチェは「こんなに貰えるの!」と声を張り上げる。彼女の食いつきがよかったので、カルロスはチャンスとばかりに目を光らせているようだ。
「そこに書いてある魔獣を狩って、そいつが守っている魔石を取ってくるってやつだけれど。俺らがいるから余裕だよ。この魔獣は過去に何度も倒しているから」
「そ、そうなの……? 凄いね、魔獣のランクが……Aランクって書いているわ。なにこれ?」
ルーチェは魔獣のランクというのはイマイチ理解ができていないようだ。冒険者登録をしたときに貰った冊子に書いてはあった筈だが、ちゃんと読み込んではいないのだろう。
「ち、因みにだけれどサイクロプスってランク的には……?」
「サイクロプスはSランクだ……。これを倒すには軍や冒険者の精鋭部隊を組む必要がある」
ずっと黙っていたパブロがようやく口を開く。ルーチェは「そ、そうなんだ」と少し驚き考え込んでいる。
「行きます! 二人がいるなら安心だし」
「じゃあ、準備もあるだろうし三日後に出発だね」
****
カルロスから教えてもらった宿屋に移動したルーチェとディアマンテは、部屋に荷物を置いて寛いでいた。カルロス達は宿に移動した後に「用事がある」と外出しており、ルーチェはチャンスとばかり風呂に水を溜めてお湯に変化させる。
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「……ねえ。どうして今日はお風呂に入らないの?」
「ん? マスターは、俺と一緒に風呂に入りたいのか?」
ディアマンテの手は優しくルーチェの頭部をマッサージしている。その刺激が気持ちよくて、ルーチェは「んぁ……」と小さく声を上げた。
「一緒……が、いいかな。だってディアマンテの腕の中って安心するから、ポワポワした気分になれるの。お風呂で気持ちいいのに、更にいい気分になるじゃない?」
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「わ、笑っているの? ディアマンテ」
「ん? そうだな、笑っているのかもしれない……。貴方が俺を求めてくれることが嬉しくてつい、フフフ」
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