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ストリップショー
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時貞のいきなりの提案に「はい?」と目が点になるヒロトは、そこで初めて自分が時貞のマンションに連れてこられた本当の意味を知るのだった。
「ストリップって何だよ……。それが時貞が言ってた肉体労働なのか?」
「うるせえ、黙って脱げ……。品定めだよ。使い物になるか確認しておかないとな」
ヒロトは時貞に不審感を抱いたが、自分のステージで全裸はないとしてもストリップまがいに脱ぐことはあった。特に気持ちが乗ってきたら服を脱ぎ捨てていき、それを見た観客が興奮する様を見るのが好きだったのだ。
自分を見て興奮する女達を見ているだけで、自分にどれだけ魅力があるのかと悦に入って興奮する。では自分の魅力でこの男を魅了すれば、全て上手く運ぶのではないかと考えたヒロトは「分かったよ……、やってやるよ!」と時貞に告げた。
(大勢の女達を虜にしたんだ、コイツも手玉にとって昌代の借金も無しにして逃げてやる!)
ヒロトはステージに立つ時と同じ様に、グッと自身に気合いを入れ窓の前に立つ。時貞は部屋の電気を手元のスマートフォンで薄暗くし、ニヤッと笑ってヒロトを見つめる。
ヒロトは自分のバンドの曲であるバラードをアカペラで歌いながら、服を一枚一枚もったいぶるようにして脱いでいく。ステージで観客を煽るように時貞を妖艶な目線で見つめ、いやらしく腰を振る。曲のクライマックスで、穿いていた赤いボクサーパンツに手を掛けて一気に脱ぎ捨てた。
ヒロトのストリップショーの最中、全く表情を変えない時貞。ヒロトは自分の思惑通りになったのか分からず、少し不安そうに時貞を見つめるが、ショーが終わっても何も言わない時貞は、そのまま何もなかった様に煙草をふかしている。
(クッソー! やっぱり男相手じゃ無理か……。コイツが女だったら簡単だったのに)
表情を曇らして悔しがるヒロトは、脱ぎ捨てた下着を掴んで穿こうしたが、「誰が服を着ろと言った?」と言う時貞の低い声に驚き下着を床に落とす。
「……もう用は済んだだろ? パンツくらい穿かせろよ」
「裸のままコッチに来い」
「はぁ? まだ確認するって言うのか? もう見せる場所もねえよ……」
「コッチに向けて尻を突き出せ……」
「はぁ? 言っている意味がわかんねーよ! アンタ、ホモなのか!」
驚きの表情で時貞を見るヒロトだが、時貞の顔は真顔でジッとヒロトを見つめてくる。唖然とした顔で棒立ちになっているヒロトに、時貞は静かに告げるのだった。
「ムショに入ったことはあるか? あそこはなあ、入る前に刑務官に尻の穴まで確認されるんだぜ……。何も隠し持っていないかってなあ」
ムショと言う言葉を聞いて、時貞が刑務所に収監された経験があるのだと推測したヒロトは、大袈裟にビクッと身体を震わせる。ヒロトにとって刑務所など異世界の話なのだ。そんな場所に行った人物が「尻を確認させろ」と言ってくる状況に、混乱し理解が及ばないヒロトは、取り敢えず時貞の言うことを聞いて無事にこの場を済まそうと、グッと時貞に向けて尻を突き出すのだった。
「ストリップって何だよ……。それが時貞が言ってた肉体労働なのか?」
「うるせえ、黙って脱げ……。品定めだよ。使い物になるか確認しておかないとな」
ヒロトは時貞に不審感を抱いたが、自分のステージで全裸はないとしてもストリップまがいに脱ぐことはあった。特に気持ちが乗ってきたら服を脱ぎ捨てていき、それを見た観客が興奮する様を見るのが好きだったのだ。
自分を見て興奮する女達を見ているだけで、自分にどれだけ魅力があるのかと悦に入って興奮する。では自分の魅力でこの男を魅了すれば、全て上手く運ぶのではないかと考えたヒロトは「分かったよ……、やってやるよ!」と時貞に告げた。
(大勢の女達を虜にしたんだ、コイツも手玉にとって昌代の借金も無しにして逃げてやる!)
ヒロトはステージに立つ時と同じ様に、グッと自身に気合いを入れ窓の前に立つ。時貞は部屋の電気を手元のスマートフォンで薄暗くし、ニヤッと笑ってヒロトを見つめる。
ヒロトは自分のバンドの曲であるバラードをアカペラで歌いながら、服を一枚一枚もったいぶるようにして脱いでいく。ステージで観客を煽るように時貞を妖艶な目線で見つめ、いやらしく腰を振る。曲のクライマックスで、穿いていた赤いボクサーパンツに手を掛けて一気に脱ぎ捨てた。
ヒロトのストリップショーの最中、全く表情を変えない時貞。ヒロトは自分の思惑通りになったのか分からず、少し不安そうに時貞を見つめるが、ショーが終わっても何も言わない時貞は、そのまま何もなかった様に煙草をふかしている。
(クッソー! やっぱり男相手じゃ無理か……。コイツが女だったら簡単だったのに)
表情を曇らして悔しがるヒロトは、脱ぎ捨てた下着を掴んで穿こうしたが、「誰が服を着ろと言った?」と言う時貞の低い声に驚き下着を床に落とす。
「……もう用は済んだだろ? パンツくらい穿かせろよ」
「裸のままコッチに来い」
「はぁ? まだ確認するって言うのか? もう見せる場所もねえよ……」
「コッチに向けて尻を突き出せ……」
「はぁ? 言っている意味がわかんねーよ! アンタ、ホモなのか!」
驚きの表情で時貞を見るヒロトだが、時貞の顔は真顔でジッとヒロトを見つめてくる。唖然とした顔で棒立ちになっているヒロトに、時貞は静かに告げるのだった。
「ムショに入ったことはあるか? あそこはなあ、入る前に刑務官に尻の穴まで確認されるんだぜ……。何も隠し持っていないかってなあ」
ムショと言う言葉を聞いて、時貞が刑務所に収監された経験があるのだと推測したヒロトは、大袈裟にビクッと身体を震わせる。ヒロトにとって刑務所など異世界の話なのだ。そんな場所に行った人物が「尻を確認させろ」と言ってくる状況に、混乱し理解が及ばないヒロトは、取り敢えず時貞の言うことを聞いて無事にこの場を済まそうと、グッと時貞に向けて尻を突き出すのだった。
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