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黒猫の幸福
しおりを挟む雨がいっぱい降ってる。
冷たい雨がいっぱい。
閉じられた箱に何入ってんだろうって開けた人間が、雨降ってるのに「なんだ捨て猫かよ」って箱を開けたままにしていった。
おかげで雨を遮るものがなくなってずぶ濡れだ。
時々空がピカピカ光って轟音をとどろかせた。
身体が濡れて震えが止まらない。
大事にするからねって言われたのに、俺は箱の中に詰め込まれて捨てられた。
いい子にしなかったからかな。
可愛くなかったからかな。
あの子の足元について回ったからかな。
理由はなんにせよ俺なんかいらなかった。
まぁ、仕方ない。
お腹すいたな…
もういいや…
目を閉じかけた時、突然身体を掴まれて乱暴に持ち上げられた。
「なぁんだぁ?財布かと思ったのに捨て猫かよ!」
酒臭い息が近づくのに抵抗する気力もない。
「どうせおっ死ぬんだ、お前みたいな弱いのは。カラスに喰われるよりゃマシだろ。」
酔った男はそう言って雨水の溜まった瓶の中に俺を放り込んだ。
冷えた水は身体を硬直させようと体温を奪う。
悲しい気持ちと、怖い気持ちだけが最期持って行く物になってしまった。
雨音と雷に混じって微かに馬の足音が近づいてる気がした。
*
アキッレは兄弟の中でも身体が小さかった。
母親はそのことをいつも心配してくれた。
「ご飯たくさん食べて大きくならないとね。」
そう言いながらいつも優しく毛繕いしてくれる。
他の兄弟達はアキッレが小さい事を気にすることもなく、狩りも一緒に行くし、いっぱい駆け回って遊んだ。
アキッレは独特な愛らしさがあって、そのくせ負けん気が強く好奇心が旺盛すぎて親も兄弟達もいつも心配していた。
そしてあの日。
人間に見つかるからダメだと禁じられていたのに、度胸試しに人の居る街の境界線まで降りた。
街はいろんなにおいをさせてきてアキッレの好奇心を掻き立てる。
背の高い草から首を出してケラケラ笑ったりしてふざけた。
人が居ないのを確認してわざと降りたりして建物に近づいたりして度胸試しを兄弟達がよくしているのをアキッレは知っている。
いつもその遊びが羨ましかった。
「おれだって行ける!」
「やめときなよアキッレ…父さんに怒られる」
「これ以上はダメだよ帰ろう」
「今日は人の気配が多いしやめようよ」
兄弟が口々に言うので余計に意固地になってしまう。
「おれは怖くないもん!」
ばっと開けた所に駆け出した。
意地になって言い返しているうちに、確認を怠り人がいる所にかけ出てしまった。
後ろからは兄弟の悲鳴が聞こえた気がした。
人間達は見上げる程に大きく、アキッレは一瞬でパニックになり弾丸のようにかけた。
兄弟達とはあっという間にはぐれた。
一目散に建物に立てかけた木板の下に逃げ込んだけど、心臓の音がうるさい。
もうどこから自分が出て来たのか分からなくなってしまった。
不安でか細い鳴き声が勝手に出てしまう。
「ねこだ」
感嘆とした声をあげて子供がしゃがみながら
逆光になって顔はわからない。
アキッレに手を伸ばしてくる。
子供であってもアキッレには化け物に見えて後ろに下がって建物の壁に身体を押し付けた。
「こわくないよ、おいで」
一度身態勢を持ち直す時に姿が見えた、綺麗な格好をした人間の子供だった。
子供は再び身をかがめて、目線を低くしてアキッレをみた。
伸びてきた手を爪を立てて払った。
「!」
びっくりしたのか手はすぐに引っ込められた。
出てはいけないという言いつけを守れば良かった。
喉も乾いたしお腹もすいた。
「坊ちゃん、どうかしましたか」
「あ…ジョルジョ…ここの隙間に子猫が居るんだ、このままだと死んじゃうから連れて帰りたいんだけど。」
「成る程」
違う人間の声がして、今度は身体の大きな大人の男がかがみ込んでこちらを見た。
喉の奥から恐怖で威嚇音が出てしまう。
「小さいな」
大きな手が子供の腕では届かないところまで伸びてきて身体を掴んだ。
暴れて爪を立てても怯む事なく日向に引き摺り出される。
胴体に指が回っていて、男が力をこめたら握り潰されてしまうかもしれない。
皮膚をめちゃくちゃに引っ掻いたせいで、大人の男の手からは血の匂いがした。
「いたたた、はいはい、ちょっとごめんな」
男はアキッレを布袋の中に入れた。
アキッレはめちゃくちゃに暴れているが柔らかい布の中では意味がなく、視界も自由も奪われて恐怖で失禁してしまった。
「ジョルジョ、僕持ちたい。…あ、濡れてる。」
「恐怖で漏らしたか。坊ちゃん触らないで。作業小屋に壊れてない鍵のついたカゴがあるはずだからそれに入れて様子見ましょうか。」
袋の中で揺られながら、アキッレは不安に満ちていた。
*
「さて、今日からしばらくここがお前の場所だからな。」
袋ごと檻のような物に入れられて、口が開けられた。
「出てこないね…震えてる。」
「まぁ、無理矢理連れてこられたので仕方ないですよ。怖い思いをさせてしまいましたから。
坊ちゃんがいつでも会えるようにしばらくは俺が預かっておきましょう。
さぁ、遅くなるといけないから屋敷に戻りましょう。」
人の気配が無くなって、袋から少し顔を出してみる。
見た事のないものがそこいら中にあった。
バカな事をしてしまった。
兄弟達のいう事を聞いておけばよかった。
後悔しても今更遅く悲しさだけが増えてしまう。
か細い鳴き声が誰もいない部屋に響いた。
*
「まだ出てこないね…」
ここに連れてこられてから、3回明るくなったり暗くなったりした。
少しだけ人間のニオイに慣れてきたけど、怖いものは怖い。
兄弟達が居るから威勢よくいられただけだ。
「水だけは飲んでるみたいですけどね。」
袋の上から触られる感触がある。
「ねぇ、もう怖い事しないから出てきてくれないかな…」
子供の哀しそうな声が出て耳に届く。
しばらく沈黙が続いて、様子を伺ってる気配がした。
そろ…と袋の口から鼻先を出してみる。
「あっ…」
と嬉しそうな声があがった。
声に驚いて後退してしまう。
どれだけか時間が過ぎても人間達は微動だにしなかった。
アキッレは人間を見てやろうと思い切って頭を袋から出した。
色のくろい大きな男と
色の白い男の子供。
どちらもひどい事をしてきそうじゃないと思って身を屈めて袋の外に出て、入れられてる檻の端に身体を寄せた。
瞳の大きな黒い子猫がやっと出てきた。
「かわいい…」
子供がキラキラとした眼でアキッレを見た。
手が伸びてくるが、威嚇の声を上げると手を引っこめた。
檻の上から鶏肉を茹でたものが入った皿が降りてきた。
「食べろ」
と大きな男が言った。
警戒してしまうがお腹は空いてる。
アキッレは身を縮めて人間達を見た。
「坊ちゃん、ちょっとここから出てましょうか」
と男が子供を促して部屋を出た。
子供は後ろ髪を引かれて何度も振り返った。
ドアが閉まり静寂が戻る。
アキッレは皿に向かって顔を突き出した。
途端に凶暴な空腹に苛まれて肉に歯を立て、夢中で肉を咀嚼して皿を舐めた。
水を飲むと人心地ついて再び檻の端に身を寄せた。
二人が戻ってきてアキッレが食事をした事を喜んでいた。
それからも二人は無理に触ろうとせず根気強く様子を見にくるのでアキッレは徐々に心を開いた。
子供の名前はアルノルフォ
色が白く、髪の毛も白っぽい。
瞳の色が寒い日の空の色みたいだ。
男の名前はジョルジョだということがわかった。
肌は日に焼けて黒く、体も大きい。
黒っぽい髪に顎髭を生やしている。
アキッレは母親のようにアルノルフォが丁寧に身体を撫でてくれるのがお気に入りになった。
「そろそろ部屋に連れて行けないかなぁ。」
「うーん、コイツ、夜になると夜泣きが酷いから坊ちゃん寝られないかもしれませんよ。」
アキッレは夜が来ると兄弟達に当たり前に囲まれて過ごしてきた。
夜が来るたびに入れられた檻の中で寂しくて声が勝手に出てしまう。
その度にジョルジョがうるさいぞ、と声をかけた。
その日の夜も同じだった。
日が暮れて寂しさが増して声が出る。
窓の外に小さく青い月が見えた。
青い月は力をくれる。
アキッレはじっと月を見た。
グッと骨が伸びる感覚が全身に伝わる。
この日がこんな形で来てしまった。
本当なら、家族が喜んでお祝いしてくれるはずだったのに。
黒く艶やかな体毛に覆われていた体は滑らかな皮膚となり、
鋭い爪のついた手脚は自由に動かせる指になった。
座っていては頭が檻の天井についてしまうので、アキッレは身体を踞らせた。
いつも夜泣きのピークになる時間なのに声を上げない事を心配したジョルジョが近づいてくる。
子猫を入れたはずの檻に近づくと閉じ込められた耳と尻尾の生えた子供。
「お前…ドラウグ族だったのか…」
幽霊族とも呼ばれている。
檻に窮屈にうずくまる様子を見てジョルジョは慌てて檻を壊して外に出して布で包んでくれた。
「帰りたい」
口に出すとポロポロと涙が溢れた。
頭上に猫のような大きな耳と尻尾が残されて見た目が非常に愛らしく、愛玩用に闇取引で売買されているという事をジョルジョは耳にした事がある。
人に捕まった個体が猫に変じた話は聞いた事がなく、変化出来る事は知られていない。
ドラウグ族は月光の力で人型になれる一族だった。
ほとんど人前には現れず、取り引き価値は高いが人間達が自分の容姿を貴重だと思っているのを理解している為、人に捕まると自分で尾を噛み切ったりして完全体はほぼ目に出来ない。
好色家の金持ちが傷だらけの個体に首輪をつけて自慢げに連れ歩いていたのを思い出した。
仕えてる家の坊ちゃんが見つけた、遊び相手にと猫を保護したと思っていたのに。
あの時藪の中にすぐに放してやればよかった。
「返してやる、家に帰るんだ。」
ジョルジョはそう言ってくれたけど、アキッレは首を振った。
「人のにおいのついたおれはもう帰れない。」
人に居住区がバレる恐怖を持ち帰ってはいけない。
もし、人に捕まってしまったら決して帰って来ては行けない、だから無闇に人に関わってはいけないと大人達が言っていたのだ。
帰ったとしても、これだけ一緒に居たらもう人のにおいが付いているはずだ。
人のにおいを嫌がる仲間に殺される。
もう、あの暖かい巣には帰れない。
「おれはもう帰れない。」
改めて口に出してみると、酷く悲しくなった。
ジョルジョは毛布で小さなアキッレを包んで抱き上げた。
「すまなかった」
アキッレはジョルジョに抱き上げられながら声をあげて泣いた。
ジョルジョは根気強くアキッレをなぐさめて、ようやく啜り泣く程度にまで落ち着いた。
「お前、名前は」
「…アキッレ」
グズグズと鼻を鳴らしながら答える。
「はぁ…アキッレ、ごめんなこんな所につれてきて。
お前はこれからずっとその姿なのか?」
「猫にもなれるはず…今日、初めてこの姿になった…」
カタ…と小さな音が鳴った。
「ジョルジョ…それ…」
黒猫が心配で屋敷をこっそり抜け出してきた子供だった。
ジョルジョがいない時にも子猫を見ていいとこの小屋の鍵を渡してあった。
メイド達の目を盗んで抜け出してくるほどアルノルフォが気に掛けているとは思ってなかった。
*
アルノルフォは毎日が退屈だった。
ヴィルヘルム領の長男だからと何かにつけて行儀よくだの言ってくる教育係のメガネも嫌いだし、勉学を教えにくる教員どももみんな領主の息子だからと子供のアルノルフォに媚びてくる。
自分の容姿が他の子供らよりいい事も理解している。
過剰な褒めや媚びを浴びていつも馬鹿にされてる気持ちになってしまっていた。
両親は嫌いではないが忙しくて殆ど一緒に居てはくれない。
使用人の一人のジョルジョだけが嫌な事を感じさせず、アルノルフォの興味のある事を積極的に学ばせてくれる唯一だった。
大工道具を修理に出すから、と街に二人で出かけた時に、民家の壁に立てかけてある立てかけた木板の隙間から微かに子猫の鳴き声が聞こえた。
子猫は身動きが取れない隙間に入り込んで怯えた眼をアルノルフォに向けた。
怯えてはいるがあまりに可愛い容姿をしていて目を奪われた。
黒い体に大きな灰色と紫が混じった瞳。
どうしても連れ帰りたい気持ちが生まれた。
「どうしたんですか坊ちゃん」
ジョルジョに事情を話すと、ジョルジョは子猫に手を攻撃されながら布袋に入れてくれた。
連れ帰った日は袋が見てわかるほどに震えていた。
逃げないように、でも狭くない檻に袋ごと入れて何日も見守った。
餌を全く食べてくれず、姿も見せてくれなかったけれど、袋の上から小さい身体を撫でた。
しばらくしていつもの様に観察しているとピスピスと動く鼻先が出てきたので思わず声が出てしまった。
すぐに鼻が引っ込んで、そこからずっと動かなくなってしまったがしばらく様子を見た。
ソロソロと身を伏せながら猫が出てきてすぐさま檻の隅に身体を押し付けていた。
あまりの可愛さに目が釘付けになる。
ジョルジョが檻に入れた鶏肉が気になるのか何度もチラチラみている様が可愛い。
「坊ちゃん、ちょっとここから出てましょうか。」
ジョルジョが言うから一旦部屋を出て待つ。
しばらくして戻ると皿の上は空になっていた。
時間をかけてやっと抱いて膝に乗せれるようになったし、撫でるとリラックスして喉を鳴らすようになった。
部屋に連れて帰りたいというと、ジョルジョが夜泣きが凄いから難しいかも、といった。
アルノルフォは子猫に夢中になってしまって、夜の時間ですら子猫から離れたくなくなってしまった。
満月の日、使用人も寝静まった頃合いを見計らって部屋の窓から脱出した。
芝生の庭を走り抜けてジョルジョが使っている小屋に向かった。
預けられた鍵を使ってドアを開ける。
「ちょっとだけ…」
と檻のあるところを覗くと、檻が壊されている。
「なに…これ…」
ジョルジョの寝室に飛び込むように走った。
ジョルジョが驚きの目を向ける。
「坊ちゃん…」
ジョルジョの腕にはアルノルフォより幼い猫のような耳の生えた子供が泣きながら抱かれていた。
耳の色と、なき濡れた灰色がかった紫の瞳があの子猫と同じだった。
「あの子猫?」
とジョルジョに尋ねると、ジョルジョは困った顔で頷いた。
子供はアルノルフォの方に視線を向けた。
あまりに可憐な泣き顔に、全身に電気が走ったようだった。
「あ……」
思わず泣いてる子供の頭を撫でて、毛布の上から抱きしめた。
「大丈夫、泣かないで。僕はアルノルフォ。君は何て言う名前なの?」
アルノルフォはいま自分が出来る最大の優しい声で尋ねた。
「アキッレ」
「アキッレ…いい名前。」
「お母さんがつけてくれたの」
アキッレはそういうと、涙をポロポロこぼした。
「お母さんもお父さんも人間に捕まっちゃいけないっていったのに。
おれ、おれ…」
アキッレの悲しい声が小屋に小さく響く。
「坊ちゃん、アキッレはドラウグ族の子供です…返そうと思ったんですけど、人のにおいがついたコイツはもう仲間の元に帰れないんだそうです。
連れて来てしまった以上どうにかしないと行けないんですが……」
再び声を上げて泣き始めたアキッレの背中をジョルジョが撫でる。
アキッレの一族は耳と尾が猫のもの。
このまま放り出せばすぐに捕まってしまう。
見せもの小屋ならまだましなほうで、この部族はその容姿からオスメス関係なしに性奴隷にされてしまうこともある。
飛び抜けて愛らしいこの様であれば、ペドフィリアの金持ち達の格好の餌食だ。
ましてや傷の無い完全体のアキッレだ、喉から手が出るほど欲しがる変態貴族はいくらでもいるだろう。
泣いていた声がやがて小さくなっていく。
ジョルジョの腕の中で泣き疲れてアキッレが眠っていた。
途端にアキッレの身体が小さくなり、再び子猫のサイズに戻った。
ジョルジョとアルノルフォは驚きながら様子を見守った。
*
翌日、よく眠ったアキッレを膝に抱きながらアルノルフォは昨日の晩に起きた事を思い出していた。
優しく撫でながら、猫のアキッレも人型のアキッレもとてつもなく魅力的だった事を噛み締める。
何処にもやりたくない、四六時中ずっとアキッレと一緒にいられたらいいのに。
アキッレがパチリと目を開けて大きなあくびをしてから膝の上で伸びをした。
「アキッレは人型には自由にはなれないの?」
と顎先を指先で撫でてやると、トン、と膝から床に降りてぐ…と耳を後ろに下げて前脚に力をこめた。
急速に腕が伸びて人の形に変貌した。
「すごい」
アルノルフォから驚きの声がでた。
「昨日初めて変身したけど、おれの家族は皆んな自由にこの姿になれる。耳と尻尾はこのままだけど…」
アレッキの幼い裸体が眼前に晒され、
アルノルフォはムズムズとした気持ちを抑え込んだ。
「僕の小さい頃の服持って来たけど、着てみる?」
アレッキに服を着せてみるととてもよく似合っている。
「お尻が窮屈。」
とアキッレが言うので、ジョルジョがズボンに尻尾が出せるように縫い目を解いた。
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