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海と桜ファンタジー設定番外編
おなかがすいたら (海サキュバス設定)
しおりを挟むおなかすいた。
人が寝静まった深夜。
今俺は絶望的にお腹がすいている。
眼下には民家と街灯の光。
もうダメ、人に擬態出来ないレベルにまできてるから多分今空見上げる人居たら飛んでる姿見られるかもしれない。
このままでは人サイズの蝙蝠が出たってニュースになってしまう。
俺は男なのにサキュバスだ。
サキュバスって通常は男を誘う女の子達だ。
淫魔とか言われてるアレです。
なのに俺は完全に男だし更に言うと女の子の身体に興味ありありなのにサキュバスなのだ。
「超自然のする事は気まぐれだから。」
とかニヤニヤ笑いながら悪魔達にも弄られてる。
サキュバスは人の男から精気を貰わないと死ぬ。
なのに俺は狩に出て男達から精液を自力で得てくる事が困難だった。
無理。
自分にもついてる知らんやつのチンコ愛撫して精液掠め取るなんて無理。
「そんな謎の潔癖振り翳して死にたいのか」
とかも言われるけど無理。
今迄は母性溢れた面倒見のいいサキュバス達からおこぼれもらいつつなんとかしのげていたのだけど、そろそろちゃんと自分でどうにかしないと本当にそのうち簡単に死ぬよって言われて人間界に繰り出してみたものの…….
どう頑張っても男は無理なんですって…
どうしても曲げられない気持ちが勝ってしまって餓死寸前まで来てしまった。
とはいえ死ぬの怖いし繁華街のいわゆるそういう人達が居そうな場所に降りてみたりしたけど、俺の見た目が多分10歳くらいなせいで優しい人間達に普通に保護されるしすぐ警察とか来ちゃうし…
もうダメだ…飛ぶの体力がガツガツ削られるし…魔界に戻る気力も、もはやない。
なんとなく近づいた家の窓を開けて中に入る、腐っても魔族なんでね、簡単な鍵開けくらいは外からできるの。
そこは子供部屋だった。
ベッドでは明るい髪色のめちゃくちゃ可愛い顔して寝てる子供がいた。
ああ、最後に辿り着いた先で見たのが君みたいな可愛い子で良かったよ…
将来きっと美人になる。
俺みたいな哀れなやつに優しくする美女に育って欲しいよ…
…ん?ちょっとまて、この匂い…この子もしかしてこの見た目で男なのか!!!
こ…これはラッキーかもしれない!!
幼児って感じしないし俺の見た目よりは大きい。
美少女みたいな顔してるけどこれ…精通してるんじゃないか…??
渡りに船とはこの事だ!
眠っている所に更に眠りの暗示をかけてチンコを舐めさせてもらう事にした。
下を捲るともう全然!嫌悪感ない!これならいける!の綺麗な色のちんちん出てきた。
俺は大人のもじゃもじゃグロチンコが無理なんだ。
ごめんな、こんな事してと思いつつ俺はその子から精液をこっそりいただいた。
しかもびっくりするほど上質……酒もタバコもしてない子供のだから当たり前かもしれないけど空腹が一気に満たされた。
本当なら尻で摂取した方が吸収率は桁違いにいいんだけど、サキュバスのくせになんなんですけどもやっぱり尻にチンコを挿れるのは抵抗がありすぎて無理だし…
この子どっからどう見ても未成年だし、他の奴らみたいに年齢も見た目も関係ねぇ、搾り取れとはなれないから舐めるだけで…うう…ごめん…
しかしこれはちょっと一回通りすがりで済ますには勿体無い食事だ…!!!
どうにかして常食に出来ないかと思案してたら都合よくお隣の空き家に子供が居ない夫婦が引っ越してきたので、引っ越してきた大人に暗示をかけてその二人の子供という形で潜り込んだ。
俺が食物認定した子供はソールバルグ家の一人息子で、シグルド・ソールバルグ・桜13歳だった。
名前かっこいいな。
「夏野海です。シグルド君よろしくね。」
「よろしくね海君…俺の事は桜って呼んで。」
本当は美味しいご飯君って呼びたい。
こうして俺は窮地の場面で極上の食事の隣を守備よく確保した。
人間の食事も食える事は食える。
人間の親の作るご飯はいろんな味がして楽しいんだけど、魔族の俺の身体にはほとんど吸収されていかない。
だから精気を得ないと飽食でも飢えていく。
桜は俺よりだいぶ体格が良かったから、俺が4歳歳下という事にした。
人間の子供に擬態する以上は学校というものに通ったりして溶け込まないと生活に矛盾が出て、ボロが出て暗示が一気に解けてしまう事があるらしい。
なんとか桜がいる事で極端な空腹からは逃れられたが今迄の栄養不足が効いて成長スピードがどうなってんだってくらい遅い。
それでも上質な桜の精気のおかげで徐々に成長してきている。
俺くらいの見た目のサキュバス達はロリコン野郎とかとっ捕まえて人間じゃ考えられないスピードで成長して色気満載ボディになる。
俺は女じゃないしどうしても抵抗あるっていうのを100年くらいやってしまった結果、10歳くらいで止まってしまっていた。
*
「海君またため息ついてるよ」
俺は今人間の高校3年生だ。
そしてこの矢作奨真はインキュバス。
俺と同じで人間に擬態してる魔族だった。
引くほどサキュバスとして生きれない俺に哀れみを感じてか人間界で上手い事生きる知恵をくれる。
「随分おっかない餌のにおいさせてるね」って中学生の時に言われてそこからずっと友達状態で、俺が危なっかしすぎるから高校も同じ所に通ってくれている。
そりゃため息もつきたくなる。
聞いてくれ。
餓死寸前で運良く出会ったと思った桜が、人間の思春期とやらのせいなのか知らんが女の子みたいな見た目からあっという間に筋肉バキバキの男になってしまったからだ。
見た目美少女時代から精気をいただいて徐々に成長を見ていたおかげもあってか、今でも桜の大人チンコは舐めれる、慣れってすごい。
だけどここに来て水泳やらモデルやらやってる影響なのかもう完全なる雄と化している。
可愛かった桜を返して…
「もう潮時だと思って。」
人間は愛情深い生き物らしく、入り込んだ先の親となった二人も隣に住んでる親子も俺が食事にしてる息子までもが俺を可愛がっている。
お隣と仲良すぎて親が子供部屋を向かい合わせにしてくれたおかげで、俺が空腹な時に「一緒に寝よ」って桜の部屋に行って寝てるとこを更に深く眠らせていただきますしてるんだけど…
そうじゃない時は桜が俺の部屋にほぼ毎日侵入してくる。
なんか知らんがアイツ俺の部屋の窓鍵かかってんのに解錠出来るの。
見た目が神族みたいだからもしやと疑ったが他のドアとかは出来ないみたいだし近くにいても俺が弱体化しないから違うっぽいし…
朝起きてキラキラした顔面が横にしょっちゅういる。
その唯一の食事源の桜が2年前に成人した。
問題は桜みたいな見た目の成人はおそらく近いうち家を出ていく。
時々女の人のにおいがしてるし。
こんだけ勝手に精力もらっておいて桜が新しく家族を作るところにまで侵入っていうのは厚かましすぎて俺には無理だ。
今の所俺が触れる唯一の男だけどこればっかりは仕方ない。
桜みたいに女の子みたいな見た目の子供をまた見つけられるか…
死にたくなければそれを繰り返して生きていくしかない。
矢作は俺の事情を知ってるから、そうするのしかないかもねって言った。
「海君の場合、サキュバスなのに大人の男捕まえられないなら生きる為には出来る方法でやってかないと死活問題だもんなぁ。」
「や、一人にこんだけ長い間お世話になれたのは有り難かったから、次も上手くやる。とりあえず高校卒業したら家出て探すよ。」
「…それがいい、海君なら何とかなるよ。」
矢作が気遣わしげに俺の腕に触れた。
「海」
名前を呼ばれて振り返ると、桜がこちらに近づいて来て居た。
「あれ、桜どうしたの」
「駅の本屋見に来たんだ。そしたらたまたまね…帰り?一緒に帰ろう。」
「海君じゃ、また明日ね。」
「あ、うん。」
矢作は桜に会釈してすぐに離れていった。
*
…海君のエサに初めて会った…餌が近づいてきて目が合った瞬間どっと脂汗がでた。
海君、卒業なんて悠長な事言わない方がいいよ。
君が餌にしてる人間、僕ら魔族よりもタチの悪い魂持ってる。
今すぐ逃げないと、海君がその餌に捕まる。
海君はその餌に近づきすぎてわからないだろうけど、君に対して大きすぎる執着の塊持ってる。
あの目は僕ら魔族を殺せる目だ。
どうにかなる前にはやく逃げな。
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