お隣どうしの桜と海

八月灯香

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インフルエンザ年越し

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年末年始、年越しのタイミングで何処かでインフルエンザウイルスを貰ってきてしまった。
俺は電車の中だと踏んでいる、何故ならでかい本屋に行きたくて乗った電車内で横に座った人がくしゃみと咳を撒き散らしてたからだ。

発熱外来で検査キットにはっきりと出た陽性のラインを見た医者に「あー、バッチリ陽性出ちゃってるね。そういう人に限ってマスクしてないでしょ」と笑いながら言われた。

一時はご飯の後に飲んでくださいねって処方された薬も吐き戻してしまう状態にまでなった。

そして現在俺は発熱と鼻水と咳と関節痛のフルコースを味わっている。
まだ固形物食べるとすぐ吐いちゃうし…胃がひっくり返りそう…関節がギシギシ音鳴りそうなんだけどコレ…


熱が高くてフラフラなのでトイレは誰かに肩を支えてもらわないと行けない。
一回自力で行こうとしたら部屋のドアの前でよろけておでこをドアで強打した。
39℃まで熱あるとこんなになるのか…
いらん怪我を増やしそうだからトイレ行きたい時はスマホで家に居る母さんを呼んでトイレまで肩を借りている。
そして時々桜がマスクを二重にして部屋に入ってきて水分を摂らせ、汗まみれの俺の身体を拭いて着替えさせてくれる。
おでこの冷却ジェルも定期的に変えてくれてる。

前も思ったけど桜、介護職もむいてるぞ…いや、この場合は看護職か…

助かるんだけどいつ移すかわからないから気が気でない、高熱でぼんやりしてる俺は身体を動かそうにも関節痛で唸って咳き込むを繰り返すしか出来ない。
肋が痛い…なんか咳のしすぎで疲労骨折した人の話聞いたからビビっている…

桜が菜奈ちゃんからの冷たいゼリーの差し入れとか食べさせてくれるからありがたい…
数少ない今食べれる物だ…

気にしないで年越ししててくれとは母さんにも伝えたけど、ちょっとさみしい。

インフルの時は流石の桜も寝る時に寝床に入ってはこない。

今年は布団の上で孤独に年を越す事になってしまった。





年末年始の一週間を病人として過ごしてしまったので、俺は遅れて初詣にいくことにした。

正月の賑わいも無くて快適だな!
と悔し涙しかない。
俺は賑わう寺社仏閣の年末年始の屋台を堪能したかった。
一人だけ年越しし損ねた感が拭えない。

あけおめ~!と年が変わった瞬間に矢作から気の抜けたメッセージが来たからインフルエンザで瀕死の自撮りを返した。

可哀想というコメントと共に初詣に一緒に行ってるであろう彼女とのツーショット画像が送られてきて俺は虚しさにつつまれたよ…しかも驚く事に俺が骨を折った時の彼女とは違う女の子だ一体どうなってるんだ!!
お前休み前学校で別れた悲しみを俺に語ってたくせに!

ガンちゃんと秀一は一緒に初詣行ってきたって病避けのお守りを買ってきてくれてえらい違いだぞ矢作!
三上君からも心配のメッセージ来たのに!矢作!
しかもガンちゃんと三上君初対面したらしく居合わせたかった…

ガンちゃんも秀一に「よかったな」って言ってくれたって秀一からメッセージが来た。

ガンちゃんもうすうす秀一がなんか誰かと付き合ってるにおいがしてたって言ってたし。俺から言える事じゃないから本人から聞いてって言ってたから。
俺はたまたま付き合ってすぐに三上君とエンカウントしてしまったけど、ガンちゃんにはやっと言えたって秀一から連絡きて良かった。
秀一の家は親にゲイだってをカムアウトしたら、お母さんが「気のせいじゃないの」「まだ若いんだから間違いかもしれない」ってなっちゃったって落ち込んでたのを思い出す。
だからガンちゃんが同じ事を言うわけじゃないけどもし言われたり距離おかれたらって思ったら自分の事を言うのが怖くなっちゃったって。
身近な人が自分を否定して来るのは想像でもきついよなって想像できる。

ガンちゃんは格闘技見る専だけど好きだから三上君と話が合って楽しかったみたいだし。


「海、甘酒のむ?」
「お、飲む飲む」

桜がわざわざ時間あけて俺の遅れた初詣に付き合ってくれた。
今年もどうぞよろしくお願いしますを改めて仕切り直した。

今年はいい年になるといいな。

俺に近い人はみんな幸せになってほしい。
そして俺にもどでかいハッピーが来ますように。




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