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ゴルゴン使節団

歌劇団は大人気だよね

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 『おお!オルカル!キミはそれでも向かうのかい?』

 「アンドレイアル!私は民につく、あの人を裏切ることになるが・・・」

 『ならば!僕はキミについていく、この隊はキミとともにある、僕はキミの盾となり』

 「アンドレイ・・・・」


 女性陣はソドム歌劇団を鑑賞していた・・・

 男役、女役すべてが女性である、そして美形なのだ・・・

 【ソドムの一輪の薔薇】はソドム女街に伝わる人気演目である、出演するキャストも人気者でスターである

 
 「いかがでしたか?この街をアリから救ってくれたのはそこの麗しいお嬢様だとお聞きしました、いえ、この外の大陸から来た方々は男に負けない活躍だったと聞いています、歌劇団からも感謝の印で人気作を演じました」

 白い軍服、地球で言えばハクランを着込んだスレンダーなボーイッシュでありながら女性らしさは残してある、そんな案内人の名前はミレイバ、元歌劇団のスターで現在はソドム女街の助役であり、外からの客をもてなす役割を持っている。

 「すごかったです、きれいな女性なのに、男性的な役割、いえあれは女性だから出せる高貴な男性を演じているのでしょうか」

 イロハは目を輝かせる

 「イロハ姫・・・でしたかな、貴方なら女役としていい役者になりそうだ」

 「け!俺は眠くなったけどな」
 頭の蛇と一緒にあくびをするミュイミュイ
 
 「あら・・メデユーサにはわからないのでしょう」

 ミレイバはミュイミュミをにらみつける

 「しかし・・・・・華やかな街ですね」

 カエデは色とりどりの町並みをみて再び感想を言う、至る所にスイーツ店があり、服屋が有る、劇場側なので役者の出待ちをする若き娘が多く劇場の裏口に詰めかけていた

 「キャーヘンシンキ様!」

 女性たちの黄色い声援が一層高くなる

 ヘンシンキと呼ばれた女性は先程のオルカル役をしていた女性である、ソドムの一輪の薔薇のオルカルは女性でありながら軍事将校となり王女の親友で有りながら革命によって自分の率いる軍を民衆側につかせ、民衆の勝利の象徴となった女性を演じている・・・女であるが剣技に優れ、男と変わらない力を持ちながらいつも男装をしていたが、中はものすごい美人で、彼女を支えるアンドレイアルだけはそれを知っていた・・・そして王女を裏切るオルカルは男性である部分を捨て女として部隊を指揮、新たな秩序を作り出した、その際に女を捧げたアンドレイアルはオルカルを守るため致命傷を負い・・・・

 「どっかで見た記憶があるなあ」

 シンシアは考えていた・・・・・だが思い出せない・・・それはキンタロウの家で見たDVDのアニメだったのだが彼女はその頃はまだ日本語がわからなかったのでなんとなく内容はわかったがあまり真剣に見ていなかったのである。

 「どうも英雄の皆様、歌劇団へようこそ」

 アンドレアル役の女性やマリエー王女役の女性、そしてオルカル役のヘンシンキが女性陣の前に立ち礼をする、背筋がピットのびその立ち姿も美しかった

 「ヘンシンキ・・・明日人事院の奉仕だと聞いた・・・私から伝えておく、とびっきりの遺伝子を用意するようにな」

 「ミレイバ・・ありがとう・・・男を受け入れるのは気持ち悪いが、これもソドムの女の宿命・・・とびっきりの女を生んで見せるよ」


 もとスターと現役スターが抱き合う・・・それはまだ激を見ているようであった


 「人事院とは何でしょうか?」

 「失礼した、人事院とは男女がまぐわう施設、より優れた人間を生むためにソドムではまぐわう相手が人事院により決められる・・・本当は男とまぐわうなど考えたくもないが・・これもソドムの女の宿命・・・く・・」

 ミレイバは悔しそうな顔をする

 「私の最初の相手はガルマ将軍であった・・・軍部の将軍だが・・・・年齢は50歳・・・乱暴で・・・・くそ、人事院にはヘンシンキの相手は優しく有りながら魔力も高く、それでいて戦闘能力も高い・・・なおかつ顔立ちが整った男を選ばさしてやる」

 「よせミレイバ、私は選ばれた男を受け入れるさ」

 「僕の時は禁兵的な子だったな・・・僕が攻めちゃったよ」
 アンドレイアル役の男装の女性は思い出しながらいう

 「ああ!でも次が60歳のおじいちゃんだった・・・」

 「それでも劇団員は恵まれている・・中には風呂にも入らない臭い男を相手にしないといけない者もいる」

 
 「そんな・・・・・・好きな人と子供を作れないなんて」

 「好きな人か・・・それをしてしまえばソドムでは子供が出来ない・・・女性は女性を好きになり男は男を好きになる傾向が強いからな」

 「うわ~・・・グラスならそんな事無いのに」
 シンシアは嫌そうな顔をする

 「でも・・私もあまり変わらないかもしれない・・・好きな人と結ばれるか・・・・」
 カエデは深く考え出す・・・



 ソドムでは同性愛の傾向が強く、人事院により繁殖行為を行う管理を行う、その相手は人事院が決める事になるが、人事院自体が両方の街の代表で構成されている、そのため釣り合う相手を選ぶのだが

 女性が求める男性と、男性がいいと思う男性は違う、そのためミレイバの最初の相手はソドムの武功も高い将軍であったが、ガサツで乱暴であった、女性は18歳になると最初の人事院奉仕がある、そして4年周期で人事院奉仕が義務付けられていて閉経するまで続く

 その街の作りから男性に合うのは基本的に人事院奉仕の間だけであり、女街では理想の男性を劇で作り上げる訳である

 女兵士もいるが女街を守る存在である、ソドムの中でも外敵が届きにくい場所にある、街が魔物に責められても男街でそれを食い止める構造である、

 子供は母を知らない、子育ては男街、女街それぞれで行われる、母乳が出る女は人事院で乳母となるが、与える相手も自分の子供ではない、毎日が違う子供に与えるのである。
 
 ある意味かなり特殊的な政策だが、女性軽視というわけでもない、女性がいなければ人口は減るし、繁殖行為を管理する事で人口は増えていく、ゴルゴンは魔物の襲撃も多く、グラップラーアントの様に危機的な侵略も少なくない、その中で女性だけでも守れるようにこういう政策が取られている、それに女性の中には人事院奉仕が好きな女性もいる相手を選べないという部分はあるが、ソドムには可愛らしい男性も多くいてある程度の希望は聞き入れられるのである。

 そして遺伝子の多様性という面でも繁殖行為を管理するのは理にかなっている

 それは外部から新たな遺伝子が来れば尚更である


 「そういえば人間族のかなり強い魔力を要した方々が人事院に新たに見えたと聞く・・・もしかすればヘンシンキの相手はその方達かもしれないな」

 「「「「「え!」」」」」


 人間属・・・

 キンタロウ
 シュンタ
 サモン


 「「駄目!・・・シュンタは駄目!」」



















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