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ゴルゴン使節団

理解はするけど・・・だよね

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ソドムの町は大きい

男街だけでも数万の人口がいる。男女合わせれば十万人を超える人口であろう。

兵役についている者だけでも五万人を超える、兵役といっても武器をもっての兵以外にも職員なども兵役に入るようだ。

その他は職を持つ者。いわゆる職人だ、鍛冶屋や家具屋、大工、建具屋、農家などである。

整地や公共事業などは兵役が行っているようである、そして武器武具研究機関などもアリ、研究員は士官クラスの兵になるという事だ、研究兵と呼ばれている。

5階をクラスの建物も存在し、その技術力の高さを窺う事が出来る。

「おい!あれも男なのか?」
トシイエが案内人に聞く

「ええ、ここは男街です、男性しか存在しません」

案内人はダンベルグ、ごつい名前だが見た目は可愛らしい女性に見える男だ・・・複雑だ。

トシイエが見つけた女性っぽい若い男は、なるほど子供っぽい女の子に見える・・・頭が混乱する街だ。

性同一性障害はグラスにも無くはないが、ここまで大ぴろげではない、特に10代くらいの子はその事を隠す傾向にあるのだが、このソドムに関しては隠す事はない、女の子っぽい格好をして道を歩く・・その姿は女性にしか見えない。

「あっちでは男同士がキスしてるですよ」
サモンが嫌な顔をしながら見る。

その方角にはどちらも男らしい男同士がキスをしている

「あれは衆道だろう、オワリにもある、俺はその気は無いが親父は結構好きみたいだ」
トシイエが答える

衆道はそうだな、男を好む男だ、男として男を好む、俺にもわからない部分だが、男が男に憧れるというのはある、その道の一つだろう。
ノブナガはそうだな、前世界でも前田利家や森蘭丸といった相手がいた・・その前田利家を気に入ってこの世界の自分の子に名を付けたぐらいだしな・・・

戦国時代では大名クラスは小姓を従えていた、小姓は護衛の役割のほかにその相手をするのも仕事と聞く・・上杉謙信などは男色好きで女だったのではといわれるほどだ。

武田信玄も高坂弾正とって言うのもあったな・・・北条氏康の三男は美男子で上杉謙信の養子としてはいり相越同盟を結んだというのもあった・・・

戦国時代に限らず、幕末も有名だ、新撰組では男色の争いで殺し合いになったと読んだ事もある。

明治政府の新政府側の薩摩や土佐も男色が盛んであった、特に薩摩は男らしく育てるのには男色が必要と推奨されていたくらいだ・・
あの西郷隆盛だって大久保利通だって男色であったという事だ・・・
男と男の結びつきの一環として衆道があるともいえる・・昔の日本、特に武士の社会では普通であったのだ。

前世界の現代でも変わらないだろう、エイズは最初、男しかかからないといわれていたのは、男同士の性交によって広がったからである・・かのフレディ・マーキュリーもそうだ・・・


性同一性障害というがさまざまである、障害と書かれているが障害ともいえない、様々な種類もある

前世界ではLGBTと呼ばれる

L=レズビアン 女性が女性を好む
G=ゲイ 男性が男性を好む
B=バイセクシャル 異性も同性も垣根なく好む
T=トランスジェンダー 自分の性と心の性が異なる

女装しているこの案内人はトランスヘンダーという事になる、体は男だが心は女、あの男同士でキスしているのはゲイかバイセクシャルという事になる。

ソドム程開放的にするのも考えものだが、LGBTの人たちが暮らしやすい環境をグラスでも作るべきだろう・・・

しかし中には筋肉隆々でうっすら髭もはえているトランスジェンダーの人も見える・・・差別するつもりはないが・・・少し怖い・・

ダンベルクさんは可愛らしい見た目だが・・体は男として成長する・・残酷な物だ、しかし俊太にやたらと話しかけているな・・


「すごーい!魔法剣士さんなんて憧れです!ソドムでも士官クラス以上じゃないといませんよ!」

「いや、グラスでは魔法と剣技を駆使するのは戦いに置いて普通になってます・・・その・・あまりくっつかないでください・・」

俊太・・・男街には女性禁制・・ダンベルクさんを止める女性陣がいないからな・・・

ソドムの通貨はソドム硬貨になる、グラス硬貨との換金も可能なので色々と買い物をする。

例の照明弾が売り出されていた、オリオンが使っていた物だ、二つの魔石が使われている

火の魔席で爆発を起こし、光の魔石を弾きだす仕組みだ。単純だがグラスには無かった、再現も可能だろう、いくつか買っていこう。

食べ物も色々ある、種なんかも売っているので買っていく。

「強そうな男だな・・・どうだ?相手してみないか?」

トシイエが屈強な男に話しかけられた

「ほぅ?腕試しか?構わないぜ?」

おい、トシイエ争いはよせ

「腕試し?違うな、お前のそれを為したい」

屈強な男はトシイエのあそこに目を向ける

その意味に気が付いたトシイエは慌てふためくように

「わ!悪いが俺にその気はない・・他を当ってくれ」

「そうか・・残念だ」

男は去っていく・・・


「兵役の連中は盛んだからな・・使者さん達もなかなか強そうな連中や綺麗な顔立ちの子もいるから大変だよ」

露店の種屋の男は俺達に言う

「そのようだな・・・あんたはそっちの気はないのかい?」

「俺達かい?職を持つ者はあまりしないなあ・・禁兵さんにはお世話になる事もあるけどな、人事院には月に一回だから、男はたまるんだよ」

あるんじゃん・・・まあ男盛りが月に一回じゃたまるのか・・・分かりたくないがわかるような気もする・・・


「おい!早くこの町をでよう・・・人事院で待ち合わせだったよな・・・」
トシイエが騒ぐ

「父さん!僕も早くこの町を出たい・・・」

禁兵の集団に囲まれていた俊太も逃げてきた・・不思議なのはハムラやユキナリには来ない、多種族は別ということか・・・

街の特産品や仕組み、交易品についての説明を受けた、この日の夜には人事院に置いて応急で歓迎の宴があると聞く、

トシイエと俊太に促されるように街の真ん中に位置する人事院に向かった。

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