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ゴルゴン使節団

仲間が集結すれば怖いものなしだよね

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「ママ~みんなで何処に行くの?お家に帰りたい」

三つ目族の少女は荷車に乗りながら母親に話しかける。

「アキちゃん・・少し我慢してね」
母親は子供の手を握り締め、荷車を引く牛を誘導する。

クスマ村の人口は1000人程、馬も数頭いるが数が少ない、荷車を引くのは家畜の牛になる。
どうしても移動速度が遅い。


「くそ~命がかかっているのに、みんな荷物が多すぎるんだよ」
ゲンプファーは呟く

「グラップラーアントは根こそぎ喰い尽くす、少しでも荷物を持っていきたいというのは仕方がない事だ」
ザナトラが答える

現在クスマの民を護衛するペガサス騎兵は400ほど、大地を埋め尽くすほど発生するグラップラーアントを対処するには頼りない数である。

その時アマツの村からレーベンブローがペガサス騎兵200騎程連れて合流した。

「どうであったアマツは」

「残念だが・・生存者は確認できなかった・・・」

「そうか・・・・」

アマツは三つ目族最大の村で3000人規模の住人がいた、武器を持った兵もそれなりに配備されていた村で、その村の全滅の知らせはこれから起こるであろう危機を物語る。

その後も10人規模のペガサス騎兵が報告に戻ってくる。

「エダンの集落・・誰もいませんでした・・肉塊や血痕が多数確認できました・・全滅した模様です」

***

「ハダンの村・・・全滅でした」


「シノンの村・・ひどい有様でした・・」


来る報告は村が全滅した話ばかりである

クスマ村以西の村は無事の報告があり、この避難の列を目指し避難中

その護衛に300ほどのペガサス騎兵が飛び立つ


「このあたりで野営になるな・・・各地の騎兵にこの場所を知らせろ、防衛陣地をこしらえるぞ、」


「クスマの者も手伝います」
クスマの代表 クシンが答えた

「ありがたい・・オリオンは土の属性が強い者が少ない、頼む」

「我等も種族の存続がかかっています、命がけで手伝います」

クスマの民は子供に至るまでその設営を手伝う、途中エデン村200人 カサ集落60人 プシの村100人の三つ目族の一団が加わる


「俊太俺達も手伝うぞ!」

「うん!」

俊太と俺も土の魔法を使えるので防衛陣地作りを手伝う、ハムラやトシイエもその怪力で陣地作りを手伝う

「凄いな・・この土壁・・・城壁並じゃないか・・」
ザナトラはキンタロウが作った土壁を見て感心した、グラスには鉱山がある、鉱山から出現する魔物を閉じ込めるには強力な壁が必要だ、今まで何度も行った壁作りの土魔法、かなり熟練されている。

避難民は次々と加わる、その数は2000人を超えた、荒野に住む種族だけに避難民で結成された兵は屈強だ。しかしそれでも数は少ないだろう、応援を頼むか・・・

「ザナトラ・・・グラスの応援を呼んでも問題ないか?」

「グラスから?これるならありがてえけど、どうやって?」

「エビスの沖合に停泊する船に護衛用の海軍が50人、グラスからも何人か呼びたい、いわば軍隊だ・・この地に呼んで良ければ呼ぶが」

「かまわんだろう・・・今は数千年に一度の危機だ・・・事後報告になるが俺が責任をもつ、しかしどうやって?」

「まあ、待っててくれ」

俺はチュウ吉呼び出しを行う

「呼ばれたっチュウ!」

すぐさまチュウ吉が現れた

「チュウ吉よく来てくれたな、まず『金太郎丸』に行かせてくれ」

「分かったっチュウ!」

俺とチュウ吉は『金太郎丸』に移動する

突然現れた俺に『金太郎丸』は騒然としてしまった

元鉱山衆である、船の護衛兵を集めた

「チュウ吉、この人たちを、さっきの場所に行かせたいが」

「全員!チュウ?・・・全員は無理っチュウ・・・みんな能力が高いので・・10人が限度でチュウ・・」

えええええ・・・そうなの・・・・グラスから500人くらい連れてこようと思ったのに・・・

「じゃ・・じゃあガクザンと・・ヘルア、キンビ・ドラン・エジ・・この5人で」

「分かったチュウ」

俺と5人とチュウ吉は再び避難地に戻る


その行為をザナトラは唖然と見ていた

「な!いなくなったと思ったら・・新たな人物を連れてきた・・・転送魔法か・・そんな魔法使えるなんて・・」

「すまない・・軍隊を連れてこようと思ったが・・・数に限度があった、ガクザンはドワーフで土魔法も強い、ヘルア・キンビは剣士だ剣技はグラスでも上位だ、ドランは火の魔法が強い、エジは癒しの水を作れる治癒士だ」

「チュウ吉・・今度はグラスの家だ」

「鼠使いが荒いッチュウ!」

------------------
ジーフは学校の仕事を終えてイロハと共に帰宅した

「ただいまです・・ああメグミ~ただいま」

「おかえりなしゃい・・ママとイロハ」

「はい!メグミちゃんただいま!」

外ではシンシアがヤギの世話をしている

その時!

「やってきたっチュウ!」

チュウ吉と共に俺が現れた・・

「きゃ!き!金ちゃん!」

ジェニファーが驚く

「驚かしてすまない・・応援が必要で来た・・・」

「また危ない事ですか!」

ジェニファーが詰め寄る

「うん・・・まあそのな・・・」

「も~・・・・」

「キンタロウさん?私はいつでもいいですよ!」

「いや!ジーフ・・ありがたいがシーナもいるしメグミがかわいそうだ・・ポチ!」


ワン!

「一緒にゴルゴンに来てくれ!」

ワン!?

クーン!

「エ・・エキドナに会いたくないワン・・・」

「そうも言ってられなくてな・・・頼むポチ」

「主が言うなら行くワン・・・でもエキドナに会いたくないワン・・・」

初めからポチを連れていけばよかったのである・・・・それくらいにポチは強いしな・・・

「私も行きます!危険という事はシュンタ様も危険という事でしょう?それにカエデと兄さんもいますし」

「いいのか?危険だぞ!」

「まった~!私も行くよ!家が騒がしいと思ったらこれだ!私もゴルゴンには行きたかったんだ!」
ヤギの世話を手伝わされていたユキナリもいた

ユキナリも金棒を手に取り参加の意思を示す

「よし!ではポチ・・イロハ・シンシア・ユキナリ・・」

パオーン!

シンシアの胸のポケットから吠えるガーナちゃん

「ガーナちゃんか!心強いな」

それにシンシアにはブーさん師匠も付いてくる、正直いうとシンシア以上にこのガーナとブーさん師匠はありがたい

「う!吾輩の魔力危機ッチュウ・・これじゃあ吾輩が帰る力が無くなるッチュウ」

「なにチュウ吉、帰らなければいい訳だ」

「チュウ!?・・・主のいう事は逆らえないチュウ・・・」

チュウ吉は再び穴を掘り避難所につなぐ

「来たっチュウ」

「ワン!」

「シュンタ!ちょっとカエデとくっつきすぎ!」

「あら、カエデ、シュンタ様と仲がいいようで」

「・・・・・・」


カエデと俊太は棒立ちで転送の穴をみる

「イロハにシンシア?ユキナリも・・」

「いいいい・イロハ様・・・・これはその・・連携・・でしてその」

「おお!オワリの鬼坊主!頼りにしてるぜ!」
ハムラがユキナリの頭を叩く

「なんだい!イロハか・・・俺としてはノームの女戦士辺りを希望していたがなあ・・」
トシイエが呟く

「わあポチちゃんだあ」
ジュリとムュイはポチを撫でる

「もう駄目っチュウ・・・みんな魔力が高すぎっチュウ・・・吾輩は眠るッチュウ・・・」

チュウ吉は寝てしまった・・・

すまなかったなチュウ吉・・しかし戦力は大幅にアップした

「あら?ジーフは来なかったの?」

シーナさんが俺に尋ねた

「ジーフはメグミもいますし、今回はお休みさせました」

「そぅ・・久しぶりに二人で暴れてみたかったけどねえ残念」

もうすぐ夜が来る

俺に出来る事は今はこれくらいかな・・・・


----------------
「なあ!私達!のけ者にされた気がしないか?」

「おん?何言ってんだ?それよりさ美味い店が新しく出来たんだ、明日イロハとシンシア誘って行こうぜ」

二人でルームシュアする、ラミーとレミーはいつもの会話をしていた。


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